平野「ありがとうございます、では、次に、受験に向く性格、向かない性格についてお願いいたします。」

原田「よく、気が散る子とか、集中力のない子とかが受験には向かないと言いますが、そういう子は、頭の回転が速く、次々と切り替えていくことができる場合もあるので、意外とよい方向に向かうケースが多いのです。むしろ、周りに影響を受けやすい人の方が受験には向いていません。」

平野「たとえば、人の顔色を窺ったり、人の意見に左右されたりしてしまうような人という事ですか？」

原田「そうですね。親が「これをやれ」と言ったから、友人が「あれがいい」と言っているから、というような、人間関係に引きずられて自分の意見をすぐに変えてしまったり、周りに対して見栄を張ったり、空気を読みすぎて周りに合わせようとする人は、受験ではうまくいかないケースが多いです。

とくに、親の意見に振り回される子は良くありません。親は、「自分の子供の事だから何でも分かっている」と思って、あれこれ口を出しますが、親が普段見て理解しているのは「家庭での子供の姿」であって、「塾や学校での子供の姿」ではありません。ですから、往々にしてその意見は的外れ、とまでは言い過ぎにしても、現状に合わないものになってしまうのです。それに子供が振り回されると、なかなか結果が出ないということになってしまいます。」

平野「ある意味、わが道を行く、くらいの気概が必要だという事ですね。」

原田「そうですね。個人主義的で、孤独に強く、一種の頑固さを持って学習に取り組むことができる人ほどうまくいく確率は高くなります。これも言い過ぎかもしれませんが、エゴイスティックで自己中心的なくらいでちょうどいいと思っています。
もっとも、学習法に無理がありすぎてはうまくいきませんから、ある程度はアドバイスを聞く柔軟性も必要ですが。」

平野「そうですね。私も同じようなことを言うことがありますが、やや抽象的な話に終始してしまうことがあります。聞くべきアドバイス、聞くべきでないアドバイスの見分け方などがありましたらお願いします。」

原田「自分の耳に痛いアドバイスは、とりあえず聞いておきましょう。人間は動物でもあるので、みな楽を求め苦痛を避けようとしますから、無意識のうちに、自分にとって都合の悪い事実には目を、そして耳をふさいでしまいがちです。

ですから、そのような基準に照らし合わせて、自分の勉強を見直すきっかけになるアドバイスか、そうでないかという事ではないでしょうか。自分に厳しいことを言ってくれる人を、わざと側に置くという「努力」も必要です。」

平野「ありがとうございました。それでは最後の、学力についてお願いいたします。」