私立大学医学部入試は情報が大切だとよく言われます。しかし、現在ではインターネットや受験専門書籍を通して、様々な情報を得ることができるため、むしろ受験生や保護者は情報過多になっていると言っても過言ではありません。

いかにすれば情報を正しく指導に反映することができるのかについて、メルリックス学院学院長 田尻友久先生にお話を伺いました。

【取材】メルリックス学院学院長 田尻 友久 先生

メルリックス学院学院長 田尻 友久 先生に、メルリックス学院における大学別の対策講座についてお話を伺いました。

推薦入試や一般入試の大学別対策講座

平野:

メルリックス学院の1年間のスケジュールはどのようになっていますか。

田尻:

毎年、4月半ばから前期授業がスタートして7月前半まで続きます。メルリックス学院では前期と夏期、夏期と後期など、期と期の間に「予備週」という調整のための週を1週間設けています。これは、休講となった授業の振り替えが入ることもありますが、基本的に授業のない週となっています。この間に生徒達はこれまでやったことの復習や、自分の勉強を進めることができるようになっています。

平野:

それは非常に効率的ですね。

田尻:

メルリックス学院では、9月から後期授業がスタートしますが、後期が始まる前に1度、大きなクラス替えをすることになっています。夏期と後期の間の1週間は、クラスが上がる生徒達にとっては、上のクラスの学習進度に追いつくための貴重な自習期間となっているようです。

平野:

クラスが替わっても授業について行くことは可能ですか。

田尻:

途中でクラスが替わる生徒に対しては、こちらでフォローしますので何の心配も要りません。後期授業の途中から徐々に演習量が増えていき、冬期講習・直前期講習はほぼ演習授業となります。

平野:

推薦・AO入試や編入試験を考えている生徒にはどのように対応していますか。

田尻:

メルリックス学院では大学別の推薦・AO対策講座や編入試験対策講座を行っていますので、普段の授業とは別に、そちらを受講していただくことも可能です。ほとんどの生徒は推薦・AOまたは編入と、一般入試を並行する形で勉強を進めていきますので、上手く両立できるように担任・副担任が相談に乗っていきます。

もちろん、メルリックス学院は月謝制ですので、推薦・AO入試や編入試験で合格した場合、翌月からの授業料は一切いただきません。

平野:

一般入試はともかく、推薦・AO入試や編入試験となると、入試問題を公表していない大学も少なくないと思うのですが。

田尻:

その通りです。メルリックス学院は過去に8年連続で推薦入試合格者数日本一になったことがあります。再受験の方も多く、編入試験やAO入試でも毎年多くの合格者を出しています。合格した彼らから聞き取り調査をした内容を分析して、大学別の対策講座に役立てています。

平野:

では、一般入試に向けた大学別対策講座は実施していらっしゃいますか。

田尻:

もちろん行っています。生徒がすべての大学の過去問を解いて出題傾向を分析している時間がないことは、私達も承知しています。メルリックス学院ではこれまでに出題された問題を徹底的に分析し、今年ねらわれそうな予想問題を演習・解説する大学別の対策講座を12月から実施しています。

一次試験を通れば、二次試験は絶対通す。

平野:

話が変わりますが、私立医学部では学力を測る一次試験だけではなく、小論文・面接による二次試験が行われます。

田尻:

確かに、私立医学部入試は学力試験による一次試験を乗り越え、小論文と面接による二次試験を突破して初めて合格となります。私立医学部の二次試験は決して形式的なものではなく、たとえ学科試験がトップでも二次試験で「不可」と判断されれば、不合格になることも十分にあり得ます。

平野:

それは怖いですね。多くの予備校では「一次試験の点数がすべて」と考えているのではないかと思います。

田尻:

確かに、一次試験の点数は大事です。しかし、二次試験で引っくり返されることがあるのは、これまでの生徒の成績開示の結果などからわかっています。面接と小論文を決しておろそかにすることはできません。

平野:

情報を重視しているメルリックス学院らしい分析ですね。二次試験の対策は相当強いという印象があります。

田尻:

メルリックス学院では、受験生からの聞き取りや大学へのヒアリングを通じて、各大学の面接のポイントについては熟知しています。こうした地道な情報の積み重ねと分析に基づいた指導は、どの予備校にも負けないと自負しています。

小論文は文章を書く力と医学部入試特有の知識の両方が必要とされ、入試で通用する力を身につけるのに時間がかかります。そこで、4月の前期授業がスタートしてから週1回のペースで小論文の授業を行っています。

面接は大きくグループ討論、グループ面接、個人面接の3種類に分類されます。個人面接の指導は受験校を意識し始める秋頃から徐々に行います。まず、受験校の志望理由書を仕上げて、それをもとに面接の質疑応答を練習します。この時、キレイごとの答ではなく、生徒一人ひとりに合った合格するための答え方をアドバイスするのがポイントです。

グループ討論、グループ面接の指導は実際と同じ人数、同じ会場、同じ形式で本番同様の雰囲気で行います。

メルリックス学院の二次対策は他の予備校に通っている方々も多くお見えになるので、二次試験の対策について一定の信頼をいただいているのではないかと思っています。

※この記事は、メルリックス学院渋谷校における取材をもとに作成しています。