残された時間は”もう”1年しかない

医学部受験予備校COSMOS(コスモス)数学科講師の”山K”です。

この記事を読んでいるあなた、医学部を受験するまで「”まだ”1年ある」と思っていませんか?

確かにそれも1つの見方ですが、1年はあっという間に経ちます。”もう”1年しかない、とも言えます。

無為無策で1年を過ごしてはいけません。1年後に私立医学部に合格するために、春までにぜひやっておいて欲しいこと2つを、この記事でお伝えしていこうと思います。

春までにぜひやっておいて欲しいこと

その2つとは・・・

  • ①数Ⅲの積分計算をマスターする
  • ②生活の中に自習時間を確保し、その中に入試の対策をする時間を作る

です。それぞれについて、説明していきましょう。

数学の出題範囲は均等ではない?

高校でもらった数学の教科書は何冊ですか?そう、数学Ⅰ、数学A、数学Ⅱ、数学B、数学Ⅲの5冊ですね。

では、入試問題において、それぞれの分野が5分の1ずつ出題されるものでしょうか。

現実はそうではありません。

数Ⅲだけで点数の3分の2を占めることも!

私立医学部の入試問題の特徴として、試験に占める数Ⅲの割合が大きいことが挙げられます。(ただし、近畿大と帝京大は数Ⅲは出題されない。2017年1月現在)。大学によりますが、入試問題に占める数Ⅲの割合は3分の1以上、ときには3分の2くらいを占めることもあります。

数Ⅲは最後に習う分野なので、高校生にとっては経験が不足してしまうところです。実際、試験結果を分析すると、ⅠAⅡBでは浪人生と差がない高校生が、数Ⅲで浪人生と差がついてしまうケースはよくあります。

ですから、合格のために数Ⅲへの対策は欠かせません。

積分計算(基本問題)が最重要

ただ、数Ⅲといっても、内容は多岐にわたっています。
最初から最後までしっかりやろうとすれば、時間がかかりそうです。
春までにやれることとして、どのようなことがあるでしょうか。

それは、「数Ⅲの積分計算問題」です。

数Ⅲはよく出題されますが、万遍なく出題されるわけではありません。大学によって、出題頻度が高い部分と低い部分があります。

しかし、どの大学でも共通して出題されるものがあります。それが「積分計算」です。

どの大学を受験することになっても、試験範囲に数Ⅲが含まれていれば、積分の計算はほぼ間違いなく出題されるでしょう。中には、久留米大学医学部のように、数Ⅲの問題としては定積分の計算と面積や体積の計算で大半を占めている大学もあるくらいです(自分が志望している大学の過去問を調べておくことはとても大切です)。

積分は訓練で身につくもの

授業を受けるだけでは、積分の計算をマスターすることはできません。自分の手を動かし、定期的に(できれば毎日)繰り返し解く、いわば訓練が必要です。この訓練をしていない人には、なかなか積分の計算力は身につきません。

おそらく1年を通して積分の計算は訓練していかなければなりません。マスターしたと思っても、ちょっと練習を怠ると解けなくなる、それが積分計算の怖さです。

まずは春までに、基本的な積分の手順は一通り使えるようになっておきましょう(必然的に、微分の計算もマスターすることになる)。そうすれば、他の数Ⅲ分野を学習していくときに、計算で時間をとられない分、スムーズに勉強が進んでいきます。

学校の宿題をしているだけでは入試には対応できない

次に、時間の使い方についてです。

高校生であれば、学校を中心に勉強していることと思います。当然、学校で与えられた宿題や、定期テストの勉強が中心になります。

進学校に通っていて、なおかつ自分の志望校と学校が目指すところが似通っているならば、学校の勉強をやるだけでよいでしょう。

しかし、通っている学校が進学校ではない、あるいは学校はセンター試験対策ばかりだが自分は私立医学部志望だ、などというケースの場合、学校の勉強以外に志望校の入試に向けた勉強が必要になります。

自習時間の計画(スケジューリング)をしよう

そのためには、勉強の計画(スケジューリング)が大切です。
学校に時間割があるように、自分のプライベートな時間にも時間割をつくるのです。

そこで、まず生活の中に、自習時間をどれだけ取れるかを確認します。その後、学校の宿題などに費やす時間を決め、入試の対策をする時間を別に確保します。

それらは、目に見える形にしないといけません。そこで、カレンダーやスケジュール帳に具体的に書き込みましょう。何時から何時まで学校の勉強をして、何時から何時まで入試の勉強をするのかがはっきり分かるように書くのです。

計画通りにいかないことを、恐れてはいけない

「いやあ、別にそこまでしなくてもいいんじゃないの?面倒くさいし。宿題をやって、余った時間で入試に向けた勉強をしよう。」

そう思っていませんか?
手帳ももっていない、勉強の計画も立てていない、それでもいいと思っていませんか?

甘い。甘すぎる。
無計画に勉強をしても、自分がどれだけ勉強しているか、勉強のバランスは取れているかはわかりません。

ありがちな受験生

次のようなことは経験ありませんか?

よし今日は頑張って勉強しよう。

まず宿題をやろう。

難しいなあ。

なかなか終わらないなあ。

がんばって・・・何とか終わりそう。

終わった!いやあよく頑張ったな、オレ。

ちょっと休憩しよう。ちょっとゲームしたら、入試の勉強しよう。

ゲームは区切りのいいところまで・・・あと少しだけ・・・。

眠くなってきたなあ。今日は頑張って勉強したし、もう寝よう。

こうして、目先のことだけにとらわれ、学校の勉強をやるのが精一杯。とても入試の勉強までは手が回らない、という高校生は多いのです。

計画を立てるのは、現状を変えるためである。

「だって時間がないから仕方がないじゃないか」

「そうではないのです。時間がないからこそ、どれくらいの時間を勉強に充てられるのか、そしてその中で入試に向けた勉強をどれだけ確保できるのか、を明確にするのです。

必然的に、残りを学校の勉強に充てることになります。すると、もしかしたら学校の勉強が終わらないかも知れません。

そこではじめて自分の勉強の仕方を見直し、効率的に勉強するにはどうすればいいか、もう少し勉強時間を増やすにはどうしたらいいか、を考えるようになるのです。時間があるときに入試の勉強をしよう、ではいつまで経っても現状を変えることはできません

高校生に時間がないのは当然です。
しかしそれは高校生ならばみんな同じです。

そこからどう時間を作り出すのか、そこに合格へのカギは隠されているのです。
そのために、自分の自習時間を見直すために、まず計画を立てなければならないのです。

最後に

最後にもう一度、春までにやっておいて欲しいことをまとめておきます。

  • ①数Ⅲの積分計算をマスターする
  • ②生活の中に自習時間を確保し、その中に入試の対策をする時間を作る

どちらも大切なことですが、意識しないとなかなか身につかないところです。
しかし、1年後に合格するため、ぜひ実行してみて下さい。

まず自分が動く。
動きながら修正していく。

その先に、道は拓けていくことでしょう。

<今週のK-Word>

“時間は自分で創るものである”

【情報提供】
医学部受験予備校 COSMOS(コスモス)