メルリックス学院は1999年の創立以来、多くの学生を私立医学部・歯学部に送り出しており、8年連続で推薦合格者数日本一となるなど、高い指導力を持っています。 そのメルリックス学院の指導力そのものである各教科の講師に、指導についてのお話を伺いました。

【数学】宮内 一 講師
「問題を解くための戦略を習得することで、安定した得点力を身に付ける」

平野:

よろしくお願いします。私立医学部の数学の特徴を教えてください。

宮内:

よろしくお願いします。一部の大学を除き、私立医学部の場合、試験時間のわりに問題の量が多いのが特徴です。そのため、一定の時間内に一定量以上の標準問題が解ける受験生が合格しやすくなっていると思います。

平野:

国公立のように、1問1問に時間をかけて考えるということができないのですね。

宮内:

その通りです。大雑把に言って、国公立大の場合は論理的思考を求められることが多い。条件が複雑化することも多く、じっくり問題文を読み、1問に30分位の時間をかけて、考えても良い。そのため、勉強法としては、難しめの問題をしっかり自分の頭で考えて、論理性や勘を磨くことが大切になってきます。

それに対し私立の場合は、短時間で多くの問題を解かなければなりませんので、典型的な問題については、理解をした上で解法を身に着ける・覚えるというやり方が有利です。

もう少し詳しく言うと、「このタイプの問題の対処法はこれこれである」と答えうる数学的センスに頼らない「戦略」を身に着けることができれば、点数が安定すると考えています。

平野:

そうすると、できるようになれば私立大学だけではなく国公立大学を受験しよう、という考えは間違ってますね。そもそも違う。

宮内:

そうですね。試験の質が異なるので、基本的には、私立か国立かをはっきりさせて、勉強していく方が有利です。もちろん、「典型問題の解法」、「論理的思考」の両方とも身に着けている優秀な受験生もいますので、一概には言えませんが、数学が苦手な生徒にとっては、「典型問題の解法」の習得を中心に勉強し、私立一本に絞るほうが得策だと思います。

平野:

私立大学医学部の数学の入試で合格点をとるために、メルリックス学院ではどのような指導をされていますか

宮内:

繰り返しになりますが、一定の時間内に、一定量以上の典型・標準問題を常に解けるようにすることを目標にしていますので、問題をパターンごとに整理し、それれぞれの戦略を身に着けてもらえるように指導しています。もちろん、その戦略だけ覚えれば、完全に数学の点数が安定するわけではなく、「計算力」や「ある程度の思考力」等も必要になりますので、そのための対策もするのですが、中心としては、「戦略の習得」ということになります。

平野:

最後に各期間での教育目標を教えてください。

宮内:

前期授業では、これまで何回も申し上げました通り、「戦略の習得」に全力を注いでもらいます。そのため、前期のテキストでは、クセのある問題などは排除し、問題の本質がクリアに見えやすい問題を扱っていきます。生徒に対しては、復習中心で学んでもらっています。

後期授業では、「前期に習得した戦略の確認」と「ある程度の思考力・発想力の習得」を目指します。テキストでは、私立医学部過去10年分の過去問から精選した問題を扱っていきますが、前期と異なり、多少クセがあったり、ひねりがあるような問題も入れてあります。そのような問題を、その場で解かせたり、予習をさせたり、まず自分の頭で考えてもらい、実戦力が身につくように指導しています。