佐々木隆宏の 数学の発想力が面白いほど身につく本
- 出版社
- 中経出版
- 種類
- 参考書・講義調
- 著者
- 佐々木隆宏
- 難易度
- 入試基本問題~入試発展問題
書評
集合、命題などから始まって、文字の存在領域(通過領域)の問題など、受験数学では常識とされているようなトピックスを集めた本、大学への数学や駿台が好んで使うような解法のエッセンスを抽出して、かつ、わかりやすく解説している。
入試基本レベルが大体できるようになり、標準、発展問題を効率よく解く方法を知りたいという受験生向け。あるいは、高校2年生の冬にそれまでの復習が一通り終わった人(白チャートくらいができた人)が読んでおくと、受験勉強を始めてからの伸びが違うだろう。
この本よりもう少しむずかしめのトピックスを扱っている。
発想力というと、大学への数学解法の突破口が思い浮かぶが、こちらが視覚化する、論理を使う、対称性を利用する、のように抽象化された解法ごとに問題を分類しているのに対して、数学の発想力が面白いほど身につく本は、正射影ベクトルの使い方や予選決勝法(二変数関数の最大最小)のような、大学入試で良く使われる解法と、対称性の利用のような、問題の切り口を考えさせるものが混在している。
数学の発想力が面白いほど身につく本は、論証力・答案作成力が面白いほど身につく本よりも内容が高度なので、一通りの勉強が終わってから、高校3年生の夏休み~冬休みの間に取り組んでみるといいだろう。
この2冊をマスターすると、いわゆる「うまい解法」のうち、使いやすく、出現頻度の高いものを一通り覚えることができる。