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合格体験記 東京大学理科一類2年 辻野建資君③

第三回

東京大学今回はまず初めに、私が各教科でどのような勉強を行っていたか、お話ししたいと思います。

まずは数学ですが、数学は高3までは基本的に学校の宿題や長期休暇の課題しかやっていなかったので、高3になると急に問題が難しくなり、苦労しました。高3までの長期休暇はFocusGoldという単元別の問題集をひたすら解き、高3前半はシステム問題集やプラチカなどを演習用に使っていました。難しい問題を解いていくことで、だんだんと入試レベルの問題にも対応できるようになりました。一番苦手な科目だったので、みなさんにアドバイスできる立場ではないですが、私が先生にアドバイスされて、なるほどそうだなと思った数学の勉強のコツは、とにかくわからなくても一問に時間をかけて考える、ということです。私は30分、つねに考え抜くようにしていました。この理由は、入試本番を考えてのことです。東大の数学は大問が6つで、制限時間150分ですから、一問あたり約30分の時間があります。普段から30分考え続けられる習慣をつけていないと、本番でベストパフォーマンスは出せない、と私は思います。

次に、英語。私は英語を勉強するさいは、ひたすら辞書を使っていました。辞書は、知らない単語を調べるときだけ威力を発揮するものではありません。真の価値は基本的な単語のページにあります。基本的な前置詞や助動詞等の用法で少しでもあいまいなところがあれば、辞書を引き、チェックをつけ、例文をノートに書いて、、、というのが私の勉強スタイルでした。高2の後半からこれを始めて、高3のセンター試験ころにはかなり英語には自信がもてるようになったので、地味ですが、効果は必ずあると思います。また、東大にはリスニングの試験があります。リスニングについては、習うより慣れろ、だと思います。結構長い文量の英語を聞かされるので、高3のはじめくらいから準備したほうが吉です。

そして、理科科目について、私は物理化学選択でしたが、高3から演習を積み始めるかたがほとんどだと思います。私も高3から、物理は『名問の森(上下)』、化学は『化学重要問題集』等を使って演習を積みました。化学は覚えることが多いですから、『化学の新研究』を辞書代わりにして使っていました。秋まではこの演習がメインで、秋以降は色んな大学の過去問をといていました。個人的には物理は数学よりの勉強、化学は英語よりの勉強が必要だと思います。

最後に、国語ですが、現代文と、古文、漢文とで勉強法としては分けられるのではないのでしょうか。古文、漢文は単語帳、構文帳を購入して覚える、というのをメインでやっていました。現代文は、これといった勉強法を紹介することは難しいのですが、ひとつ挙げるとすれば、記述問題では採点要素を入れることももちろん重要ですが、読んで意味の通る文を書こう、ということを意識していました。要素を詰め込みすぎて、何を伝えたいのかわからない文をかくより、半分の要素でいいから、読みやすい記述を心がけるべき、というのが私の意見です。

東京大学さて、各教科についてはおおよそ上に述べたような学習をしながら、秋になると東大の過去問も少しずつ、解いて形式になれるように練習しました。冬にはまずセンター試験があるため、センターの勉強もしないといけないのではと思う方もいらっしゃるでしょうが、私はセンターの勉強は社会科目と国語しかほとんどやりませんでした。なぜなら、東大はセンターの配分が少なく、特に理系科目は二次試験レベルの勉強をやっていればセンターもおのずと特典できるようになるからです。東大の二次試験は難しいので、早め早めに対策することをお勧めします。また、11月ころからは、自分の生活リズムにもきをつけるようにしていました。遅くても23時には就寝し、朝型に無理やりリズムを変えました。夜のほうが勉強が捗る方は多いと思うし、私もそうですが、センターも二次も朝早くから始まるため、この時期くらいには、朝型に変えておくほうが良いのではないのでしょうか。

秋の時期は入試が直前にせまってきた感触を覚え、模試や日々の学習をこなすだけであっという間に過ぎていった、という感じでした。年が明けると、もうセンター試験です。センター試験は、自分が6年ぶりの受験ということもあって、さすがに緊張しましたが、無事に乗り切り、東大の願書を出すころにはもう本番一か月前。このころ私は、実際の本番形式で過去問を解いて、理解できていないところを詰める、というくらいのことしかやっていません。もう1か月しかないので、焦らず一個ずつできるだけの範囲を詰めようという意識だったと思います。

二次試験本番は、約一年ぶりに本郷にやってきて、緊張感半分、昂揚感半分といった感じでした。一日目の数学が難しくて、一日目の後は落ちたかもしれないと焦りました。が、気持ちを切り替え、二日目。この二日間は、悔いが残らぬよう、ひたすら頭を回転させ続けました。本番はとにかく気持ちを切らさず、周りの雰囲気にのまれないように。私は休憩時間もずっとイヤホンで音楽を聴き、自分の世界に閉じこもって、集中力を保つことに努めました。

前期試験を終え、合格発表までは、本当は後期の勉強をすべきだったのですが、正直全く手につきませんでした。東大の合格発表は遅いので、友人たちの祝報などを耳にして、一喜一憂しながら、宙ぶらりんな気持ちで過ごしました。合格発表で、自分の番号を見たときは、思わず飛び跳ね、親と抱き合いました。一気に視界が広がった、というような気分でしょうか。

以上で私の体験談を終えようかなと思います。これを読んでくださった方々は、これから受験するという方が多いでしょう。私が思うに、受験を乗り越えるうえで、一番難しいことは、勉強それ自体ではなく、気持ちのコントロールです。将来の自分が見えない、本当にこれで受かるのか、というような不安な気持ちを持っている方は、自分に自信を持ってください。努力を十分にしてきたのなら、ときには“傲慢”になることも必要です。全然勉強が手につかない、やる気が出ないという方は、大学についていろいろ調べてみてはいかがでしょうか。きっと夢が広がり、勉強のモチベーションにつながるはずです。最近疲れているなあと感じている方、リフレッシュも時には必要ですよ。私は、まず毎日睡眠をたくさんとることを優先していました。睡眠にまさるリフレッシュはないと思います。ほかにも、音楽を聴いたり、運動したりして、定期的にガス抜きをしていました。特に、体を動かすことは、気持ちの切り替えにはとても有効だと思います。

受験を乗り越えれば、あなたはもう立派な大学生です。大学生になった私がいま、思うことは、たくさんの人が口にしているように、受験はゴールでなく通過点に過ぎない、ということ。私の現在の夢は、JAXAで宇宙開発に携わること、です。皆さんも、大学に入ることももちろん目標のひとつですが、さらに大きな目標、夢を持って、切磋琢磨してくれたらと思います。私も皆さんに負けないよう、頑張ります。皆さんの成功を祈っております。頑張ってください!

最後に勉強方法について、この時期に何か新しいことを始めようとしても、それはたいてい本番までに身につかなくて無駄に終わることが多いです。それよりは、今まで通って来た道を振り返って、そこで学んできたことを再びしっかり自分に定着させることの方が大切です。以前に受けた模試をもう一度解き直してみてかつて間違えたところを確認したり、今まで何周もやってきた問題集をもう一度見直してみたりしてはいかがでしょうか。ただし、本当の直前に志望大学の過去問を解くことはあまりお勧めできません。もしそこでミスなどしたら不安要素として心に残って本番で足を引っ張る可能性があるからです。それよりは、自分がかつて受けた模試をやりなおすほうが精神衛生上いいと思います。

入試は本番一発勝負でそこで全てが決まるから、その一瞬に全てがかかっていると思い込んで過度に緊張する人が大半ですが、決してそんなことはありません。入試は、いままで勉強してきたことの帰結です。入試本番までに何を勉強するかが試験です。準備が全てです。本番までに効率良く必死に勉強すれば、あとは勝手に結果のほうがついてきます。安心して勉強しましょう!そして、本番では何も恐れることなく結果がついてくることを待ち構えながら問題を解けばいいのです。

 
 

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