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藤田保健衛生大学 一般入試 英語

出題形式について

2008年以降すべて大問3題(すべて長文総合問題)で構成されている。試験時間は80分。大問1問あたりの小問数は4問~10問。各文の長さは400words~850wordsで、平均すると80分で1850wordsの文章を読みながら、22問の小問に答えてゆくことになる。1問にかけることができる時間は4分弱。ほとんどが文章の内容に関する設問であること、文章の難易度を考えると相当の読解力と即解力が必要になる。

過去5年間の各年度ごとの長文のテーマと、各大問あたりの小問の形式を表にしたので参考にしてほしい。

各英文のテーマ

2012 (1) WHOによる針治療の有効性に関する報告の問題点について 753words
(2) カロリー制限された食事の効用 698words
(3) まず相手を理解することの大切さ 468words
2011 (1) 疫学について 612words
(2) 創造力を高める要因についての考察 862words
(3) 延命をすべきかどうかの決定は誰が行うべきか 645words
2010 (1) 相関関係と因果関係の違いについて 736words
(2) 16才未満の少女に避妊薬を提供することの是非 592words
(3) 失望から脱出するための考え方 468words
2009 (1) 意志決定に対するデフォールトの影響 758words
(2) 純粋科学における科学的説明 334words
(3) 歩行器に名前をつけている精神病の人物との会話 454words
2008 (1) 医者と患者の会話の有効性に関する研究 841words
(2) 赤十字社の成り立ちと活動 510words
(3) 飲酒の効用や害と飲酒量との関係 585words

小問の形式

2012 (1) 空所補充(語)×2, 空所補充(節)×2, 内容一致×3 7問
(2) 空所補充(語句)×1, 内容説明(部分和訳)×1, 派生語×1, 整序英作×1, 内容に関する表の完成×1 5問
(3) 内容一致×2, 内容説明(記述30字), 空所補充(語句)×1, 内容関連×1 6問
2011 (1) 派生語×1, 内容一致×6, 反意表現×1, 整序英作×1 9問
(2) 同意表現×2, 空所補充(語)×4, 内容一致×3 10問
(3) 空所補充(語句)×3, 欠文補充×2, 内容一致×1 6問
2010 (1) 空所補充(語句)×3, 内容説明×1, 内容一致×1, 文整序×1, 空所補充(節)×1, 欠文補充×1 8問
(2) 派生語×1, 内容説明(要約20字×2)×1, 内容一致×4, 欠文補充×1 7問
(3) 空所補充(語句)×2, 整序英作×1, 欠文補充×1 4問
2009 (1) 空所補充(語句)×2, 整序英作×1, 派生語×1, 内容一致×4, 同意表現×1 10問
(2) 空所補充×2, 語形変化×1, 語句の意味×1, 代名詞内容×1,同意表現×1, 主語指摘×1, 内容一致×1 7問
(3) 下線部和訳(選択)×2, 内容説明(記述20字)×2, 要約×1, 内容一致×1 6問
2008 (1) 内容一致×4, 代名詞内容×3, 整序英作×2, 同意表現×1 10問
(2) 代名詞内容×1, 品詞判定×1, アクセント×1, 内容一致×3, 空所補充(要約・節) 7問
(3) 内容一致×5, 空所補充(語句)×2, 内容説明(記述30字)×1, 空所補充(要約・節) 9問

年度ごとの出題内容と解析

2012

全体評  大問3問の形式は変更なし。総語数は昨年より約100words減ったが、3問とも医学・医療系の文章であり、2011年同様、第1問、第2問共に難易度が高い。第3問も昨年同様センターレべルの文章で全体の難易度としては昨年並み。2011年には見られなかった字数制限付きの記述問題が復活した。昨年同様、文脈をしっかり理解しないと解けない設問が多く、内容が掴みにくいことを考えると読解力の弱い受験生には厳しい問題である。ただ、内容一致問題は紛らわしい選択肢があまりないので、読み込むことさえできれば選択は容易。内容の難しさに惑わされずに冷静に解くことが大切である。

第1問

問題文の難易度が高く、内容がつかみにくいため、問1,問2,問3の空所補充はかなり難しい。(   )の前後の文脈の流れをしっかりつかむことと、問2,問3は意味だけではなく、各文章の時制や構文等、文法的な知識を総動員して相応しいものを選ぶことが大切である。問4は直前の段落の最後の二文をしっかり理解すれば余り迷うことはない。問5~8の内容一致問題は各設問のキーワードがはっきりしていて、書かれている部分の特定がしやすく、内容もはっきり書かれているので、きちんと読み込むことができれば迷うことはないと思われる。

第2問

第1問同様、問題文の難易度が高く、内容もつかみにくい。問1の空所補充問題は接続詞及び接続詞的に使われる副詞を選ぶ問題。それぞれの選択肢が文をどのようにつなぐのか(順接、逆接、原因結果など)、どの文とどの文をつなぐのかをきちんと見極めた上で問題文を読むことが大切である。問3の整序英作も文の途中から始まっているため、述語動詞から始めることが分かるかどうかがポイントである。それ以外は比較的簡単で取り組みやすい。問5の表も読みながら当てはめてゆけば難しいものではない。

第3問

第1問、2問に比べると読みやすく、意味もつかみやすい。設問も比較的素直に解答できるものが多い。問3の記述問題も内容は特定しやすい。誰が何をどうしたのか、手短にまとめることが大切。要らないものを削ぎ落とし、字数の少ない語に入れ替えるテクニックは練習が必要。

2011

単語・内容ともに難易度が高い。前半はよく知られているSARSの発生に関する話題なので類推しやすいが、後半はなじみのない疫学の話になり、内容がつかみにくい。問1は藤田ではお馴染みの派生語の問題。問2は簡単そうに見えるが、接続詞に注目してきちんと文脈を押さえて判断すること。不定詞に飛びついて取り違える受験生が多く見られた。問3は( )の直前のwould have been か選択肢のwereに着目すれば仮定法と分かる。問4・5はかなり難しい。’population’に「集団」という意味があることを知っているかどうかがポイント。知らなければ、下線部(い)の後の対比の接続詞while, 次の文のIn factに注目して当たりをつけるしかない。問6~9の内容一致は紛らわしい選択肢がないため、本文が読み込めていれば迷うことのない問題である。

第1問

問題文の難易度が高く、内容がつかみにくいため、問1,問2,問3の空所補充はかなり難しい。(   )の前後の文脈の流れをしっかりつかむことと、問2,問3は意味だけではなく、各文章の時制や構文等、文法的な知識を総動員して相応しいものを選ぶことが大切である。問4は直前の段落の最後の二文をしっかり理解すれば余り迷うことはない。問5~8の内容一致問題は各設問のキーワードがはっきりしていて、書かれている部分の特定がしやすく、内容もはっきり書かれているので、きちんと読み込むことができれば迷うことはないと思われる。

第2問

内容が抽象的なため理解しにくい難易度の高い英文。語彙レベルも高い。問1・5は平均的な同意語の問題。問2・7は藤田お馴染みの接続詞もしくは接続指的に使われる副詞を入れる平均的な問題。問3はかなり難しい。具体的に書かれている部分がないため、文脈に従って入れてゆくしかない。分かりやすい( エ )から始めて前後を入れてゆくと良い。このような、対照的な意味の単語を繰り返し入れる穴埋め問題には必ず簡単な( )があるので、無理無理最初の( )から入れるよりも分かるところから入れて前後に広げてゆくことが大切。問4・8の穴埋めは個々の段落ごとのtopicをつかむことが大切。心理的距離に対して、どのような距離を話題にしているかを考えよう。問9・10の内容一致は選択肢に紛らわしいものがなく、選びやすい。

第3問

第1問、2問に比べると読みやすく理解もしやすい。設問もセンターレベルで穴埋め(語句)、欠文補充が中心。相手の言い分をもう一人がいちいち言い直して確認しているため、きちんと読めば迷うことはない。

2010

全体評  2008年以来の長文総合問題による大問3問の形式は変わらないが、総語数は昨年より約150words増えた。第1問は語彙・内容共に難易度が高く内容がつかみにくい。第2問はセンターレベル。第3問は非常に読みやすく易化した。2008年,2009年に見られた、発音アクセントや代名詞の内容を問う問題がなくなり、設問数も減少した。代わりに文整序など、内容をしっかり把握し、文脈を理解しないと正解を導くことが難しい問題が出現し、第1問は難化した。2009年に2問だった記述問題は1問に減ったが、小問中に2カ所字数制限のある和訳があり、実質的には昨年同様2問となっている。長文は3問とも医療に関係のある内容。

第1問

医学・医療系ではないが、語彙・内容共に難易度の高い文章。相関関係と因果関係の違いを具体例を使って説明してはいるが、非常に分かりにくい。問1の穴埋めは(   )左側の文と右側の名詞をつなぐ前置詞もしくは分詞を選ぶ問題。お馴染みの接続詞系の問題ではないが、( )の左右の意味のつながりを考えて選ぶというコンセプトは問7の副詞句を選ぶ問題と同じである。問2はかなりの難問。相関関係、因果関係という言葉の意味をはっきり理解していないと正解を導くことは難しい。問3・4・5はセンターレベルの問題。特に問4は数年前までセンター試験で出題されていた文整序と同じ形式の問題。代名詞等に注目して流れをつかもう。問8も選択肢は多いが基本的には問4と同じ。代名詞someが何を受けるかが分かれば後は簡単である。問6の欠文補充は選択肢が意味の取りにくい文章だが、位置的に段落の第一文であることから後の2文と、前段落の最後の2文をよく読めば答えは自ずと見つかる。第1問は文章は難解だが、設問は問2以外は簡単である。文の難しさに惑わされないことが大切である。

第2問

医療に関する訴訟の話だが、難しい単語には注釈がついているので、語彙も内容もセンターレベルの問題。問1は藤田ではお馴染みの派生語の問題。問2・4~6の内容一致問題はいずれも本文内にはっきり記述のある内容で、読みながらチェックしてゆけば間違えることはない。問3の記述問題も、該当箇所の特定は簡単。字数制限があり、かなり少ないので、いかに必要な言葉を残しながら字数を削るかが課題。日頃から練習をする必要がある。

第3問

失望した人を前向きに考えるように導くという内容の会話文。非常に読みやすく内容も分かりやすい。問3の整序英作もhaveとcome around, they would like toとhelp meのように、つながるもの同士をつなげて当てはめてゆけば迷うことはない。

2009

全体評  2008年同様長文総合問題による大問3問の形式。昨年よりも400word程英文の量が減り、設問数も減ったが、大問1と2の文章の難易度が上がり、語彙も内容も難化した。設問の難易度は変わらないので、内容の難しさに惑わされないことが大切。前回よりも単語や語彙にこだわった問題が増えた。大問3は平易な文章だが、記述問題が1つ増えて2問になった。長文が難しくなった分、全体としても難化した。医療に関する文章は第3問のみ。

第1問

本文は語彙・内容共にやや難易度が高く、分かりづらいが、設問は平均的なものが多い。問1・3はお馴染みの接続詞系の空所補充。問2は平易な熟語の問題。問4の整序英作も直前の挿入節を省いて考えればthat に続く節を作れば良いことが分かる。問5はお馴染みの派生語、問6の語の書き換えは全文の内容と対比すればよい。問7・9・10の内容一致は本文にはっきり書かれている内容ばかりである。問8が多少紛らわしい。"vice versa"(逆もまた真なり)が意味する内容なので、前文の内容をしっかり把握した上で、真逆の設定を見つけてゆくこと。

第2問

純粋科学における科学的説明に関する文章。語彙、内容共にやや分かりにくいが、設問は平均的。語彙に関する空所補充(問1)、語形変化(問2)、前置詞句から語への書き換え(問5)等、部分和訳(「皆既月食」問3)等、単語や語彙にこだわった問題が多く、難問は見られない。代名詞it の内容や主語の詞的なども基本的。問7の内容一致も間違いがはっきりしていて選びやすい。

第3問

医師と患者の会話に関する文章で、非常に読みやすく分かりやすい。設問の下線部訳(問1・2)、内容一致とも平均的な内容。問3・4・5の記述問題も字数制限のあるものもあるが、特に難しいところはない。

2008

全体評 2008年から大問3題の形式になった。いずれも長文総合問題で第1問・3問は医学・医療に関する文章。専門用語も含まれているが、設問に関係のあるもの以外は注釈がついており、全体としてはセンターレベル。80分という時間設定、2000words近い分量と、問題数を考えると、素早く正確に解答する力が求められている。発音・アクセント、品詞の見分け問題等、最近4年間は出題されていない問題も含まれている。

第1問

841wordsと長い問題文だが、難易度はそれほど高くなく、分かりやすい。問1・4・7・8・10の内容一致問題は紛らわしい選択肢もなく、選択肢の誤りもはっきりしているので、文脈に沿って読みながら解答すれば間違えることはない。問3の語の書き換えは標準的な問題。問6・9の代名詞の内容を選択する問題は少々紛らわしい。問6はcomfortingになるものを探してゆく。If節の中に会話文が二つも入り込んでいるので、文の構造をしっかり見ておくこと。問9も紛らわしい。自分たちも医者の打ち明け話の犠牲者であることを彼らに分からせたのは何かを考える。問2の整序英作は比較的難しい。( ア )の位置に来るものは候補が多いので、まず選択肢同士で確実につながるものを見つける。動詞が2組あり、関係代名詞もあるので、複文である。in the course of a studyの後につながるものから考えてゆく。問5の整序英作は熟語が鍵。まずはhad moreと to do withがつなげるかどうかだ。

第2問

センターレベルの文章で読みやすく、理解しやすい。設問も深い問題はあまりない。問1は代名詞の内容を選ぶ問題。問4~6の内容一致問題は、該当場所の特定もしやすく、紛らわしい選択肢もあまりない、標準的な問題。サクサクと読みながら素早く解答すること。問7の空所補充問題も、多少の言い換えはあるが、難しい表現はないので、(    )の前後をよく見て本文の該当箇所を特定し、読みながら選ぶこと。全体に特に難しい問題はないが、問2・3の品詞の見分けと発音・アクセントは知識問題。派生語と共に日頃から心がけて覚えることが大切。

第3問

問題文自体はセンターレベルで理解しやすい。問1・5・6・7・8・の内容一致問題も標準レベルである。問5のinverse associationが少々難しいが、後続の文の内容から推測ができる。問2・3はお馴染みの接続詞系の空所補充問題。問4の記述問題はやや難しい。該当の文と段落の第一文を参考にして下線のwomenと、the diseaseが何を意味しているかを特定する。字数に余裕がないので簡潔にまとめること。問9の空所補充は第2問の問7と同じ形式だが、問9の方が簡潔にまとめてある分難しい。(あ)(い)は( )の後の接続詞に注意して本文と照らし合わせて選択すること。

傾向と対策

第1問、第2問は語彙・内容とも難易度の高い文章が出題される傾向があり、かなりの読解力を必要とされる。専門用語には注釈がついているが、難しい語でも、設問に関係のある語には注釈がないものもあり、知らなければ文脈から類推しなければならない。医学・医療に関する題材が多いが、その他多岐にわたる学術的な話題が取り上げられているので、受験向きの単語集を一通りマスターした後、話題別の単語集などで、各トピックによく出る語句を確認し、訳語だけでなく、意味や背景もしっかり把握しておく必要がある。2008年に出題されたinverse association, 2009年のapplied science と pure science, 2010年のcorrelation と causation など、字面だけでなく内容も分かっていれば読解がずいぶん楽になるだろう。また単語については派生語の問題が毎年出題されている。一通り単語を覚えたら、復習の時に単語帳でその単語の派生語を必ず確認しておくこと。整序英作も毎年必ず見受けられる。藤田の整序は独立問題ではなく、長文の一部が整序英作になっている。全文ではなく、挿入句の直後の部分からであったり、省略があって、構文が分かりにくかったりと受験生にとってはやりにくいものが多い。まずは基本の整序英作をしっかり練習してコツを掴んでおくことが大切。文頭からひたすら作るやり方をしていては歯が立たない。

藤田のもう一つの特徴は穴埋めが多いこと。単語・句・節・文整序に至るまで様々な穴埋め問題が出題されている。特徴としては文法ベースのものが少なく、文脈に沿って語句や文章を入れてゆくものが多い。語句に関しては語彙系、もしくは接続詞系の穴埋め問題の練習をすること。節や文整序に関してはセンターの文整序の過去問で練習するのもいいだろう。内容一致問題は紛らわしい選択肢があまりなく、キーワードを探して読みながら解いてゆけばよい。私学の上位校の過去問で練習すること。

最後に記述問題だが、藤田の記述は20~30字の字数制限がついている。内容的にはギリギリでかなり厳しいので、語を選び、表現を工夫して字数を削ってゆく練習が必要である。いずれにせよ、高い読解力が必要なので、早い時期から多くの英文に触れ、ジャンルにこだわらず難しい長文の総合問題を解き、読解力が付いたら医学医療系の問題をたくさんこなし、話題や専門用語に慣れておくことが大切である。

 

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