全国で最も志願者数の増加が大きかったのが熊本大学で、188名の志願者増となりました。

この原因として、隔年現象が挙げられます。2015年度から2016年度で、熊本大学は志願者数が175名減少しましたが、2017年度の受験者数増加はこれをちょうど打ち消す動きとなりました。

これに加えて、2017年度センター試験の国語が難化した影響が考えられます。

九州地区の各大学のセンター試験:個別学力試験の配点比率及び受験者数の変動を下に示します。

大学名センター配点:個別学力検査(二次試験)配点志願者数増減
熊本大学400:800+188名(増加)
佐賀大学630:420-64名(減少)
宮崎大学900:600+35(増加)
長崎大学450:760+54(増加)
大分大学450:600+47(増加)
鹿児島大学900:800
(英・数・理3教科4科目)
-167(減少)
九州大学450:700-9(減少)

受験者数が増加した、熊本大学、長崎大学、大分大学はセンター試験の配点が低く、国語で失敗し、センター試験の得点が低かったとしても個別学力検査(二次試験)での逆転が見込めることから、受験者数が集まりました。

センター試験の配点の割合が大きな佐賀大学、鹿児島大学はそれぞれ学生を減らしました。

佐賀大学は2016年度の受験者数増加(+61名)、鹿児島大学は(+114名)を上回る受験者数減少となり、センター試験のショックが大きかったことがうかがえます。

一方、センター試験の配点の割合が高いにもかかわらず受験者数を集めたのが宮崎大学でした。35名の微増でしたが、2016年度に引き続き受験者数増となりました。

この理由は、宮崎大学は九州地区で唯一、個別学力検査が英語・数学のみであるためと考えられます。

これらの教科が得意で、国語や理科に十分手が回らなかった現役生が集まったものと考えられます。

こうしたセンター試験:個別試験の配点比率、個別試験の試験科目による受験者数の変動は、2020年からの大学入学共通テストの導入時により顕著に観測されると考えられます。