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私立大学医学部 2016年度入試を振り返って(センター利用入試)

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1.2016年度 私立大学医学部センター利用入試 総括

志願者数変化
2013年度 2014年度 2015年度 2016年度
12,222人 13,919人 12,651人 12,212人

2016年度センター利用入試は、2015年度に引き続いて志願者数が前年を下回り、439名の減少となりました。

2016年度入試は東海大学がセンター利用入試(前期)、(後期)(合計の志願者数916名)を実施したにもかかわらず、全体で志願者数が減少していることからもわかるように、2016年度のセンター利用入試は多くの大学において2015年度以上の幅で志願者数・受験者数が減少し、倍率も低下しました。

このことから、センター利用入試が「ねらい目である」という見方がありますが、編集部ではそのように考えていません。

というのも、2014年度入試は最後の旧課程入試で、現役生も浪人生も受験していましたが、2015年度入試は現役生にとっては新課程入試(浪人生は旧課程で受験可能だった)であり、それまでの過去問が使いにくく、難易度も読みにくいという状況でした。

このことから、2015年度入試では現役生がセンター試験の受験そのものを回避し、推薦入試または一般入試に狙いを絞ったと考えられます。

一方、2016年度入試は浪人生も現役生も新課程での入試となり、浪人生にとって不利でした。これは、一般入試でも同様で(2015年度は旧課程と新課程の共通範囲しか出題されなかった)したので、2016年度は医学部受験の浪人生そのものが例年に比べて少なかったと考えられます。

しかし、2017年度入試は2浪生が新課程入試の最初の年の学生であることから、再び浪人生が増え、減少傾向に歯止めがかかると考えられます。

倍率の変化についての注意

志願者数の減少に伴って、多くの大学で倍率が低下しましたが、中には、埼玉医科大学や東京医科大学のように、志願者数が減少したにもかかわらず倍率が上昇している大学があります。

これらは私立大学医学部の入試ではよくあることですが、同じ得点の受験生を全員合格としたり、併願校に合格したため入学を拒否する人が出るため定員より少し多めに合格させたりするために起こる現象です。

2.2016年度で目立った大学とその要因

2016年度入試で目立ったのは、関西医科大学、杏林大学、獨協医科大学、東海大学(神奈川県地域枠)、近畿大学(C方式前期および中期)の志願者数減少です。これらの減少について考察を加えます。

① 関西医科大学

関西医科大学は一般、センター利用ともに志願者数が大きく減少しました。この要因として考えられるのは、関西は関東に比べて国公立志向がきわめて強いということです。

高校の国公立大学医学部進学者数ランキングを見てもこれは顕著で、同等の偏差値の高校でも、関西のほうが関東よりもずっと多くの国公立大学医学部合格者を輩出しています。

このため、関西(特に大阪)の現役生は関東の現役生に比べて第一志望を国公立大学医学部においているのです。1年であれば浪人してもそれほど大きなダメージがないため、センター試験である程度点数が取れれば(とれる見込みがあれば)国公立大学専願とし、取れなければ(とれる見込みがなければ)私立のセンター利用入試もあきらめる。という選択をする学生が多いと考えられます。

さらに、2016年度は全員が新課程入試を受ける最初の年であったことから、浪人生が少なく、センター利用入試の志願者数が減少することになったと考えられます。

② 杏林大学・獨協医科大学・東海大学(神奈川県地域枠)

関東ではかなり人気の高い二校ですが、今年は志願者数がそれぞれ196名、178名の減少と苦戦しました。

これは、同じ程度の偏差値の東海大学がセンター利用入試を始めたため、受験者が分散したことによって起こったと考えられます。

また、東海大学(神奈川県地域枠)も志願者数が減少していますが、これも、地域枠奨学金による縛りのない前期・後期を選択する学生がそちらに流れたためと考えられます。

③ 近畿大学(C方式前期および中期)

近畿大学(C方式前期および中期)は2016年度から二次試験(小論文および面接)が行われるようになりました。志願者数の減少は、この二次試験を警戒した学生が多くなったために起こったと考えられます。

実際、今まではセンター試験の得点のみであったため、多くの合格者を出しており、倍率が10倍~15倍の間に収まっていたところ、二次試験を遅い時期にずらしたため、最終合格者がかなり減少し(時期が遅いと、ほかの大学に流れる学生が減るため、合格者をたくさん出さなくてもよくなる)、倍率は大幅に上昇しました。

ボーダーラインもかなり高くなったと推測され、2017年度入試は浪人の受験生が増えるとはいえ、受験者数の動向がどのようになるか予想しにくい大学となりました。

センター利用入学試験 志願者数変化

大学2016年度志願者数2015年度志願者数志願者数変化
関西医科大学8351077-242
杏林大学11911387-196
獨協医科大学10991277-178
近畿大学(C方式前期)643819-176
東海大学(神奈川県地域枠)127247-120
近畿大学(C方式中期)158259-101
順天堂大学901979-78
福岡大学654730-76
埼玉医科大学722793-71
東京医科大学928996-68
帝京大学9631021-58
愛知医科大学659700-41
兵庫医科大学(前期)771811-40
近畿大学(C方式後期)76106-30
大阪医科大学(前期)471481-10
大阪医科大学(後期)54513
愛知医科大学(愛知県地域枠)574314
昭和大学41840315
兵庫医科大学(後期)752847
藤田保健衛生大学49444351
東海大学(後期)44 44
東海大学(前期)872 872
合計1221212651-439

※東海大学(前期)(後期)は2016年度入試より実施

センター利用入学試験 受験者数変化

大学2016年度受験者数2015年度受験者数受験者数変化
関西医科大学8331075-242
獨協医科大学10771262-185
杏林大学11781356-178
近畿大学(C方式前期)643819-176
東海大学(神奈川県地域枠)125242-117
近畿大学(C方式中期)158259-101
順天堂大学896976-80
福岡大学646724-78
東京医科大学915990-75
埼玉医科大学708782-74
帝京大学9601021-61
愛知医科大学651691-40
兵庫医科大学(前期)765803-38
近畿大学(C方式後期)76106-30
大阪医科大学(前期)469479-10
大阪医科大学(後期)54513
愛知医科大学(愛知県地域枠)574314
昭和大学41840315
兵庫医科大学(後期)752748
藤田保健衛生大学49144150
東海大学(後期)43 43
東海大学(前期)862 862
合計1210012550-450

※東海大学(前期)(後期)は2016年度入試より実施

センター利用入学試験 総倍率変化

大学区分2016年度総倍率2015年度総倍率総倍率変化
東海大学(神奈川県地域枠)全合格12.5 30.3 -17.8
関西医科大学正規33.3 41.3 -8.0
帝京大学全合格87.3 92.8 -5.5
獨協医科大学全合格13.5 18.6 -5.1
順天堂大学正規32.0 36.1 -4.1
大阪医科大学(後期)正規13.5 17.0 -3.5
福岡大学全合格12.4 14.8 -2.4
兵庫医科大学(前期)全合格17.8 18.3 -0.5
愛知医科大学(愛知県地域枠)全合格3.0 3.1 -0.1
愛知医科大学全合格12.1 11.9 0.1
大阪医科大学(前期)正規16.2 16.0 0.2
東京医科大学全合格19.1 18.3 0.7
昭和大学全合格23.2 20.2 3.1
藤田保健衛生大学全合格32.7 27.6 5.2
埼玉医科大学正規70.8 65.2 5.6
兵庫医科大学(後期)全合格12.5 5.4 7.1
東海大学(後期)全合格8.8  8.8
東海大学(前期)全合格28.7  28.7
近畿大学(C方式前期)正規42.9 11.5 31.3
近畿大学(C方式中期)正規52.7 13.0 39.7
近畿大学(C方式後期)全合格/正規6.3 53.0 -46.7

※東海大学(前期)(後期)は2016年度入試より実施
※近畿大学(C方式前期)(C方式後期)は2016年度入試より二次試験を実施
※近畿大学(C方式後期)は2016年度入試の発表が正規合格者から全合格者へ変更

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