田中 克典

2017年度の愛知医科大学一般入試は、一次試験が1月24日、二次試験が2月2日・3日のいずれかに実施されます。

東海地区では非常に高い人気のある大学ですが、一次試験会場が、本学(愛知県長久手市)以外に、東京、大阪、福岡にあり、全国どこに住んでいる人にも受験可能です。

愛知医科大学化学の傾向と対策について、富士学院名古屋校化学科の田中先生に伺いました。

――今日はよろしくお願いします。愛知医科大学一般入試の化学は、一口で言うとどのような試験でしょうか。

田中: 愛知医科大学の化学の入試問題は、医大の問題としてはやや珍しく長文誘導型の大問構成です。長文誘導型とは1つのテーマについて、空欄補充を含めながら、文章を読み進めていく出題形式のことで、教科書や参考書の模範解答が穴開きになっているようなものだと考えてもらえれば良いと思います。それゆえに、非常にテーマがわかりやすい問題構成です。

――なるほど、しかし、そうするとしっかりとした知識を体系立てて理解し、覚えている必要がありますね。

田中: そうです、公式のみを覚えていても途中過程を埋めることができず、現象を理解できていなければ完答することはできません。このような出題形式は国立大学の問題に多くあるため、愛知医科大学の問題は難しいと言われることがあります。教科書をすべて読み込むというのは、さすがに大変だと思われるので、参考書などでコンパクトにまとまったものを一度読んでおくのがよいでしょう。

――化学は理論、無機、有機化学の3つの分野に分けることができますが、それぞれについて特徴を教えてください。

田中: 理論化学に関しては、長文型の出題と相性の良い(=問題が作りやすい)、反応速度、化学平衡の出題が多いです。とくに溶解度積に関しては、4年に1度の頻度で出題されています。要注意です。問題の構成としては、文章に沿って問題が順次出題されていくので、必然的に前問の答えを用いて問題を解きすすめていくことが多いです。そのため、一度ミスがあるとそこからすべて失点してしまうという展開がまっています。物理選択の人であれば、この怖さはよくご存知なのではないでしょうか。慎重に計算を解き進める必要があります。

――なるほど、ここでも、前後関係を把握してしっかりと解いていく力が重要になるわけですね。

田中: 次に無機化学ですが、理論化学などの題剤としてではなく、無機化学単体の大問が出題されます。1つの元素に関してというよりは、金属イオンの分離、気体の発生など総合的な問題が多いです。特に化学反応式を書かせる問題も多いので、錯イオンは覚えた、化学式は書けるといったところで安心していると得点にならないということがおこります。金属イオンの沈殿などは、物質を覚えて満足してしまうことが多いので、実際に化学反応式までしっかりと書ける様にしておきたいです。

――確かに、他大学の無機化学は、理論化学の題材として使われ、それほど深い知識を問われない事が多いですね。有機化学はどうでしょうか。

田中: 有機化学に関しては、そこまでの難問、クセはないように感じています。しかし、無機化学と同様に化学反応式を書かせることがあるので、構造式だけではなく、反応全体の式を理解しておきたいです。

高分子化合物に関しては、医大らしく天然高分子の分野からの出題が多いです。とくにアミノ酸とタンパク質が中心となっています。ポリペプチドの構造推定がやや難しい問題が出題されるので、時間が足りなくなることが多いです。問題の構成上、高分子化合物は大抵一番最後になっている場合がほとんどです。とくに愛知医科大学は問題の文章量が多いので、ペース配分をミスしてしまうことがあります。大問ごとに時間を確認しながらすすめたいです。

――ありがとうございました。最後にまとめをお願いします。

田中: 全体として、愛知医科大学は国立大学の出題形式を意識したつくりになっているように感じています。全体的な難易度はそこまで高くはありませんが、文章量と形式からくる解きにくさが難しく感じさせるようです。知識の暗記だけでは合格点をとることが難しい入試であると思います。ただの暗記だけでなく、計算の途中過程や、化学反応式などをしっかりと押さえておく必要があります。

【取材協力】:医学部受験 富士学院

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