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帝京大学 小論文 過去問解析

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過去三年間の出題内容

2018年 1日目 超高齢化社会における医療の問題点について、「医療費」と「少子化」というキーワードを使って、300字以内で述べる。
2日目 新薬のニボルマブの処方増加により高額療養費の財政圧迫が生じているが、健康保険で国はどこまで負担をすべきかついて、「国の財政赤字」と「低所得者」というキーワードを使って、300字以内で述べる。
2017年 1日目 20年後の自分の医師像ついて、「専門分野」と「総合診療」というキーワードを使って、300字以内で述べる。
2日目 医師の生涯教育について、「医療の発展」と「信頼」というキーワードを使って、300字以内で述べる。
2016年 実施なし

分析

2017年より作文が課せられるようになった。また、2017年より面接の時間も5分程度から10分程度へと延長された。出題されたテーマについて、指定されたキーワードをすべて使い、300字以内で書くというものである。2018年・2017年ともに医療系のテーマからの出題が中心であるが、傾向が異なる。

2018年は1日目も2日目も医療費がテーマであり、社会問題と絡めたものとなっている。キーワードが提示されているので、これを手掛かりにすれば論じるのは難しくない。1日目は「超高齢化社会における医療の問題点」について「医療費」と「少子化」というキーワードを使うという指定から、「国民皆保険」の維持存続などに着目できるだろう。2日目は、2018年に京都大学の本庶佑教授がノーベル医学生理学賞を受賞して話題となったニボルマブ(商品名:オプジーボ)を絡めた出題である。2019年度入試以降で出題される可能性があるだろう。新薬は効果が望めるが薬価が高額である。我が国の薬剤費が財政を圧迫していることについてピンとこない受験生もいるかもしれないが、たとえば2000年から2016年で見ると、入院外医療費の伸び額合計が7.4兆であるが、薬剤費の伸び額はおよそ3.8兆円で、52%を占めている。この点を踏まえて、ニボルマブは保険適用がされているため高額療養費制度の対象となり低所得者は月額の自己負担額がいくら使っても35,400円にとどまることになるという点に着目してみる。これらを考慮して国の負担をどの程度にすべきか考えてみてもよいだろう。字数が300字であるので根拠を明確にして端的にまとめる必要がある。

2017年は1日目も2日目も、自分の目指す、自分が考える医師像と絡めたテーマとなっている。1日目は自分が実際にどこで、どのような分野で、どのような治療を行いたいと思っているかを明確にし、専門分野を究めたいか総合診療に携わりたいかを考えてまとめていくとよい。2日目は、日々進歩する医学に対してどのような姿勢で向き合いたいかということを考えるとよいだろう。

2018年は社会問題に目を向けられているかがポイントとなるが、2017年は目指す医師像を明確にできているかがポイントとなる。

今後も医療に関係することが出題されやすいと考えておくほうがよいだろう。

帝京大学医学部は、医療の基本を「人を愛す」という精神であるとし、「ただ知識や技術があるだけではなく、21世紀の新しい医療現場においても、柔軟に適応して活躍する医療人を育成」することを目指している。固定観念や思い込みに捉われないバランス感覚と柔軟性を備えた人材を求めていると考えられる。

対策

300字以内という少ない字数であること、小論文ではなく「作文」とされているため、さほど難しくないように思われるかもしれないが、短い字数で指定されたキーワードをすべて使って自分の考えを述べるためには、自分の考えを明確にすること、また自分の考えの根拠を明示しながら簡潔かつ核心をついた文章を書く練習が必要である。具体的には、特定のテーマについて、まず自分の見解・主張を明らかし、その根拠を明快に示すことができるようにする。テーマ型で400字以内指定の近畿大学の過去問などを活用してもよいだろう。

また、日頃から話題となっている社会問題や、医療問題などについて情報を得るようにしておくとよい。

再生医療やチーム医療はもちろん、先進医療や移植医療、遺伝子診断、尊厳死など話題となっている問題についての知識の吸収と自分の考えの構築が必要である。言うまでもなく、医療用語を押さえることは必須である。基本的な医療用語はその意味を理解して覚えるだけでなく、その用語にまつわる事柄について自分はどう考えるか、問題点は何かなどを考えるようにする。たとえば、「チーム医療」について調べたなら、チーム医療を行ううえで生じうる問題点や、患者にとってのメリットなどについて考えてみるのである。

物事を多面的に見る力は一朝一夕で身につくものではないので、日頃から様々な方向から物事を考えたり、自分の意見とは反対の意見を想定してそれに反論するといったことを行うのもよい。

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