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医学部入試対策 数学の勉強法

数学は積み重ねの教科で、数学が不得意だという人の多くは、基本的な事項が理解できていないのに標準-応用問題を解こうとするので、うまくいかなくなるのです。私も実は、高校時代数学が非常に不得意でした。全く勉強していなかったため、授業にもついていけない状態だったのです。高校の先生にアドバイスをお願いしたところ、基本からやりなさい。と言われました。

こうした経験は、ここを読んでいる人の多くが、多かれ少なかれしているのではないでしょうか。そして、アドバイスに従って本屋へ行って基本問題集を買ってきて解く・・。そして、解けない。あるいは、どんなに解いても、一定以上のレベルの問題になると手が出ない。あきらめずにやっていくけれど、どんなに問題を解いてもなかなかレベルアップしないので、いつの間にか嫌になってやめてしまう。

これは、勉強そのものの方法と、数学の問題の解き方の両方を誤解しているためです。

● これから書いていることをざっくりと表すと・・・・。
(忙しい人、長い文章を読むのが面倒な人むけ。)

基本問題は一つの知識を応用するだけで解くことができるので、どの知識を使ったらいいかを見抜けばたちどころに解けてしまう。
学校の試験では、出題される問題を前もってやっており、やり方を覚えてしまっているので、やや複雑な問題でも暗記するだけで解くことができてしまう。

基本問題をたくさん解いても、色々な基本問題が解けるようになるだけで、それらがばらばらになっていて、使うことができない。

数学の勉強は
①教科書レベルの問題を早い段階で一通り学ぶ
(標準問題の解法に行く前に、組み立てる部品の知識を学ぶ)
②定理・公式の成り立ち、証明などで基本知識を深める。
(成り立ちが分かっていないものは使い方が分からない)
③代表的な標準問題の解き方(組み立て方)を知る。
(単純な暗記をしない、なぜそうするのか?を常に意識する。)
④見たことのない新しい問題を考え抜くことで、知識ややり方を磨く。

1)問題を解く前に、問題の解き方が理解できていなければ解けない。

当たり前の事ですが、問題を解くための道具が理解できていないのに、問題を解くことは出来ません。

例えば、判別式をつかって二次方程式の解の個数を求めることができるということが理解できていなければ、二次方程式の解の個数を求める問題を解くことは出来ませんね。
出来ないのに頑張るとどうなるのかと言うと、手持ちの知識で何とかしようとしますから、正しいやり方からどんどん遠ざかってしまうのです。

このように、解き方が分かっていない状況で、いきなり問題集をやってもますます混乱するばかりで、効率が悪いどころかむしろマイナスになってしまいます。ですので、問題集を解く前に、参考書で問題の解き方を覚える事が大切なのです。

この段階では、知識を確実にすることが大切ですので、1問1問にあまり時間を掛けすぎず、問題の解き方を覚える事に力を注ぐことです。

市販教材は大きく分けて、解き方の知識を学ぶための参考書と、学んだ知識を使って練習させる問題集があります。勉強するときは必ず参考書→問題集の順に進めていかなくてはいけませんし、自分のレベルと用途にあった本を使うことが大切です。

本の選び方や組み合わせについては、数学教材の組み合わせ方で詳しく説明します。

2)基本問題をどんなにやっても、標準問題の解き方には至らない。

基本問題は良くできて、学校の定期テストはいい点を取れるのに、模試や医学部の入学試験で出題される標準問題になると点数が全く取れない、と言う人も良く見かけます。なぜできないのか分析できず、困っていることが多いようです。実は、学校の試験などで出題される基本問題と模試や受験で出題される標準問題では使う力が少し違うのです。

学校の試験で問われる基本問題は、問題文を見た時に、次に何をするべきか、どの知識を使えばよいのかが分かりやすくなっています。少しひねったような問題でも、学校の先生が前もって指定した問題集から出されることが多いので、どのような手順で解けばいいのか覚えてしまうので、見た瞬間にわかってしまうのです。

このときに問われている力は、知識を覚えていて、確実に使うことができるかどうかという力です。で紹介したブルームの6分類法で言えば、「応用」の段階ですね。

では、模試や医学部の入学試験の問題はどうでしょうか。大抵は見たことのない問題のはずです。それを解かなくてはいけないのですから、見たことがあったり、見た瞬間にやり方のわかる学校の試験と違うはずですね。最初に何をしたらいいのか。という段階から考えなくてはいけない、問題文を分析するところから始めないといけないのです。

逆に言えば、問題文の分析をして、基本問題に分解する事ができさえすれば、模試の問題や入試問題も単なる基本問題の集まりになってしまいますから、解くのは難しくなくなるのです。

3)標準問題の分析のやり方をどのように学ぶか。解説を読んで組み立て方を覚える。

標準問題は、複数の基本問題を組み合わせたものです。組み合わせの作り方は無限にありますから、標準問題のパターンは無限に存在することになります。しかし、数学的に意味のある、内容のある問題にしようとすると、無限に組み合わせるわけにはいかず、自然とある程度決まったパターンの問題になっていきます。

ですので、最初は代表的なパターンの問題に一通りあたってみることが必要です。私はこの用途に使う参考書を入試導入書と呼んでいます。1対1 対応の数学や標準問題精講、青チャートの重要例題・EXERCISEなどがこの部分に相当します。

この段階の学習は、基本問題の知識をどのように標準問題に応用するかを考えることが必要です。解く段階から1問1問にある程度時間を掛けて、どうやったら解けるのか、問題文の意味は何か、をしっかり考えることが大切です。

何より大切なのは、解説を読んだ時に、どうしてその方法で解けるのかをしっかり考える事です。全体の流れや、知識の使い方、数式の読み方、立式の仕方など、手順を覚えるだけではなく、なぜそうするのかを考えることです。

解説を読んだとき、なぜそうするのかがすっきりしない本は、レベルが高すぎるか、解説の書き方が自分にあっていない本です。そういう本で学んでいてもいやになってしまうだけですから、早い段階で自分にとってわかりやすい解説の本に移ることを検討するべきでしょう。

4)基本事項の網羅と理解(暗記ではなく)が標準以上のレベルの問題を解くカギ

組み合わせ方にある程度パターンがあるとはいえ、全く同じパターンばかり出題されるわけではありません。少しひねった組み合わせかたや、学生にとっては目新しく新しい組み合わせ方も出題されます。そうした問題を解くためには、普段問題を解くときから、なぜそうするのか。を考えることが大切です。

標準問題を解くには、組み立て方を学ぶ必要があるのですが、数学の場合、分野を横断して組み合わせをします(たとえば、数と式、方程式、微積分の融合問題など)から、標準問題の組み立て方を学ぶ前に基本問題が一通りできていなくてはいけません。ここは分野ごとに独立している理科と異なるところで、「教科書レベルでよいので、早い段階で一通りやってしまう」ことがとても大切です。

また、考え抜くためには、組み合わされる基本事項がどういうものなのかをしっかり理解していることが大切です。それは、定理や公式の証明を通じて知ることができます。問題の解説を読んだ時に、これはいったいなんだろう。どうしてこういう組み合わせ方ができるのだろう?ということを考え抜くためには、定理や公式の証明方法も理解していること、これが大切なのです。

5)標準問題のパターンが一通り身についたら、入試問題集などで実力を磨く。

標準問題のパターンが一通り身についたら、レベルのそろった入試問題集などで実力を磨きます。この段階では、時間を測らなくてもよいので、しっかりと考えて、どうやって問題を解くのか、問題文は何を要求しているのか、条件は何か、場合分けはあるのか。などを考え抜きます。

場合によっては数日考えることもあります。私も、受験生時代に2~3日掛けて1問解くことがありました。この段階に来ると考えれば考えるほど思考力が身に付いていくのが分かったものです。

 

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