医学部受験を決めたら 私立・国公立大学医学部に入ろう!ドットコム

私立・国公立大学医学部に入ろう!ドットコム は、医学部受験情報のポータルサイトです。
会社概要 | このサイトについて | 出稿ご希望の方はこちら

医学部受験に成功する学生

平野「では、最後に医学部受験に成功する学力の傾向についてお願いいたします。みなさん、これが一番興味ありそうですね。」

原田 広幸原田「そうですね。(笑)結論から申し上げますと、基本的なところに穴はあるが、天才的に難しい問題を解ききってしまう人より、地道にコツコツと勉強して、医学部受験生であれば絶対に落とさないレベルの問題を全てできる人の方が向いていると言えます。つまり、医学部受験に向いているのは、天才肌で地頭だけはよい「ウサギ」タイプではなく、コツコツと努力できる「カメ」タイプのほうなのです。
「ウサギ」は、旧帝大クラスの有名国公立大学や早慶上智など有名私立大学の工学部や理学部などに受かる人には見られるタイプですが、こういうタイプは、競争率が高く、ミスなしゲームのような医学部、特に私立大学医学部の入試には向いていません。」

平野「その場でやり方を考えて問題を解くのが得意な人は確かにいますね。そういう人はあまり向いていないという事でしょうか。」

原田「いえ、そういうわけではなく、合格に必要な知識や解法に抜けがあることが問題なのです。基本的な事項に抜けがあると失点するように問題が作られているのです。地の頭の良さやひらめきだけでは、受かることはできません。

基本的な事項に抜けが無いようにするためには、ある程度のボリュームのある問題集で演習を行い、幅広い知識を吸収するようにするべきです。その時に気を付けてほしいのは、問題のトリアージをするという事と、段階を踏んだ学習をすることです。」

平野「土台からしっかり固めていくという事ですね。」

原田「そうです。例えば、私の指導教科の一つである英語を例にとって説明しましょう。
まず、英語の基礎となるのは語彙力です。英語が不得意な人は総じて英単語を覚えていません。ですから、文法や長文の勉強をする以前に、基本的な単語を覚える必要があります。基本的な語彙力が不十分のまま長文を読み始めても、わからない単語ばかりで、辞書を引くことばかりに時間を取られ、なかなか前に進むことができません。いまの入試問題は、ほとんどが長文読解ですからね。
なお、ボキャブラリーレベルを実力から2段階ほど落としたテキストを「多読」する、という語彙力増強のメソッドもあるのですが、これは英語に時間をたくさん割くことができるひと向けのやり方です。」

平野「なるほど。理系科目でも、重要な公式や解法を知らないのに高度な問題に取り組もうとする人がいます。その意気込みはいいのですが、残念ながら勉強の密度としては薄くなってしまいますし、たいていの場合は伸びません。むしろ、少し余裕のあるレベルからやる人の方が大きな学習効果を得ているようです。」

原田「ええ、そして、それは単語帳の選び方にも言えるのです。語彙力が高1レベルしかないのに、旺文社の『TARGET1900』をやり始める受験生がいます。「学校で配られたから」という理由で、高校1年生なのに、『データベース4500』(桐原書店)などの暗記に奮闘している人もよく見ます。これらの単語帳は、初学者にとって高度すぎます。最後の仕上げ用です。
英語が不得意な学生がこれらのような単語帳を使っても、全く知らない単語だらけで何度やっても定着しません。単語帳は、パラパラとめくってみて6割程度は知っている単語があるものを選んでやるべきです。英語が不得意だという学生ならば、『TARGET1400』(旺文社)や『データベース3000 基本英単語・熟語』(桐原書店)『マルチ英単語600』(教学社)などがお勧めです。まずはこれを1~2か月かけてしっかりと暗記することが第一歩です。これでも難しいという人は、さらに下げてもいいくらいです。最初に手を付ける単語帳は、絶対に無理しない。簡単なものを、超速で進めて、数回繰り返す、というやり方がいいと思います。」

平野「長文読解に必要な最低限の単語だけを最初に覚えるわけですね。」

原田「そうです。そうすると、長文を読んでいてもストレスが少なくなり、わからない単語が減るので、知らない単語が出てきても文を読みながら覚えることができるようになるのです。

最初の英単語暗記の時期が終わりそうになった頃から、英文法や長文の勉強を始めますが、読解力もある程度付いてきたなという自信が出てきたら、2冊目の英単語帳に取り掛かってもいいでしょう。今度は少しむずかしめのものを使って、最初に暗記した単語を確認しながら、難関大学にも通用するような英単語を網羅的に覚えていくのです。この段階で単語帳を使うのは、長文演習だけで漏れてしまいがちな、さまざまなジャンルのボキャブラリーを効率よく身につけるという意味があります。」

平野「最初と最後に単語帳で挟み撃ちにするわけですね。」

原田「サンドイッチです。勉強は無理のないところかららせん状に進めていくべきです。」

平野「合格できる学力を身につけるための、もう少し一般的なアドバイスはありますか。」

原田「勉強そのものに効率を追求しすぎないという事も大切だということです。「どこが試験に出やすいか」という事ばかりに固執して、最小の力で合格しようとばかり考えている人に限って、結果が出ません。脳みそにもエコを要求して、なるべく考えないで済ませたい、なるべく最小限のインプットで合格したい、という態度で勉強をし続けると、学力は相応のところまでしか伸びません。こういう態度では、初見の問題を解く力である「応用力」は身につかないのです。

勉強の仕方として、短期的な結果の積み重ねというのはあまり感心しません。認知の幅が狭くなり、応用問題を解くために必要な基礎力すら身に付きません。分野間の関連がわかってくると、応用問題や、考察問題などにも対処できるようになりますが、こういった近視眼的なやり方では、一向に合格力が付きません。
一方、プロセスの積み重ねあるいは回路の構築によって、合格に必要な真の実力が養成されます。考え方や知識が有機的に結合していくので、未知の問題に対しても対処することができます。」

この対談は、8月5日に行ったエコール麹町メディカル塾長、原田広幸 先生に行ったインタビューをもとに、私立大学医学部に入ろう.COM管理人 平野晃康がテキスト化したものです。

原田 広幸

原田 広幸栃木県立真岡高校、東京外国語大学卒。中央大学、東京工業大学大学院修士課程をへて、東京大学大学院中退。大手都市銀行グループ、投資顧問、短期大学などに勤務する。大学受験生への指導は学生のころから行っており、多くのカリキュラム、教材開発に携わってきた。また、執筆活動としても『医学部入試 小論文実践演習~生命・医療倫理入門編~』(エール出版社)、『医学部に受かる勉強法』・『医学部に受かる勉強計画』(ともに幻冬舎)他、『AERA with KIDS』(朝日新聞出版)、『医療系データブック』(大学通信)、『医歯薬進学』(玄文社)、『医大受験』(育文社)への寄稿など、多くの実績を持つ。

エコール麹町メディカル

エコール麹町メディカルは、2009年、医学部受験のエキスパートが集結して開校された。文系・理数系未履修、海外高校卒・帰国子女、高卒認定生からの医学部・医療系学部合格を目指す人、また、大学生・短大生・専門学校生・社会人そして歯科医師・薬剤師・看護師などの周辺医療従事職からの医学部再受験にチャレンジする人など、とりわけ“逆境”から医学部等を目指す受験生のための予備校として、近年、医学部受験の世界で話題になっている。「ただ勉強ができるからとか、成績が良いから、という理由しか持たない単なる優等生進学するのではなく、弱さを抱え、悩み苦しんだ経験をもち、それを乗り越えようと努力している“真のエリート”を養成し支援する」という公共性の高いミッションを掲げる異色の予備校である。渋谷と宇都宮にある教室では、常に10代の高校生から、30代、ときには40代・50代の受験生までが、ともに学び、驚異的な学力の伸びを経験している。主な実績は、書籍やHPで詳しく紹介されている。

エコール麹町メディカルお問い合わせはこちら

(渋谷本校,法人事務局)

〒150-0043
東京都渋谷区道玄坂1-18-1 Shibuya INCS 3F
Tel : 03-6415-7815 / Fax : 03-6415-7816

(宇都宮駅前校)

〒321-0963
栃木県宇都宮市南大通1-1-12 ダイカンプラザスポーツメント 1F
Tel : 028-680-6150

エコール麹町メディカル
「秋から始める医受験」講座① ゼロから始めて16ヶ月 余裕de合格コース(高校2年生向け)
「秋から始める医受験」講座② 9月から始めて4ヶ月 "超速"→合格コース(受験生向け)

 

全国私立大学医学部 各大学別入学試験情報