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合格体験記 A.K君 九州大学医学部医学科1年生③

受験勉強の方針や考え方について

九州大学

ほとんどの人がそうだとは思うが、私ががっつり「受験勉強」という勉強をし始めたのは高3の頃である。それまでは受験勉強のための下地作りのようなものであった。

私の場合、今まで述べたようにこの下地作りがうまくいっていた方ではないかと思う。モチベーションのキープ、学力の把握、志望の確立、ある程度の勉強する習慣づけなど後になるに従って、いかに大切だったか思い知る。私が勉強で気をつけていたことは、センターにせよ二次にせよ、「基礎の完成とその反復」である。センター対策に関しては言うまでもなく、教科書の隅々から出るので重箱の隅をつつくような勉強を心がけていた。過去問を解いては間違えた箇所を教科書から見つけ出すという作業をずっとしていた。そして時間をおいてまた解くというのを繰り返していた。古文、漢文、地理、生物の対策はほとんどこれしかしていない。二次対策では、九医の問題は難易度がほどほどだから逆に間違えたらだめなんだよ、と先生方に言われていたので、まずは苦手な分野を完全につぶすために超簡単な問題から解説を読み順に難易度を上げて基本レベルは完璧に解けるよう勉強した。数学では確率が苦手だったので1行文章題のような問題から解き始めたが、進むにつれて間違わずに解くのがどれほど難しいか痛感した。物理、化学は特に最初の基礎から解けないと何も解けないので「物理のエッセンス」(河合出版)と「セミナー化学」(第一学習社)は最後の最後まで重宝した。

受験直前は演習量と反復の回数をさらに増やした。私は九大の赤本(6年分)を3周は解いた。まず1回目でどの程度解けるのか、復習して時間をおいて2回目解いて間違えた問題が解けるようになったか、解けていた問題がまた解けるかどうかを見て、3回目は2回とも間違えた問題を中心に再度解き直した。これを数学と物理、化学で行った。さらに九大模試の過去問を3年分コピーしてこれも3周した。もちろん過去問で出た問題が出題される可能性はほぼないが、何周も解くことで自分が確実に解ける問題があるという自信と、むやみではない勉強の目標となりモチベーションのキープにつながる。一度出会った問題は絶対に間違えたくない、この問題にかけている時間を無駄にしたくない、という思いが強くあった。

このように基礎の完成、その反復を中心に勉強をすると同じ問題集にかなりの時間をかけるべきだということがお分かりいただけたと思う。むしろいろいろな問題集を買いあさって全部1回ずつしか解いていませんという状況が一番いけないと思う。私にとって問題集を1回しか解かないのは、どこかの実力テストを受けてそのままにしているのと変わらない気がする。2回目3回目解いて解けなかった問題を完璧に解けるようになることに意味があると思う。私はほとんど参考書を自分で買ってはいない。数学にせよ、理科にせよ、英語の単語帳にせよ学校で配られたものを使用していた。自分で買ったものは物理のエッセンスと赤本くらいしかない。まずは今自分がすでに持っている問題集をすべて100%解けるようになることを目標に勉強してほしい。

もう一つ勉強で気をつけていたことは「自分の中での感触を大事にする」ということである。よく勉強時間や問題集のページ数やテストの点数でどれくらい勉強したかをはかろうとするが、そのような勉強の枠はあまり当てにならないと思う。というのも、設定した勉強時間よりもその時間の中でどれだけの時間集中して勉強したかが大事であるし、問題集をたくさんページ数こなすよりも、解けない問題をしつこく粘って解けるようになる方がずっと大事であるし、テストの点数がたとえよくても、しっかり考えてその点数になったのかとなんとなく解いてたまたま答えが出たのとでは天と地ほどの差があるからだ。最終的に受験するときにはしっかりとすべて理解していなければならないのだから、どんな形であっても良いから「今日はここまではしっかり理解できた」「一応点数は出たけどちょっとひねられた解けないな」という自分にしかわからない手応えを大事にして勉強に向かってほしい。

生活リズムについて

勉強自体に直接は関わらないのだが、私は生活リズムを勉強と同じくらい大事だと思っていた。中1の頃から学年主任から「日常性の維持」ということを言われ続けていていたのだが、高3になってやっと実践するようになった。

「日常性の維持」とは何かというと、要するに毎日同じような生活リズムで動くと言うことである。土日祝日、学校のあるなしにかかわらず、毎日同じ時間に起きて同じ時間に朝ご飯を食べて同じ時間に学校へ行って同じ時間勉強時間を設けて同じ時間に昼ご飯を食べて同じ時間に家に帰って同じ時間に晩ご飯を食べて同じ時間に寝る。私は高3の夏頃からこれを徹底した。朝5:40に起きて朝ご飯を食べて6:39の電車に乗って…というのを毎日くり返し、1月2月は日曜も平日同様学校に行っていた。これの何が良いかというと、何時頃に何をすれば良いかはっきりして、だらだらと時間を過ごすことがなくなるというメリットがある。あとどれくらいしか勉強する時間がないからこの教科をしよう、といった計画も立てやすくなる。そしてこれが一番役に立つのが受験当日である。いつもと同じように起きて朝ご飯を食べることで幾分か緊張を和らげ余裕を持って行動できる。受験本番で自分をいつも通りの状態にできるだけ近づけることはとても大切である。

私の受験勉強は別に何かイベントやドラマがあった訳でもなく地味なものである。毎日生活リズムも問題も反復してきたのだから。しかし、志望校に合格したほとんどの人がそうだと思う。今の状態からある日突然問題が解けるようになったりはしない。だから地道に勉強を続けることこそ大事なのだと思う。志望校への距離が遠いと感じることも多くあると思うが、今できること、今しなければいけないことをしっかりこなしていけば、ゴールに近づくにつれてはっきりビジョンが見えてくる。それまでに、しっかり勉強する習慣をつけて、自分の学力を把握して、モチベーションを保って、基礎を押さえて、何度も反復することだ。これは地味だけど、やろうと思えば誰でもできることだ。地味で当たり前の事を馬鹿にしたりせず、頑張って取り組むことが大事だと思う。

 
 

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