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獨協医科大学 小論文 過去問解析

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過去三年間の出題内容

2018年 1日目
中山あゆみ『難手術に挑む「匠の手」-上山博康』(第4~5回 時事メディカル.2017-10-5、10-12.)
問1:本文を200字以内で要約する。
問2:本文の内容について、自分の考えを600字以内で述べる。
2日目
アーサー・D・リトルパートナー 森洋之進『組織のあり方 全員が対等なリーダー』NIKKEI STYLE. 2016-11-29
『統計学が最強の学問である―データ社会を生き抜くための武器と教養』
問1:本文を200字以内で要約する。
問2:本文の内容について、自分の考えを600字以内で述べる。
2017年 1日目
伊藤亜紗『目の見えない人は世界をどう見ているのか』
問1:本文を200字以内で要約する。
問2:本文の内容について、自分の考えを600字以内で述べる。
2日目
西内啓
『統計学が最強の学問である―データ社会を生き抜くための武器と教養』
問1:本文を200字以内で要約する。
問2:本文の内容について、自分の考えを600字以内で述べる。
2016年 1日目
加賀乙彦『不幸な国の幸福論』
問1:本文を200字以内で要約する。
問2:本文の内容について、自分の考えを600字以内で述べる。
2日目
日向野幹也
『大学教育アントレプレナーシップ 新時代のリーダーシップの涵養』
問1:本文を200字以内で要約する。
問2:本文の内容について、自分の考えを600字以内で述べる。

傾向

課題文型での出題である。出題形式は例年、問1で200字以内の要約を行ったうえで、問2で特定の論点、もしくは全体内容を踏まえて、自分の意見を600字以内で論じる形式である。課題文の字数は例年約2500字~3500字前後で、文章量としては多めのものが出題されており、2018年も例年どおりであった。テーマも多岐にわたっていて、医療分野だけでなく、現代社会の中で問題となっている事柄なども出題されている。過去3年間で特徴的な出題は、2018年の1日目の課題文である。インタビュー記事からの出題で、脳外科医である上山氏の実体験が中心に書かれているため、漫然と読んでいると200字でまとめるのは難しくなる。しかし、展開を正確に追って読めば上山氏が伝えたかったことを理解するのは容易である。この文章は、脳外科医になることを決めた理由、研修医時代に研修医の立場であるにもかかわらず執刀医を無視して独断で患者を退院させて執刀医の教授に激怒されたという経験、その13年後に教授と再会し、そのときの会話を通して教授が上山氏に13年という年月をかけて受け持ち患者を失った上山氏の悔しさを踏まえ、プロの術者としてのプライドというものを教育してくれていたことへの気づき、という流れで構成されていることがわかる。どのような文章であっても、筆者(話し手)の主張を捉えることを意識して読めば要約は難しいものではない。

課題文の字数に対して要約の字数が少ないことが獨協医科大学の小論文の特徴といえる。論旨を素早く的確につかむ力とわかりやすく簡潔にまとめる力が問1では求められている。また、問2では、要約した内容を踏まえて自分の意見をわかりやすく簡潔かつ説得力をもたせて述べる力が求められている。これらの力はいずれも医師に必要な力である。前者は、患者が訴える諸症状や患者から得た情報の中から診断のカギとなるものをつかみ、的確な診断を行う際に必要な力であり、後者は患者に状態や治療方針を伝える際に必要な力である。

出題されている課題文の傾向から、獨協医科大学がアドミッション・ポリシーで「求める入学生像」として明示している「計画性を持って学習に臨み、自ら問題を解決する意欲のある人」「社会の一員としての理性と常識を備え、広い視野を持ち適切かつ公正な判断ができる人」「協調性とコミュニケーション能力のある人」「他者の立場になって物事を考え行動できる人」に受験生が合致しているかどうかを見ていると言えるだろう。また、獨協医科大学の教育理念に記されている患者とその家族だけでなく医療スタッフからも信頼される医師、ひとりの人間として患者を見つめ、共感できる医師になれるかどうかの素養の有無を見ていると言えるだろう。

対策

まずは、文章を早く正確に読む力を養成することが必要である。指示語の内容や接続語に注意して、論理展開を捉えるという現代文読解の基本を押さえることが大前提である。この基本を押さえたうえで、問題提起や話題を提示している文、結論・主張を述べている文を捉えることを意識して文章を読むようにする。キーワード・キーセンテンスを正確に捉え、因果関係、対比関係、具体例、引用等に注意して、文章の中心内容を理解する。また、段落ごとの要点をしっかり捉え、段落相互の関係を意識して読む練習もしておこう。その際、この文章は何について書いているのか、筆者が最も言いたいことは何か、なぜそのような主張をするのか、なぜその結論に至るのかを押さえられるようになることを目指そう。これらの点を押さえていれば、要約は難しくはない。要約が苦手な人は、Z会の「入門編 現代文のトレーニング」の重要箇所チェック問題を活用して、まずは要約の基本を習得するのがよいだろう。

具体例は含めず抽象化することや、因果関係を入れ替えたりしないこと、本文の羅列はしないことなど要約時に避けるべきことは必ず押さえておく。段落ごとの要点を羅列しただけの文章では論理のつながりが不明瞭になりやすく、何を言いたいのかがわからない文になってしまうこともあるので、これは絶対に避けるべきである。

自分の意見をまとめる際には、筆者の主張の裏づけとなる具体例や引用文などを押さえたうえで、自分はどう考えるかを述べるようにする。筆者とは異なる視点から述べるのが望ましいが、同意する場合でも自分なりの根拠をしっかりと提示することがポイントとなる。日頃から様々な物事を多面的に考える習慣をつけ、常識を疑うことを習慣化することで、課題発見力を鍛えよう。序論・本論・結論という小論文の基本の型を意識して構成メモを作成し、それにしたがって文章を書きあげる練習を行う。

また、医療分野からの出題もあるので、基本的な医療用語はその意味を理解して覚えるとともに、その用語にまつわる事柄について自分はどう考えるか、問題点は何かなどを考えるようにする。たとえば、「チーム医療」について調べたなら、チーム医療を行ううえで生じうる問題点や、患者にとってのメリットなどについて考えてみるのである。

同じ課題文型で300字以内での要約が出題されている金沢医科大学の過去問などを用いて練習するのもよいだろう。

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