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関西医科大学 小論文 過去問解析

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過去三年間の出題内容

2018年 前期
手術をすれば完治の可能性が60%ほどだが、患者さんが超高齢でリスクが30%ほどある場合、あなたが医師であれば手術と緩和医療のどちらを勧めるか、考えを500字で述べる。
後期
税金は高齢者医療ではなく、将来を背負う世代に重点的に使うべきだという意見について、どちらに使うべきかを明確にして、考えを500字で述べる。
2017年 前期
「健康寿命について」、500字以内で述べる。
後期
「人工知能と医学について」、500字以内で述べる。
2016年 前期
「人とロボットとの共存について」、500字以内で述べる。
後期
「海外医療ボランティアについて」、500字以内で述べる。

分析

テーマ型の小論文が出題されている。2018年は、これまでと若干傾向が変わり、長めのテーマが出題された。1日目はインフォームド・コンセントやナラティブ・ベイスト・メディスンなどと結びつけて考えることができるが、医師の立場と患者・患者家族の立場の双方の視点から考える必要があり、難度は高い。2日目は、2010年に超高齢化社会に突入した日本が抱える問題の一つが出題された。税金と高齢者医療という今後よりいっそう注目を集めることになるであろうテーマである。2017年までの出題に準じたものだが、押さえるべき箇所が明確なので、論じやすく感じた受験生は多かったかもしれない。2017年は、1日目も2日目も医療分野のテーマが出題された。1日目の「健康寿命」と2日目の「人工知能と医学」はいずれも今話題となっているテーマである。2016年では「人とロボットとの共存について」のような社会科学的なテーマも出題されているので、現在話題となっているもの、問題となっているものについても出題されると考えておくのがよい。

自分が生活している社会に関心を持っているか、教育や科学など医療以外の分野と医療との関係などにも目を向けることができているかなどを見る問題となっている。2017年以前のような短いテーマのみが提示されるテーマ型の問題では、課題発見力、分析力や視野の広さ、多面的に物事を見て分析する力などが求められる。 また、2018年の傾向の変化から、与えられた条件を正確に理解し適切に答える力も必要となる。

関西医科大学が掲げているアドミッション・ポリシーでは、「求める学生像」と「本学入学までに求める学習成果」が明示されている。その「求める学生像」の5つの中で「医師に必要な使命感、協調性を備えた高いコミュニケーション能力を有する人」「課題を発掘する好奇心や探究心を有する人」を挙げている。また、「本学入学までに求める学習成果」の4つの中で「論理的思考力などの総合的学習能力」「多様な人々と協調、協力して物事を成し遂げようとするコミュニケーション能力」を挙げている。小論文の出題傾向を踏まえると、小論文を通して関西医科大学が求める学生像と合致しているか、求める学力を有しているかを見ていることは明らかであろう。

対策

2018年度のようなテーマの場合は、論じるべき点が明示されているので、その点を漏らさずに正確に答えることが必要である。「その程度のことができないわけがないだろう」と思うと危険である。しっかりした小論文の書き方を身につけていないと、論理矛盾のある文章を書いてしまったり、単なる感情論で終わってしまったりすることが多いものである。「どちら」という問いがあるなら、自分の立場を明確にし、その根拠を述べていくことが必要である。2017年度以前のようなテーマの場合は、どのような視点から論じるかをいかに素早く決められるかが重要である。テーマ設定を誤ると時間が足りなくなる可能性があるので注意したい。

いずれにしても、まずは、序論・本論・結論という小論文の基本の型を習得し、論理展開を明快にして、簡潔でありながら核心をついた文章を書く練習が必要である。 そして、日頃から、新聞やニュース、もしくは、重大ニュースをまとめた書籍や時事ニュース一覧などを定期的に確認して、様々なテーマに対応できるように自分の中の「引き出し」を増やしておくようにする。今自分が生活している社会で生じている問題は何か、どのようなことが話題になっているのかを押さえながら、それらの問題や話題が自分とどう関係しているのか、自分にどのような影響を及ぼすのかについて考えておこう。

また、将来医師になったとき、社会に対して関心を持つことが医療とどう関わり、どう役立つのか、倫理や科学、思想などの分野が医療とどう関係しているのか、どう活用できるのかなども考えるようにする。たとえば、2016年に出題された「人とロボットとの共存」を例に挙げるなら、手術ロボットのゼウスやダ・ヴィンチ、介護ロボット、患者ロボットなどに着目して論じられるようにしておけばよい。「健康寿命」のように自分自身のこと、身近なこととして考えやすいテーマの場合、単なる感情論で終わってしまうことがある。これを避けるためには、物事を様々な視点から捉え、ある視点から見た考えについて、それに対する反対意見とその根拠を考えたりして、客観的な視点を鍛えておくとよい。

最新の医療や基本的な医療用語などを理解し、先進医療や予防医学などについても自分なりの考えを構築しておこう。近畿大学の前期や、2017年の国際医療福祉大学などの問題にあたって練習するのもよいだろう。

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