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無機化学
第5回 金属の製法

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※この章は、電気分解が理解できていないと、読んでも理解できないと思います。電気分解がよくわかっていない人は、その章から読み直してください。

イオン化列と産出する化合物

イオン化傾向の大きさと、産出する状態、製法には関連性があります。イオン化傾向が大きいほど、陽イオンになりやすく、単体になりにくいためです。

  • K や Ca のようにイオン化傾向の大きな金属は、酸素や塩素に電子を奪われた、酸化物や塩化物として産出します。
    この酸化物や塩化物を還元して金属の単体を得るためには、融解塩電解という方法を取らなくてはいけません。融解塩電解は、酸化物や塩化物を高温で融解して、それを電気分解して単体を得る方法です。

  • K や Ca よりイオン化傾向の小さな Zn や Fe などは酸化物または硫化物として産出します。これを還元するには、もちろん融解塩電解をしても良いのですが、コークスや水素のような酸素や硫黄と結びつきやすい物質を加えて強熱する方法が取られます。この方がずっと安上がりだからです。

  • Cu や Ag は硫化物として産出しますが、これは強熱することで分解し、単体にすることができます。

  • Pt や Au は単体のまま産出しますので、不純物を取り除いて単体を得ます。

融解塩電解(ナトリウムの製法とアルミニウムの製法)

NaCl の融解塩電解による、Na の製法

Na は天然には NaCl の形で産出します。

例えば、海水や岩塩などです。

Na の単体を NaCl から得るには、NaCl の固体を強熱して融解し、その液体を電気分解する必要があります。

これは、NaCl 水溶液では、NaCl よりも先に H2O が分解されてしまうためです。

  • 陽極:2Cl- → Cl2 + 2e-
  • 陰極:Na+ + e- → Na
  • 全体:2NaCl → 2Na + Cl2

アルミニウムの製法(バイヤー法、ホール・エルー法)

バイヤー法

アルミニウムは、ボーキサイト (Al2O3・nH2O) という形で産出します。ボーキサイトはケイ砂や赤鉄鉱 (Fe2O3) などの鉄の酸化物を不純物として含んでいるので、まず、これらの不純物を取り除く必要があります。

ボーキサイトを、高温の NaOH 水溶液に入れて溶解すると、Al2O3 のみが錯イオン [Al(OH)4]- として溶解し、その他の成分は溶解せずに沈殿します。(ケイ砂 (SiO2) は酸性酸化物ですので、NaOH と反応して Na2SiO3 となりますが、これは高分子なので溶解せずに沈殿します。)

沈殿をろ過して得られた水溶液を水で薄めると、[Al(OH)4]- が Al(OH)3 として沈殿するので、これを強熱して アルミナ (Al2O3) を得ます。これを、バイヤー法と言います。

※金属の水酸化物を強熱すると、金属の酸化物に変化します。

ホール・エルー法

得られたアルミナ (Al2O3) を強熱して融解するには、2000 ℃以上に加熱する必要があります。しかし、このために必要なコストはかなり大きく、アルミニウムの価格が高騰してしまいます。
そこで、融点が 1000 ℃の氷晶石 (Na3AlF6) を融解しておき、そこにアルミナを溶解させます。
このようにして、1000℃でアルミナの融解液を作ります。

これを、黒鉛を電極にして下図のような装置で電気分解をすると、陰極に Al が生じます。
陽極では、O2- と C が反応し、CO2 と CO が発生します。

※高温では CO2 より CO のほうが安定なため、CO2 と CO が両方生じる。

陽極:C + O2- → CO + 2e-
   C + 2O2- → CO2 + 4e-
陰極:Al3+ + 3e- → Al

※氷硝石の成分である Na+ や F- は減少しないので、電気分解を続けても、氷硝石を新しく加える必要はありません。

コークスによる還元

鉄の還元

鉄は、自然に 赤鉄鉱 (Fe3O4) という形で産出します。Fe3O4 の鉄は酸化数 +3 です。
これを、高炉と呼ばれる塔状の装置の上から、コークス (C) とケイ砂 (SiO2) と一緒に加えます。
高炉は下から高温のガスが吹き込まれており、内部で熱が反射して非常に高温になっています。

この内部で、Fe3O4 は C や CO と反応して還元され、鉄 (Fe) が得られます。この反応は下図のⅠ~Ⅲの三段階で起こります。

高温では二酸化炭素よりも一酸化炭素のほうが安定なため、発生した CO2 は、高炉の上部から加えられた C と反応して、一酸化炭素が生じます。CO2 + C → 2CO

C による還元を、直接還元、CO による還元を間接還元と言い、高炉の中では間接還元が主として起こります。

高炉の下から得られる鉄は、銑鉄と呼ばれ、炭素が多く含まれており、硬いがもろいという性質を持っています。

この銑鉄に転炉で酸素を吹き込むと、余分な炭素が CO2 として取り除かれ、粘り気のある鋼となります。

鋼は、建築材料など幅広い用途に用いられています。

※Fe3O4 は Fe2O3 と FeO の混合物です。

銅の製法

黄銅鉱の還元

銅は自然に、黄銅鉱 (CuFeS2) として産出します。
この銅を溶鉱炉に入れ、コークス (C)、ケイ砂 (SiO2)、石灰石 (CaCO3) を加えて、酸素を吹き込みながら加熱すると、単体の銅が得られます。この銅は、金属を不純物として含んでいるので、粗銅と呼ばれます。

これらの原料の用途は特に覚えなくても良いですが、C と SiO2 は Fe を取り除くため。SiO2 と CaCO3 は融点を下げるために加えられます。

銅の電解精錬

粗銅には、多くの金属が含まれていますので、これを取り除かなくてはいけません。
そのためには、陽極に粗銅、電解液に硫酸銅水溶液 (CuSO4)、陰極に純銅を用いて電気分解を行います。この操作を、銅の電解精錬と言います。

  • 粗銅に含まれる金属は
    • ①銅よりもイオン化傾向の大きな金属:Al、Fe、Sn、Pb など
    • ②銅よりもイオン化傾向の小さな金属:Ag、Pg、Au など

にわけることができます。

①の、銅よりもイオン化傾向の大きな金属は、電気分解が始まると、銅と一緒に陽極から溶けだして行きます。

陰極では、溶液に溶けだした陽イオンの中で、最もイオン化傾向の小さな銅が析出します。
一方、それ以外の、銅よりもイオン化傾向の大きな金属のイオンは溶液中にとどまります。

※ Pb2+ のみ、水溶液中の SO42- と反応して PbSO4 となり、白色の沈殿を作ります。

②の、銅よりもイオン化傾向の小さな金属は、イオンにならず、粗銅板の下に沈殿します。
この沈殿は黒っぽい色をしているため、陽極泥と呼ばれます。

 
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