岡野の化学が初歩からしっかり身につく【無機化学+有機化学①】
- 出版社
- 技術評論社
- 種類
- 参考書、講義調
- 著者
- 岡野雅司
- 難易度
- 教科書例題~入試基本レベル(センター試験レベル:偏差値50後半)
310ページ・18問
書評
教科書事項からセンター試験レベルまでを丁寧に説明した本、化学の教科書を読んで良く分からなった人や、化学の授業についていけない超初心者に向けて書かれている。
講義調の参考書だが、いわゆる「予備校の先生のくせ」のある書き方ではなく、非常に丁寧な口調で書かれているため、書き方による好き嫌いは生じないと思われる。
超初心者に向けて化学の考え方を丁寧に説明しているため、出てくる問題や知識は医学部受験にはやや不足で、教科書レベルの重要事項のみだが、この本だけで偏差値60には到達できるだろう。問題も教科書・センターレベルで34問のみ。この本だけでは一般入試をクリアするレベルには到達しない。
到達点は中堅私立大学医学部で50%程度だと思われる。
この本は、超初心者向けに基礎知識や化学の考え方を解説した本なので、完璧に仕上げてもできるのは化学の「骨格部分」である。逆に言えば、この本で骨格を作っておけば、それを土台にしてもう少し複雑な内容や、数多くの知識が載っている本に入っていくことができる。高校の化学の授業で完全に置いて行かれた人、独学で1からやりたい人がエントリーとして使うと良いだろう。高校や塾の授業の先取り用として使ってもよい。ただし、問題数学少ないので教科書を読んで知識の幅を広げ、「楽々マスター」や「化学レベル別問題集①、②」のような基本問題集を使って問題数を増やすべき。次の段階は「照井式解法カード」+「セミナー化学」などが考えられる。ただし、少しギャップがあるため、この本だけではなく、問題集や教科書を読んでから次のステップに進むこと。
類書に、「亀田和久の有機化学が面白いほどわかる本」・「橋爪の是理から劇的!にわかる有機・無機化学の授業」がある。
目次
- ①非金属元素(1):ハロゲン・硫黄
- ②非金属元素(2):気体の製法・乾燥剤・窒素・リン・炭素・ケイ素
- ③金属元素(1):アルカリ金属とアルカリ土類金属・両性元素・イオン化傾向
- ④金属元素(2):遷移元素(銅・銀・鉄)・陽イオン分析
- ⑤有機化学の基礎:有機化合物とは・命名法
- ⑥異性体・不飽和炭化水素:異性体の種類・炭化水素
- ⑦元素分析・脂肪族化合物(1):元素分析・アルコール
- ⑧元素分析・脂肪族化合物(2):アルデヒド・エステル
- ⑨油脂・芳香族化合物(1):油脂・芳香族化合物・フェノール類
- ⑩芳香族化合物(2):芳香族アミン・系統分析