書評

教科書練習問題から入試の基本問題の中で、特に重要と思われる問題を用いて、初めから始めるよりも一段難しい内容を解説した講義集。大手予備校で超人気講師だった筆者の授業がそのまま本になったもの。

教科書事項は一通りわかっているが、模試になると今一つ点数が取れないという人におすすめ。

初めから始めると同様に問題数が少なく、レベルも教科書の章末問題＋αなので、この本で医学部入試を乗り切るのは不可能だが、「初めから始めるシリーズ」と本シリーズを一通りやれば、教科書事項は一通り見渡したと考えていいだろう。

ただし、知識が網羅されているわけでも、問題数を十分こなしているわけでもない事には注意が必要だ。「高校これでわかる問題集数学」や「数学基礎問題精講」などを平行して進めて、知識の抜けを補い、問題数を稼いでおくと良い。

本書は、受験勉強が目前に迫っている（あるいはすでに受験学年）であるにもかかわらず、数学の基礎力に相当問題がある人か、まだ低学年の人は自力で理解しながら何度も繰り返すと良いが、すでに受験学年になっているなど時間に余裕がない場合は、このレベルは短期間で仕上げなくてはいけない。わからない問題があったら塾や家庭教師の先生などに積極的に質問して、できるだけ早くマスターするべきだ。