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金沢医科大学 小論文 過去問解析

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過去三年間の出題内容

2018年 前期1日目
内田樹『反知性主義者たちの肖像』(内田樹編「日本の反知性主義」所収)を読み、300字以内で要約する。
前期2日目
福岡伸一『新版 動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』を読み、300字以内で要約する。
後期
羽生善治、NHKスペシャル取材班『人工知能の核心』よりを読み、300字以内で要約する。
2017年 1日目
入山章栄『経営学の最先端から見る 日本企業が失敗を活かせないのはなぜか』を読み、300字以内で要約する。
2日目
村上道夫、永井孝志、小野恭子、岸本充生『基準値のからくり 安全はこうして数字になった』を読み、300字以内で要約する。
2016年 1日目
池田清彦『生きているとはどういうことか』を読み、300字以内で要約する。
2日目
桐野高明『医療を守る』(矢崎義雄編『医の未来』所収)を読み、300字以内で要約する。

分析

提示された課題文の内容を要約する課題文型での出題である。課題文の字数は、例年約2000字~2500字であり、量としては比較的多いが、時間は60分あるのと自分の意見を述べるものではなく要約するものであり、字数も300字であるので、文章を読む時間を差し引いても時間は十分にある。 テーマは多岐にわたっているが、文章レベルは決して難解なものではなく、論理展開が明快なものが多いので、基本的な読解力を身につけていれば、課題文を理解することは難しくはない。とりわけ2018年の2日目は論理展開が非常に明快で読みやすく、かつまとめやすいものであった。「筆者の主張は繰り返される・具体例は筆者の主張の根拠を示す」という現代文読解の基本を押さえることで、まとめることができる手本のような文章である。

2018年は、2016年の1日目と同様に1日目も2日目も具体例を挙げながら筆者の主張が展開されていくものであった。2018年の後期の文章は人工知能に意思決定を任せていくうちに人間の「勘」などが磨かれなくなる、テクノロジーの発展が人間の直感を磨くことを妨げているという危険性を指摘し、人工知能をいかに使いこなすかということを論じた文章であったが、これは前期1日目の人間の「直感」や「予想」を立てる能力について述べた文章と関係する部分もあり、興味深い選定であるように思われる。2017年は1日目も2日目も対比関係に着目して考えられるかどうかがカギとなるものであった。2016年の1日目は具体例がいくつか引用されている。文脈に注意して筆者の主張を押さえつつ具体例は含めずに、まとめる。

要約では、重要な点を抽出し、正確かつわかりやすくまとめる力が必要となる。この力は医師として患者が発する情報からカギとなるものを見抜いて適切な診断を行う際や、患者に病状や治療方針などの説明を行う際に必要となるので、小論文を通して医師としての素養を見ていると言えるだろう。

対策

まずは文章を正確に読む力を養成する。問題や話題を提示している文、結論・主張を述べている文を捉えることを意識して文章を読む練習をしておこう。指示語の内容や接続語に注意して、論理展開を捉えるという現代文読解の基本を押さえることが大前提である。この基本を押さえたうえで、因果関係、対比関係、具体例、引用などに注意して、文章の中心内容を捉える。また、段落ごとの要点をしっかり捉え、段落相互の関係を意識して読む練習もしておこう。その際、この文章は何について書いているのか、筆者が最も言いたいことは何か、なぜそのような主張をするのか、なぜその結論に至るのかを押さえられるようになることを目指そう。これらの点を押さえていれば、要約は難しくはない。

要約では、問題・話題を提示している文や結論主張を述べている文を正確に捉えてまとめることが重要となってくる。また、キーワードやキーセンテンスを適宜使って論理の順に並べ替えたり、筆者の言葉をわかりやすく言い換えたりして、課題文を読んでいない人が、要約内容から正確に課題文の内容を理解できる文章を書くことが求められる。具体例は含めず抽象化することや、因果関係を入れ替えたりしないこと、本文の羅列はしないことなど要約時に避けるべきことは必ず押さえておく。段落ごとの要点を羅列しただけの文章では論理のつながりが不明瞭になりやすく、何を言いたいのかがわからない文になってしまうこともあるので、これは絶対に避けるべきである。

要約が苦手な人は、Z会の「入門編 現代文のトレーニング」の重要箇所チェック問題を活用して、まずは要約の基本を習得するのがよいだろう。同じ課題文型で200字以内での要約が出題されている獨協医科大学の過去問などを用いて練習するのもよいだろう。

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