1999年の設立以来、私立医歯学部のみに特化した指導を続け、渋谷と福岡の2校舎にも関わらず、全国に校舎を多数展開する予備校を抑えて8年連続で医学部推薦入試合格者数日本一(2009年~2015年:大学プラザ調べ)の実績をあげたメルリックス学院の田尻友久学院長に、メルリックス学院設立の経緯と理念、そしてこれからのメルリックスの目標について伺いました。

平野:

メルリックス学院は私立医歯学部専門予備校として、日本でも有数の歴史を持っていると思います。私立医歯学部受験攻略ガイドや医学部ドットコムなどもあって、幅広く認知されていると思います。当然、マーケティングとしての意味合いもあると思うのですが、それだけが理由であるとすると、分析があまりにも細やかであるように思います。 メルリックス学院を設立され、今日まで経営されてきたモチベーションというか、経営理念について教えていただけますか。

田尻:

とにかく「お預かりした生徒の皆さん全員を志望校に合格させる」ということに全力を傾けてきました。実質的にはほとんどの生徒が医学部志望ですから「生徒全員を医学部に合格させる」と言い換えることも出来ます。

そのためには一人ひとりの生徒について私達が十分に理解し、その生徒が合格するためには何が必要で、どういうやり方が最もふさわしいかを考える必要があります。その際、入試に関する細やかな情報は欠かせません。特に私立医学部入試は情報が少なく、わかりにくい世界だと思われがちです。私達はそれを何とか変えたいと思ってやってきました。

また、お預かりした一人ひとりの生徒は、学力も得意科目・不得意科目も異なります。医学部合格への道筋は一つではありません。各科目の講師、そして担任と副担任が一体となって生徒の後押しをしています。医学部受験生一人ひとりに、その人の医学部合格への道が必ずあり、私達はその案内人と考えています。

平野:

メルリックス学院は8年連続で医学部推薦入試合格者数が日本一でしたが、こうした成績をあげられたのは、やはり私立医学部のみに特化して情報と戦略を練ってきた結果でしょうか。

田尻:

私立医学部推薦入試はほとんどの場合、過去問は公表されていません。適性試験ということだけしか分からなかったり、小論文となっていても実質的に英語の試験だったりします。過去問が無いわけですから受験生は何を、どう準備すればいいのか分からないのが現実です。

メルリックス学院は、私立医学部の推薦入試を受験した生徒からの聞き取りや報告を毎年積み重ね、過去問は無くともどういう問題が出題され、どういう面接が行われるかを完璧に把握しています。ですから、その大学の推薦入試に合格するための適切な準備ができるのです。専門予備校の中でも群を抜いた情報力の成果です。

平野:

メルリックス学院は1999年設立ですから、創立18周年になりますね。実は私が18歳・19歳の時にこの建物によく来ていました。と言っても、医学部受験生ではなかったですから、隣の大学への数学でしたが。ですから、それから20年くらいたって、またこの建物に来ると、なんだか当時を思い出して懐かしい気持ちになります。

田尻:

このビルの会議室では「大学への数学」の講座が開かれています。医学部受験生ばかりという訳ではありませんが皆さん真面目な方ばかりで、このビル全体が「勉強する」という雰囲気に包まれています。

平野:

すみません、話が横にそれてしまいました。最後に、これからもメルリックス学院は私立医歯学部にこだわって指導を続けて行かれるのでしょうか、また、メルリックス学院が目指される理想の教育について教えていただけないでしょうか。

田尻:

メルリックス学院はこれからも私立に絞っていきます。医学部は、私立は31大学ですが国公立は51大学あります。私立と国公立の両方の医学部に目を向けると、私立に集中した場合に比べどうしても一つひとつの大学への理解が薄くならざるを得ません。「私立医学部のことなら何でも聞いて下さい」と胸を張って言うために、私達はこれからも私立医学部に的を絞っていきます。

メルリックス学院が考える理想の教育は受験勉強を結果に結び付ける教育です。長い人生において受験勉強は様々な意味があると思います。しかし、私達が追い求める教育は、努力を医学部合格という形にする教育です。押し付けの教育では上手く行きませんので、主体的に勉強することと勉強のやり方を伝えます。結果として、医学部に進学した後もこのことは役に立っていると思います。

平野:

ありがとうございました。

『医学部・歯学部合格請負人~田尻友久Official blog』