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山添の英語学習法
第1回 英語力補完計画~私大医学部編①~その2

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【3】普遍的な英文読解力を養うための道具①:Vocabulary

英文読解問題は全ての大学入試において要となります。読解問題で得点できなければ、いくら単語や熟語や文法の知識があっても高得点を望むことはできません。

ところが、分野別・単元別に学習できる文法・語法や、単語集・熟語集などで学習できる語彙の知識と比べると、英文読解はなかなか学習しづらく、自分が英文を「読めるようになった」のかどうかという実感もわきにくいものです。

そもそも、英文読解のための道具は一つではありません。英文読解力とは、大きく分けて以下の三つの力の総合力のことを示します。

  • [1] Vocabulary(語彙力):単語や熟語の知識
  • [2] Structure(文構造解析力):文法的に正しく文構造を分析する力
  • [3] Comprehension(内容理解力):背景知識を含み、英文の内容を正しく理解する力

 このうち、[3]のComprehensionは、以下の①~⑤の5つから成り立ちます。

  • ① Cohesive Devices(つながりを示す連結表現)
  • ② Information Structure(情報構造)とRepetitive Variation(反復変奏)
  • ③ Paragraph Reading(パラグラフ・リーディング)
  • ④ Shema(スキーマ:背景知識)
  • ⑤ Anticipation(予測)

今回はこのうち[1]について説明し、[2]と[3]は次回以降に説明します。

[1] Vocabulary(語彙力)

ある研究によると、一つの英文を楽に読み通すためにはその英文の中の95%以上(※物語文の場合は98%以上)の単語を知っていなくてはならない、という結果が出されています。よく「単語の意味が分からなければ前後から類推しなさい」などと言われますが、そもそも類推するためには前後の語彙についての知識が無くてはどうにもなりません。たとえば、以下の英文を見て「瞬時に意味が思い出せない単語」がいくつあるか数えてみてください。

  • ① Cohesive Devices(つながりを示す連結表現)
  • Understanding consciousness would be the ultimate self-knowledge. But even though that particular breakthrough in self-awareness is unlikely to happen anytime soon, plenty of others will. Some will come from genetics. Some will come from new discoveries in the fossil record. And some will come from a growing understanding of the brain, even if the problem of consciousness is not cracked. Together, they could change mankind’s view of itself ― and in ways that could be politically explosive.
  • Humans will learn soon, for example, which genes make them different from Neanderthals: the core, in other words, of what it is to be Homo sapiens. DNA from fossils of other human species, as well as from living great apes, will add to the picture. It will also become clear whether there really are any important mental or physiological differences between populations from different parts of the planet ― races, to use the politically loaded term ― or whether humans actually are brothers and sisters under the skin.
  • (2014年度慶應義塾大学医学部第2問より抜粋)
  • (D. Franklin & John Andrews, Megachange: The World in 2050, p.222)

この英文は165語あります。楽に読み通すには95%以上の語彙の知識が必要ですから、単純計算すればおよそ157語の知識が必要であり、不明語は8語までしか許容されないということになります。もし瞬時に意味が思い出せない単語が9語以上あれば、単純に語彙力が不足していると言わざるを得ません。

それでは、語彙力を増強するためにはどうすればいいでしょうか。この仕事をしていると、生徒さんからよく「単語を覚えるコツってありますか?」とたずねられます。結論から言えば「本気になること」しかありません。

単語の暗記に限らず、ものをおぼえるには、大きく分けて二つの要素しかありません。一つは「関心をもつこと」、そしてもう一つは「反復すること」です。たとえば、好きなアイドルグループのメンバーの名前と顔はすぐにおぼえてしまいますよね。それは自分にとって「欠かせないもの」であり、強い関心を持っているからにほかなりません。逆に、「関心のないもの」については粘り強くひたすら反復するしかないのです。

ただし、反復するといっても、紙に何度も書いておぼえようとするのは非効率的です。難関大学に合格するためには、最低でも5,000語(中学英語で学んだものも含む)の単語をおぼえなければなりません。あまりにも数が多すぎて、漢字の書き取りのように何度も書いて覚えるのは時間の無駄になります。それよりもむしろ、おぼえにくい単語は1回だけカードに書いて常に持ち歩き、ことあるごとに見る、というようにした方が効率的です。

さて、ひとくちに「単語の暗記」と言っても、いくつかの方法があり、それぞれに利点と欠点があります。

方  法 利  点 欠  点
① 市販の単語集を使う ○市販の単語集は情報がコンパクトにまとまっているので、基礎力が不足している人にはオススメ。 ×なかなか最後まで終えることができず、長期間に渡ってダラダラとやってしまいがち。→単語集を使うなら、とにかく1冊の単語集を最初から最後まで短期間で(できれば1ヶ月くらいで)、何度も繰り返すこと。夏休みにまとめてやっても良い。
② 長文に出てきたものを片っ端から覚える ○授業を聞いて一度完璧に理解した英文を徹底的に反復音読し、その中に出てきた単語や熟語を覚えれば、「ああ、この単語はあの時読んだあの英文に出てきたな。確か、あの英文はこんな内容だったから、この単語の意味は…」と英文の内容に関連付けて意味を思い出すことができる。 ×文中に出てきた単語を辞書で引くと、辞書に載っている意味が沢山ありすぎてどの意味なのかがわからなかったり、どの意味を覚えれば良いのかがわからないことがある。→意味が複数ある単語については、とりあえず、その文中での意味に限定して覚える。ただし、中心的な意味(コア)を覚えておくと他の意味も覚えやすい。
③ 語呂あわせで覚える ○語呂が楽しいと覚えやすい。 ×単語数が多いので、実は語呂そのものを覚えるのに苦労する。二度手間になる。
④ 接頭辞・接尾辞・語根で覚える ○未知の単語の意味や品詞を推測する際に役立つ。 ×接頭辞・接尾辞・語根の数が多すぎて収拾がつかない。→接頭辞・接尾辞・語根は、あくまでも暗記のための「補助」と考える。
⑤ 設問の中で覚える ○どの単語のどこがどのように狙われるのかがわかり、点数に結びつきやすい。 ×自分だけで漫然と独習すると、どこが狙われているのかがわかりにくい。また、体系的な問題集・参考書がないため、自分で情報を整理しなければならない。

このように、どの方法にも、一長一短がありますが、上で指摘したそれぞれの欠点に注意すれば、複数の方法を並行して行うことにより、効率的に単語を覚えることが可能になるはずです。

ところで、市販の単語集に関して「どの単語集がおすすめですか?」という質問をよく受けますが、基本的には大学入試向けに書かれたものであれば、どの単語集でも構いません。単語集を使う場合、大切なことは、①最後まで通して、②何度も繰り返す、ということができるかどうかです。

「知っているものと知らないものを分ける」つもりで、1つの単語について2秒以内に意味が言えるかどうかを試してください。もし言えなければ印をつけておき、訳を確認したうえで先に進みましょう。1ページにかける時間はせいぜい1分以内にとどめましょう。最初から完璧主義に陥る必要はありません。そうやってまずは最初のページから最後のページまで「知っているものと知らないものを分ける」作業を行い、頭に戻って同じことを繰り返します。そうすれば「全体像」がわかりますよね。一度全体像を知ったうえで、自分がいまどのあたりを学んでいるのか、どのあたりでわからなくなっているのか、どこが苦手なのかを分析しながら学ぶことが大切なのです。

ただし、単語集は一種の「辞書」のようなものであって、そこで学んだ知識を使って英文を読めるようにならねば意味がありません。ですから、単語集を使った学習は、なるべく早い時期に終えて、あとは英文をたくさん読みながらことばの「経験値」を上げていくのが理想的でしょう。

 

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