加藤 八郎

久留米大学医学部医学科は、九州にある私立大学の1つです。一次試験は久留米市の本学以外に、東京で受験することができますが、同じ九州の私立大学である福岡大学に比べて会場数が少なく、地方受験者にとってはやや敷居の高い大学と言えるでしょう。

そのため、2016年度入試では福岡大学の受験者数が2416名だったのに対し、久留米大学は1805名と受験者数が少なく、倍率も福岡大学16.2倍に対して久留米大学10.9倍と低くなっています。

ただし、2017年度の一次試験は2月1日に実施され、福岡大学の前日、日本大学N方式、東北医科薬科大学と同一日程です。2016年度入試は日本大学N方式と東北医科薬科大学以外に帝京大学と重複していました。関東圏で人気のある帝京大学との重複が無くなったことで、今年は受験者数がやや増加する可能性があります。

久留米大学医学部の一般入試数学について、メルリックス学院福岡校の加藤八郎先生にお話を伺いました。

――今回は久留米大学医学部医学科の数学入試問題について伺いたいと思います。まず、難易度を教えていただけないでしょうか。

加藤: 難易度は標準的です。数年前まではかなり難易度の高い問題も出題されていたのですが、去年、今年とそうした問題はなくなり、非常に標準的になりました。独特のひねりのような問題もなくなり、典型的問題が並ぶというような感じです。

じつは以前は、出題ミスもあったのですが、最近は全くなくなりました。大学としてもより良い出題ができるように問題作成の段階からかなり慎重になっているような感じがします。

――なるほど、それでは、出題形式について教えてください。

加藤:出題は例年大問が6問~7問、穴埋め形式で、数値や式を空欄に記入する出題です。ですので、誘導に乗れなければいけません。解法をよく知っていることが大切だと思います。穴埋めの穴はだいたい全部で20個前後です。解答時間は90分ですが、難易度を合わせて考えると少し厳しい設定だと思います。

――頻出の範囲はありますか。

加藤: 毎年必ず出題されているのが数学IIIの定積分の計算です。特に難しい問題ではないのですが、練習しておかないとできません。逆に練習しておけばできるような問題です。あとは、確率ですね。去年は正八面体の色塗りの問題でしたが、さいころが関係する問題がよく出ます。試行がn回に設定されている事が多いですので、n回試行を行う。という問題はやっておくとよいでしょう。それから、図形と方程式、円が絡む問題や軌跡が出てくることが多いです。ほかには、ベクトル、数列などもよく出ます。

また、数学IIIに絡む問題が頻出で、最低2問は出てきます。数列の一般項の極限や、区分求積の問題などです。

――なるほど、因みに、去年はどのような構成だったのでしょうか。

加藤:去年は第一問が図形と方程式、これは2直線の交点の軌跡が円になるという、よくある問題ですね。第二問は正八面体の色の塗り分けの方法、第三問は定積分の計算問題、置換積分の問題が2問です。第四問は区分求積の問題、第五問は数列で漸化式を解いて一般項の極限を取る問題です。第六問は平面ベクトルでした。

こうして見ると、第三問、第四問、第五問は数学IIIに絡んでいますね。

――確かにそうですね。ところで、新課程の問題は出ていないのでしょうか。

加藤: 今のところ新課程の問題は出ていないです。久留米大学は旧課程でも数学Cの範囲で、行列を出題しませんでした。試験範囲には入っているのですが。ただ一回だけ、旧課程の最後の年に行列を出したことがあったので、全く出さないというわけではないようです。

――最後に、これから1か月ほどの間、どのようなことに気を付けて勉強すればよいでしょうか。

加藤: これからは仕上げの期間ですので、過去問をしっかりやっていくことだと思います。解きっぱなしにするのではなく、間違えたところはなぜ間違えたのか、しっかり確かめてください。また、他校の過去問もやっておくとよいでしょう。東京医科大学や帝京大学の数学の問題はかなり素直で演習する価値のある問題ですので、やってみると良いと思います。