分析表

分析

2017年度は大問4問が出題された。最初の1問は7問（設問数8問）からなる小問集合であった。この8問の設問のうち5問が計算問題で、熱化学方程式、アレニウスの式、圧平衡定数、セルロースのアセチル化率であった。また、計算問題以外にテトラペプチドの構造決定が出題された。1つ1つがそれなりの難易度の問題で、ここで時間を取られた人も多いだろう。

残り3問は理論化学、無機化学、有機化学から1問ずつ出題された。理論化学、無機化学は標準的な総合問題であったが、有機化学は麻酔薬の構造決定で、ホフマン脱離というほとんどの受験生がみたことのないような反応の反応機構が与えられ、それを使って考えさせるという問題であった。普段、有機化学がただの暗記科目だと思っている人には手の出しづらい問題だったと考えられる。

対策

理科2科目で120分なので大問1問が15分であるが、この短時間で考えるには量が多い。第1問は小問集合だが、半分以上が計算問題であったことに加えてペプチドの構造決定まで出題されている。第2問では中和滴定におけるシュウ酸の電離度という、見慣れない問題であった。よく考えれば二価の酸の電離平衡の問題に過ぎないが、時間制限の中で慌てずに解くには解法によくなれている必要がある。対策は、まず、私立大学医学部で出題される標準的な問題の解法パターンを網羅することである。定番の頻出問題だけではなく、あらゆる計算パターンに慣れ、解法がすぐに出てくるようにしておくこと。

次に、2017年度の有機化学で出題されたような、目新しい題材に対応できるようにするため、教科書などに出てくる反応の反応機構や実験操作の理由、現象そのものについて理解を深めておく必要がある。