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合格体験記 東京大学理科一類2年 辻野建資君②

第二回

 

東京大学さて、前回お話しした通り、私は高3の春で東大志望を決め、部活を引退しました。高3になると、周りの雰囲気も一気に受験モードに変わり、同級生もほとんど部活を引退し、塾に通いだす人が増えました。私自身も、さあここから頑張るぞという気持ちになれればよかったのですが、私はこの時期に大きな挫折を味わいました。全く勉強に身が入らなくなったのです。

部活をしなくなり、勉強できる時間は増えるはずなのですが、勉強時間はむしろ減りました。復習すらやる気が起きず、家に帰ってゲームや好きな野球観戦に時間を費やしました。

原因は、三つ。一つには、部活動をしていたことでできていた、勉強と運動のメリハリがなくなり、勉強一本に切り替えができなかったこと。もう一つは、受験までまだ時間があるように思ってしまい、受験と真剣に向き合おうとしなかったこと、さらに三つめは、単純に自宅で集中して勉強できなかったこと、です。もちろん、周りの友人たちはみんな勉強しているので、自分もやらなきゃという気持ちや焦りが多少はありました。親からも、塾に通ったほうが刺激になって良いのではないか、と勧められました。しかし私は、それは自分の主義に反すると、意固地に突っぱねて、6月終わりまで、いたずらに日々を消費していきました。

勉強をしなければ、当然成績は下降します。特に高3はみんな勉強するので、それが顕著に現れます。模試の判定はAからB、そしてCへ、順調に下がりましたし、校内模試での成績も下降しました。この成績が落ちた原因も明白だったのに、自分はやればすぐ取り返せる、模試の判定なんてきにしなくていい、という根拠のない自信を頼りに強がっていましたが、そんな自信が粉々に打ち砕かれる出来事がおこりました。

6月末のこと、この時期にも校内模試があったのですが、私はそこで過去最低の成績を叩き出しました。

「数学 10点」

まさかと思いました。すべて一応答えは書いたので、半分はとれているだろうと思っていたのです。平均点が低いんじゃないかと疑いましたが、平均は50点。まわりの友人の誰よりもおそらく低い点数でした。大きな衝撃を受けたことは言うまでもありません。ほかの科目も芳しくなく、校内順位はさらに下降。そしてもう一つ衝撃を受けたことに、同じ東大志望の、今までずっと私のほうが成績が上だった友人に、はじめて抜かれたのです。順位とか、成績とか、あまり気にしないようにしていた私も、さすがに悔しさを感じました。

(負けてられない)

東大志望の仲間の中で、自分だけが浪人になるのはいやだ。心に火が付いたきっかけになりました。

東京大学これ以降、ようやく私は受験と正面から向き合うようになったのですが、どのように自分を受験モードに切り替えていったのか、大きく変えた点は二つです。

まずは、集中できる勉強場所を確保しました。今まで家で、ほとんど集中できなかったので、下校時刻まで学校に残って勉強するようにしました。学校は誘惑が少なく、またほかの友人たちも居残って勉強していたので、これ以上ないほど集中できる環境でした。

二つ目は、今までの塾に行かないというこだわりを捨て、塾に週1回行き、数学を受講するようになりました。数学が課題であることがはっきりわかったため、塾で補填しようという考えだったのですが、塾では数学のみならず、実際の受験についての情報もたくさん仕入れることができ、自分にとって有益なものになったと思います。

こうして7月に入ると、かなり勉強のリズムも整い、習慣化しました。それなりの手応えを感じつつ、夏休みを迎えました。

夏休みも過ごし方によって大きくその後に関わる大切な時期です。自由に使える時間が増えるためより自分を律する必要があると思います。自分は、学校が夏休みも開いていたので、そこで基本的に自習をしていました。夏休みには、夏期講習が開講されるため、それをたくさんとる人もいましたが、私は、夏期講習はあまりとりすぎないほうがいいと思います。夏期講習には講義の時間だけでなく、それに伴う予復習の時間も必要ですから、たくさんとると結局それで夏休みがおわり、自分の課題に取り組めずじまいになってしまう恐れがあるからです。

夏休みは基礎的なことを見直す最後の機会かもしれません。そして、基礎的なことを見直すには、自習によるしかない、と私は思います。

次回は、受験直前期の私の経験等をお話しできればと思います。

 

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