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近畿大学 小論文 過去問解析

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過去三年間の出題内容

2018年 前期
「終活」という言葉がよく聞かれるようになったが、人生の最終末の迎え方は、本人、看取る家族の立場、医療費の社会的負担の仕方から見ても重要な問題である。その現象の自分の捉え方と改善策について、自分の考えを400字以内で述べる。
後期
少子高齢化がもたらす医療への影響について、自分の考えを400字以内で述べる。
2017年 前期
オートファジーの研究で、2016年度ノーベル医学生理学賞を受賞した大隈良典氏は「役に立つ」という言葉が社会をだめにしている、「役に立つ」ことが「数年後に事業化できることと同義語になっていることに問題がある」と指摘したが、この発言に対する、自分の考えを400字以内で述べる。
後期
再生医療の課題と展望について、自分の考えを400字以内で述べる。
2016年 前期
2015年度のノーベル物理学賞を梶田隆章氏が「純粋科学」で受賞したが、「純粋科学」とはどのような科学だと考えるか、また、「純粋科学」のノーベル賞受賞をどう評価するか、自分の考えを400字以内で述べる。
後期
“患者主体”の医療をめざすチーム医療において大切なことは何か、自分の考えを400字以内で述べる。

分析

テーマ型の小論文が出題されている。2018年の前期は「終活」、後期は「少子高齢化」についての出題であったが、いずれも話題性、ニュース性のあるテーマである。2017年はノーベル医学生理学賞受賞者の言葉から考えることを述べる問題であったが、「役に立つ」=「事業化できる」ということに潜む問題点を考える力が必要となる。この問題では物事を多面的に見ることができているか、問題意識を持っているかなどが見られている。2016年は「純粋科学」について自分の考えを述べる問題であった。「純粋科学」とは何かを理解し、梶田氏のノーベル物理学賞を受賞した研究内容を押さえているならそれほど難しくはないと言える。「純粋科学」の意味がわからなかったとしても、梶田氏が受賞した研究内容はメディアでもたびたび取り上げられていたので、この研究内容がわかっているならそこから「純粋科学」とはどのような科学なのか自分なりの考えを展開できる。医療分野に限らず、社会に関わる問題を出題することで、自分が生活している社会に意識を働かせられているか、知見を得たり広げたりしようとする意識があるか、当事者意識を持って考えられるかなども見られていると考えられる。ノーベル賞受賞者を絡めた出題が2年続いていることから、2018年にノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑氏とニボルマブ(商品名「オプジーボ」)については押さえておきたい。

社会的に話題となっているテーマが出題されやすく、医療と関わるものが出題されやすい。医療の基礎知識の有無、多面的に物事を見ることができるか、広い見識を持つことができているか、自分が生活している社会に当事者意識を持って積極的に関わろうとしているかなどについて見ることで、近畿大学医学部が目指す「温かい『こころ』と、優れた『わざ』」を備えた医師になる素質があるかどうかを見ていると言える。

対策

受験日により設問文に指定がある場合と、ごく短いテーマのみが提示される場合がある。前期は長めのテーマ型、後期は短めのテーマ型で、前期は設問文で論じる方向性がある程度指定されているので論じやすいが、指定を見落とすことがないように注意する必要がある。また、後期は素早くテーマ設定を行えるように練習しておかねばならない。先進医療や移植医療、遺伝子診断、尊厳死など話題となっている問題についての知識の吸収と自分の考えの構築が必要である。言うまでもなく、医療用語を押さえることは必須である。基本的な医療用語はその意味を理解して覚えるだけでなく、その用語にまつわる事柄について自分はどう考えるか、問題点は何かなどを考えるようにする。たとえば、「チーム医療」について調べたなら、チーム医療を行ううえで生じうる問題点や、患者にとってのメリットなどについて考えてみるのである。 また、医療以外の分野についても話題となっているものは出題されやすいということを念頭に置き、現代社会や政治経済の基本用語だけでなく、倫理分野、科学技術分野などの基本用語も把握し、現在話題となっている社会的問題などについて、押さえておこう。そして、それらの問題についても自分の考えを構築しておくとよい。また、国内外問わず社会の動向に関心を持ち、様々な情報に触れ、知識を吸収しつつ、医療とどのように関わっているのか、そこにはどのような問題があるのかといったところまで考えるようにし、日頃から思考力や課題発見力などを鍛えておこう。

字数が400字と短いので、冒頭に結論を持ってくる頭括型で文章を書くようにすると、論理展開が明快で、簡潔でありながら核心をついた文章が書きやすくなる。自分の考えとその根拠を明確に説明できるようにするには、論説文を用いて段落ごとの要点をまとめる練習をしてみよう。最も言いたい部分を見抜いて不要な修飾語を省く練習は、自分の考えを簡潔にまとめる力をつけるのに役立つ。

過去問などを用いて実際に自分の考えをまとめる際には、自分の考えの根拠となる具体例や体験などを加えて文章に説得力を持たせるようにするとよい。

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