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合格体験記 A.K君 九州大学医学部医学科1年生①

九州大学昨春、私は九州大学医学部医学科に入学した。
九州大学医学部医学科(以下九医とする)のカリキュラムは、1年次は福岡市西区にある伊都キャンパスで全学教育、2年次以降は福岡市博多区の馬出キャンパス(病院キャンパス)で専攻科目を中心に勉強することになっている。1年次に通う伊都キャンパスには工学部の研究室があるため、工学部の1~4年と院生、さらに伊都キャンパスで全学教育を受けなければならない全学部の1年生が集まる。伊都キャンパスでの全学教育を九州大学は「基幹教育」と呼び、この時期に他学部との交流を深め、様々なジャンルの授業を用意し、自分の専門以外の知識にも精通するような教育方針となっている。

九医に入って1年間、新しく同級生になった仲間たちと話していると、いつしか自分の受験がどのようなものだったかという話になる。また、ほかの大学の医学部に行った高校の同級生とも会って話すこともあり、そのときにもまた当然のように自分の受験がどのようなものだったかという話になる。みんなの体験談を聞き、自分の体験を思い出す中でいつも感じることは、「勉強の仕方自体に個人個人のスタイルはあるにせよ本質的な部分はみんな変わらず、多くの場合話していてそこのところを理解しあえる」ということである。つまり、無事医学部に合格した人の多くは基本同じようなスタンスで勉強していたと言うことである。ではその「本質的な部分」とは何かというと、「医学部を目指す以上、完璧を目指さなければいけない」ということと、「強い精神力、メンタルが必要である」ということである。私は私大を受験していないので、国公立大学医学部受験についてお話ししていきたいと思う。

九州大学まず一つ目の「完璧を目指す」について。知っての通り、国公立大学医学部を受験する受験生にはセンター試験と二次試験の2つの試験が課される。多くの大学で第一段階選抜が行われ、センター試験での点数が足りない人はその時点で受験資格を失う。そして合否の判断はセンター試験での点数に二次試験の点数を(大学によって比率は違うが)上乗せした点数を基準に判断される。よって、医学部合格を目指すにはセンター試験でも二次試験でも良い点を取らないといけない。詳しく見てみると、センター試験の点数のボーダー(合格率が50%のライン)は低い大学でも85%あたりである(少数だが85%より低くても合格する人はいる)。熊本大学や長崎大学の医学部のボーダーは87%、九州大学や神戸大学の医学部のボーダーは89%、大阪大学や東京大学の医学部のボーダーは90%を超えるというデータもある。早い話が、センター試験で9割の点数(900点換算の810点)をとることが医学部受験にとって一つの大きな目標である。実際にセンター試験の問題を解いてみるとわかると思うが、かなり勉強してもなかなか9割の点数をとることは難しい。それでも9割「とらなければいけない」というところに医学部受験の大変さがある。

次に二次試験だが、試験の特徴として、東京大学や京都大学、大阪大学などは難しい問題をいくら解けるかという問題が多いのに対し、九州大学や神戸大学、長崎大学などは標準からやや難の問題をいくら間違わずに点数を高くとれるかという問題が多いように感じる。いずれにせよ、いいかげんな勉強では難しい問題を解くことも、解けなければいけない問題をきちんと解くこともままならないだろう。完璧に近い形を目指してしっかりと勉強してはじめて、医学部受験で戦えるだけの学力を身につけることができると思う。

二つ目の「強い精神力、メンタルを」について。上に述べたように医学部を目指すにあたってはかなりハードな勉強量、そして結果を伴わせることが必要となる。受験をする中で一番やっかいだと感じることは、勉強したからといって必ず成績が伸びる保証はどこにもないということである。おそらく多くの受験生にとってセンター試験で90%、二次試験でそれなりの点数をたたき出すための二次力というのは遠く感じるところだと思う。いざ気合いを入れて勉強してみても、なかなかすぐには成績は伸びない。このままで大丈夫だろうか、間に合うのだろうか、勉強時間はこのくらいでいいのだろうか、この参考書でいいのだろうか…と不安はきりがない。受験間際になるともっと大きな重圧に苦しむだろう。しかし、そんなことはみんな同じで、目指すからにはやりきるしかない、不安がるよりも手を動かしてものを覚えていこう、と前に進めるだけの強い精神力が必要だと強く感じる。

合格体験記の冒頭にこのようなネガティブな話を持ってきたのは、あらかじめこれだけ大変なんだと知ってもらい、これを大前提としてこれからの勉強に役立ててほしいからだ。ここで紹介できるのは私個人の体験談でありあくまで参考程度にしかなり得ない。だからこれを読んでいる方には、自分の今の状況(どこまで習っているか、どこの範囲が得意かまたは苦手か、集中力は長く続く方かそうではないか、など)を把握した上で、今からこれだけ大変なことをしなければいけない、それなら今の時点で自分には何ができるのか、その中から何を今しなければいけないのか、そういう風に考えていただけると幸いである。

 

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