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合格体験記 名古屋大学医学部医学科 木村友哉君②

ここで、私が一年間守ろうと決めた勉強への姿勢について記しておこうと思う。ちなみにこれは今私が塾の生徒で受験生を受け持つ際必ず言っている事である。

受験生の一年間とは、スポーツで言えばマラソンのようなものである。マラソンの際ベストタイムを出すためにすべき事は、全力疾走をする事ではない。常に一定のペースで走り続ける事である。受験生活もこれと同じで、最初は元気でやる気もあるかもしれないが、そのやる気のまま走ると絶対にばててしまう。なので、どのペースなら自分は続けられそうか考え、それを守りきる事が肝心である。

具体的には、私は一年間朝9時から夜9時(塾が開いている時間)は絶対に塾にいる、と決めていた。ただし疲れたら休憩は取るし、夜9時以降、家に帰ってからは絶対に勉強しない、と決めていた。特に参考にして欲しい所は、「1日何時間勉強する」などではなく「勉強しない」と決めている所である。普通ならば決めるにしても「勉強する時間」だけだろう。しかし、勉強とは物理的にも「脳の運動」であるという事を忘れてはならない。スポーツの世界で考えれば当たり前の事で、スポーツのカリキュラムを作る時に休憩時間を設けない人はいないだろう。だから、「勉強しない時間」をはっきりと設ける事が大切だと思う。

また私は、休憩時間は思いっきり休憩をする、と心に決めていた。つまり、勉強のために休憩するのだから、勉強の事は忘れて友人と馬鹿な話をしたりしていた。勉強のために休憩するのだから、その時間できちんと休憩できなかったら勉強できなかったのと同じくらい失敗だとさえ考えていた。ここまで 休憩に対してシビアに考えることで、逆に勉強する時間は思いっきり勉強する、と考える事が出来る。メリハリをつけるのは大事だ、とはよく言うが、多くの学生が実践できていない。それは、「これだけ勉強する」「何時間勉強する」と、やる方にだけ目を向けてしまっているからではないだろうか。まずは自分にとってどのペースが最適なのか、それを考えるのが大切だろう。

次に、勉強プランの立て方について私の考えを交えて記そうと思う。受験で合格するのは、あくまで受験日当日に受験問題で他の人より得点を取った人である。何を当たり前のことを言っているのだ、と思うかもしれないが、私から見ればこんな当たり前の事が本当にわかっているのか、という人ばかりである。受験生が必死に勉強するのは、言うまでもなく大学に合格するためである。従って、受験日当日、その日だけに最高のパフォーマンスが出せるようにプランを組むべきである。私はこう考え、次のようなプランを立てた。

数学や理科など、理解しなければならない物は一度できればしばらくやらなくてもすぐにできなくはならないため、夏休みの終わりまでに数学、物理、化学を完成させる。国語や、社会などの暗記物は春や夏に一度やってもセンター試験までに忘れてしまい、どうせもう一度やらなければならなくなるのでそれならいっそ夏休み明けからで纏めてやってしまう。英語は集中してやってもすぐには上がらない上にやらなければすぐに長文が読めなくなってしまうので、できるだけ毎日長文1個など、緩く長く見て勉強する。そして、これ以上の細かい部分については、実は最初は決めていなかった。というのは、「今週は無機化学勉強しようかな」「今週だけじゃよくわからなかったから、あと一週間勉強しようかな」と臨機応変に対応できるように残しておいたのである。

そして、このプランの立て方の難点は、秋まで国語や社会の成績がほぼほぼ一切上がらない、という事である。しかし、所詮模試であり、受験本番の結果ではない。物理を勉強している時期に物理の成績が上がらなかったら問題だが、国語や社会は勉強していないのだから上がるはずがない、と思いながら勉強していた。全ては受験日当日に最高のパフォーマンスを出すためである。私は幸運にもこういう考え方ができる 図太い神経を持っていたが、大抵の人はこのやり方でやろうとしたら模試の判定が上がらず不安を抱えるだろう。だが、何度も言うが模試の成績で合格は貰えないのである。私から見れば「来週模試だからその対策の勉強しておこうかな」というのは寄り道である、という事をわかって頂きたい。

それでは、模試やテストはどのような位置付けと捉えればよいのか。先程受験生活をマラソンに例えたが、模試やテストはマラソンで言えば丁度ラップタイムのようなものである。勿論ラップタイム、すなわち模試の成績が良いに越したことは無いが、それが目的になってはいけない、と私は考えている。その意味でも、「来週模試だからその対策の勉強しておこうかな」は良くないと思う。模試やテストはあくまで「その時点での自分の実力」を測るための物であって、それを盛っても仕方がないという事である。むしろ、模試やテストを受けて、「数学が予想より早く上がっているから少し予定より早く他の科目やろうかな」「化学が上がってないな。もう少し勉強しようかな」と今後の勉強プランの 修正に役立てられると良いと思う。

また、模試やテストが受験勉強において良い点がもう一つある。それは、受ける事によって「今自分にできない部分」が浮き彫りになる、という点である。自分が今後何をしなければならないのか教えてくれるのである。纏めると、模試やテストは「今後の勉強プランの修正」と「今自分が弱い部分を教えてくれる」という2つの点で役に立つと思う。

次に、最も大切な「勉強のやり方」についてである。そもそも、何をすれば成績が上がるのか。それは、「できない問題」ができるようになる事、である。言い換えれば、できる問題を何回やった所で成績は上がらないのである。これはある東大生も言っていた事だが、問題集をやる、そしてある問題は解ける、ある問題は解けない。多くの人がこれを「勉強」だと思っているが、それは違う。解けなかった問題をじっくり時間をかけて考えたり、友達に聞いたり、参考書で調べたりする。そして次に同じ問題が出た時は自分の力で解けるような状態にする。これが「勉強」である、と私は考えている。問題集をやるだけでは、それは「作業」である。これから受験生を迎える方々には、これを肝に銘じて おいて頂きたい。しかし、現実この作業に多大な時間と労力がかかるのが現実である。どのようにやっても勉強とはある程度以上は大変だという事は否定できない。

そこで私が、自分でやって心ばかり楽になった事を紹介しようと思う。私が目を付けたのは、「友人」という存在である。成績はできるだけ近い方が好ましい。そして、友人と質問し合ったり、問題を出し合ったりするのである。その友人との成績が近い程、お互いに質問したりわざわざ問題を出し合ったりするような場所はお互いが解けない問題である事の方が多い。先程の「作業」の時間が大幅に少なく済むだろう。また、質問されて教える事によって自分が「わかった気になっていた」という事もわかる事があるため、この点から言っても友人の 存在は非常に大切になってくると思う。私はこういった方法で友人達と切磋琢磨して成績を伸ばしていた。

 

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