受験直前期に向けての学習

平野「前回に引き続き、今回もありがとうございました。最後に、勉強以外で気を付けるべきことがありましたら、お願いいたします。」

原田「まず、入試要項や願書は早めに取り寄せること、出願の準備は時間の余裕をもってすることが大切です。願書の記入は意外と時間がかかります。志望理由書が必要な大学もありますが、それについては塾や学校の先生の添削を受けるべきですし、そうすると1日や2日で記入して提出するというわけにはいきません。

また、卒業証明書などの取り寄せを忘れる人もいます。これもぎりぎりになってからではなく、余裕をもって取り寄せることが大切です。」

平野「よく、生活リズムを朝型にするべきだという話がありますが、これについてはどうお考えですか。」

原田「私は無理に朝型にするべきだとは思いません。むしろ、一番集中できる時間を最大限に活用するべきだと思います。朝型に切り替えるのは試験が近づいてくる11月・12月あたりでよいのではないでしょうか。無理をして自分のペースを崩してしまっては何の意味もありません。

また、生活リズムが崩れるという意味では、部活をまじめにやっていた人は注意が必要です。最後の大会を終えて気持ち的に燃え尽きてしまい、なかなか勉強に集中できない人います。引退したら部活の事は忘れて、しっかり切り替えて勉強に専念するべきです。」

平野「では、これで本当に最後です。保護者の方に一言お願いします。」

原田「参考書類や教材の費用は節約しようとせず、必要なものを揃えてあげてください。また、試験が近づけば近づくほど生徒はナーバスになります。それまでにましてあれこれ言わないようにして、おいしいものを食べさせてあげたり、家ではリラックスできるようにして、お子さんの学習環境を整えてあげることに注力してほしいと思います。」

この対談は、8月5日に行ったエコール麹町メディカル塾長、原田広幸先生に行ったインタビューをもとに、私立大学医学部に入ろう.COM管理人平野晃康がテキスト化したものです。

原田広幸

原田広幸栃木県立真岡高校、東京外国語大学卒。中央大学、東京工業大学大学院修士課程をへて、東京大学大学院中退。大手都市銀行グループ、投資顧問、短期大学などに勤務する。大学受験生への指導は学生のころから行っており、多くのカリキュラム、教材開発に携わってきた。また、執筆活動としても『医学部入試　小論文実践演習～生命・医療倫理入門編～』（エール出版社）、『医学部に受かる勉強法』・『医学部に受かる勉強計画』（ともに幻冬舎）他、『AERA with KIDS』（朝日新聞出版）、『医療系データブック』（大学通信）、『医歯薬進学』（玄文社）、『医大受験』（育文社）への寄稿など、多くの実績を持つ。

エコール麹町メディカル

エコール麹町メディカルは、2009年、医学部受験のエキスパートが集結して開校された。文系・理数系未履修、海外高校卒・帰国子女、高卒認定生からの医学部・医療系学部合格を目指す人、また、大学生・短大生・専門学校生・社会人そして歯科医師・薬剤師・看護師などの周辺医療従事職からの医学部再受験にチャレンジする人など、とりわけ“逆境”から医学部等を目指す受験生のための予備校として、近年、医学部受験の世界で話題になっている。「ただ勉強ができるからとか、成績が良いから、という理由しか持たない単なる優等生進学するのではなく、弱さを抱え、悩み苦しんだ経験をもち、それを乗り越えようと努力している“真のエリート”を養成し支援する」という公共性の高いミッションを掲げる異色の予備校である。渋谷と宇都宮にある教室では、常に10代の高校生から、30代、ときには40代・50代の受験生までが、ともに学び、驚異的な学力の伸びを経験している。主な実績は、書籍やHPで詳しく紹介されている。