3.受験校の選び方

島根大学医学部医学科 匿名希望

再受験生なのでまず寛容度を調べました。「医学部再受験」と検索を掛ければ出てくる有名なサイトが大学を4つに分類しているのですが、一番右の「かなり厳しい」という分類の大学は除外いたしました。(火のない所には煙は立たないはずなので)また、さまざまな予備校へ行き、合格者の年代や再受験生の合格校などの情報を手に入れ(予備校へは一銭たりとも落としていません笑)、あやしい大学を避けることで受験校を絞りました。

次に学力的な問題をもとに絞りました。センターまで残された期間は約半年で、自分の学力の伸びが予想できず、また年齢的な問題もあるので、とにかく受かりやすい大学を目指すことを決めていたために、二次試験が軽い大学に絞りました。

最後に相性で絞りました。検討している大学の過去問と合格者最低点をまず見ました。自分は難問への耐性があるので、センター9割取ったら、問題はまあまあ難しいものの、7割弱取れれば確実に合格できる島根大学がベストだと思い、受験を決めました。(実際は国語と社会の高い配点で苦労するわけですが・・・・)結構ここが重要で、偏差値と受かりやすさは人によってまちまちなので、しっかり相性を確かめましょう。

あとはオープンキャンパスやカリキュラムなどを確かめればOKです。カリキュラムですが、私は実学重視の大学がよかったので島根大学はベストでした。

4具体的な勉強法

A 英語

英語は東大受験時にセンター170点代、二次試験に関しては4割弱という悲惨さでしたが、再受験時は得意でした。大学では英語版しかない教科書や英語の論文を膨大に読み、またTOEICやTOEFL、院試対策を行っていたために嫌でも英語に触れる機会が増えていたためです。英語は読んだ英文の量で決まるので、とにかく時間が許す限り読みまくりましょう。

ただ細かい単語や文法、構文解析の基礎的な力は穴があると感じたためにそこを補強しようと思い、「DUO3.0」(ICP)「必修英文法問題精講」と「基礎英文問題精講」(ともに旺文社)でそれぞれ最初に勉強いたしました。これらがあれば単語と文法と構文解析の必要な知識はほとんど網羅できます。また、島根大は医専の問題が難しい単語が多いので、一応医学英単語は軽く抑えたほうが良いです。

長文対策ですが、基礎を終えたらとにかく多読を行いました。世間で一定の評価を得ている問題集の文章を自力で読み、誤読したところにアンダーラインを引き、スラスラ頭に入ってくるまで音読することで文をマスターしていくという地道な作業ですが力がかなりつきました。体調不良であったセンター試験一日目ですら英語で30分余り、失点は発音1ミスで済み、また二次試験では難易度がとても高かった今年の島根大学の医専の問題も平然と読みこなせました。読む教材は、センター試験までは「速読のプラチカ」「やっておきたいシリーズ」(ともに河合出版)「毎年でる頻出英文」(日栄社)などでした。センター後は、今まで引いたアンダーラインの復習、過去問と「国公立 医学部の英語」(教学社)で医系の問題演習を行うことで二次試験の得点力を付けました。

英作文はあまり勉強する時間がありませんでしたが、基礎力養成期に「大学入試英作文ハイパートレーニング和文英訳編」(桐原)の例題で基本的な文章の書き方を身に着け、二次試験演習期では過去問と「ドラゴンイングリッシュ」(講談社)で演習兼重要表現の暗記を行いました。英作文のコツですが島根大の様にかなり難解な英訳が出る大学ではとにかく言い換えて平易な表現を用いることを心がけましょう。(たとえば、今年の島根大学ですと、「人間の脳は非論理的なことも許容する」という箇所ですが、「許容する」にforgiveでもadmitでも意味は通じないと思い、正答かはわかりませんが「適応する」と言い換えadjust toを用いました。)

余談ですが、赤本の英語の解答は致命的なミスが散見されます。できれば、優秀な先生や同期や友人に怪しい箇所を聞ける環境があればいいと思います。私は東大の英語が得意な同期に質問したりしていました。

B 数学

基礎力養成期に「チャート式 基礎からの数学(青チャート)」(数研出版)の例題のみを、スラスラ解けるまで反復して完全に身に着けました。医学部は一般的に採点が厳しいと言われており、青チャートのコメントがとても役に立ちます。しっかり読んで数学的に漏れのない答案つくりに役立てましょう(たとえば、XY=6となるX<Yとなる自然数の組を求めよ。という問題で「XY=2×3より、X,Yの組は(1 6)、(2 3)である」という記述では減点を食らいます。「X、Yは自然数である、X<Yである」ということを断らないと、X,Yは(1/2 12)(3 2)も答えになってしまいます。青チャートはこのようなミスりやすい部分を押さえてくれているのでとてもいい問題集です。)

演習期に「入試の核心(標準編)」(Z会)「受かる計算」(シグマベスト)で演習を積み、センター直前演習期は過去問と駿台河合のセンター予想問題集、二次直前演習期に「大学入試攻略数学問題集 2016年版」(河合出版)と過去問で大量に演習いたしました。「やさ理」や「大数」のような難しい問題集に手を出さないのがミソで、とにかく標準的な問題を完璧に解くための処理演習を重視いたしました。

演習でのコツは間違えたらなぜ間違えたか分析して、対策を考えることです。ミスが多い部分や、発想が浮かばない部分があれば、クリアするための対策を立てて一つ一つ地道に穴を埋めていきました。(たとえば、私は確率漸化式が苦手でしたので、青チャートの練習題や章末、他大学の過去問を利用して演習を積むことでパターンが見えてきてクリアすることができました。)

C 国語

評論は基礎力養成期に「入試現代文へのアクセス(基本編、発展編)」(河合出版)を二周ほど繰り返し解き方の基礎を身に着け、演習期に過去問20年分をこなしました。間違えたところの失点原因を分析し、次につなげることを心がけることで、直前期には安定して8割は確保できました。本試は、形式の変化で驚きましたが満点でした。

小説は最後まで苦手でしたので割愛いたしますが、おそらく読書量が不足していたから読むのが遅かったのだと思います。逆に読書をしっかりしていれば高得点は狙えるのではないでしょうか?

古文は受験生活で一番じっくり取り組んだ科目です。なぜなら、東大受験時代に古文を5点という壊滅的な点数をとってしまった苦い経験があり、これを人並みにしないとかなり厳しい戦いになると感じたからです。具体的には「読んでみて覚える重要古文単語315」(桐原出版)で単語を覚えると同時に、「ステップアップノート30古典文法基礎ドリル」(河合出版)で文法を押さえたあとに、「マドンナ古文」「荻野文子の超基礎国語塾古文マドンナ解法」(ともに学研マーケティング)をこなし読み方を覚えました。次に、「30日シリーズ」(日栄社)などで多読を行いました。(簡単に言うと、英語での多読の経験を古文に応用しました。詳しくは英語の対策へ)次に、「マドンナセンター古文」(学研マーケティング)でセンター対策をしてから、過去問や駿台河合塾のセンター予想問題集を中心に多読を行いました。本試はとても簡単だったのもあり満点でした。

漢文は「漢文ヤマのヤマ」をこなした後は、英語と古文と同様のプロセスで多読いたしました。本番では1ミスでした。

D 理科

センターだけでしたが、センターを舐めないほうが良いです。河合の全統記述の難しい問題クラスなら平気で出してきます。文系科目が8割でも、英数理で9割5分とれれば9割取れるので、理科をしっかりとれればセンターの成功率がぐっと上がります。実際今年の失敗した受験生で、難易度が高かったセンター理科で大失点した人は多いと思います。なお、センター特有のいやらしい問題(波の種類など)もあるので、二次試験に理科がある人でも時間があればセンター対策しといたほうが良いと思います。

物理は基礎力養成期に「物理のエッセンス」(河合塾)を何周も解き、演習期に「短期攻略センター 物理」(駿台文庫)、過去問25年分、駿台河合のセンター予想問題集を用いて大量に演習を行いました。

化学は基礎力養成期に「センター試験 化学の点数が面白いほどとれる本」(中経出版)を読みこんだ後は、演習期は物理とおなじプロセスで演習を進めていました。

一問の配点がとても大きくミスが命取りですので、演習を通してミス多発地帯を見つけておきましょう。(ちなみに、私は力学の質量を把握するミスが多かったですので、質量が出てきたら警戒するという癖をつけておきました)

E 社会

地理を取っていましたが、本番で7割前半という悲惨な点数を取ってしまいました・・・確実に点が取れると言われる、歴史での受験を検討しておくといいでしょう。