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学力の向上する勉強法とは何か

1・学力とは何か。

大学受験における学力(以下、学力)とは、理論や知識を正確に用いて、問題が要求している答えを求めることです。つまり、学力があるというのは、理論を理解する理解力、知識を必要な量覚えている暗記力、それを組み合わせて問題を解くストーリーをつくる応用力の3つが備わった状態のことです。

これらの3つの力がどのように使われているのかを理解するために、簡単な空間図形の問題の解き方を考えてみます。

【問題】下図の四面体OABCにおいて、Oから平面ABCに下した垂線の長さを求めよ。

問題図

この問題は2つの解き方があります。まず、その手順を説明します。
1つめは、空間ベクトルの知識を用いる方法です。

1 Oから平面ABCに下した垂線の足をHとして、位置ベクトルOHをもとめる。2 OHベクトルの長さを求める。

もう1つは、体積の知識を用いる方法です。

1 四面体OABCの体積 2 四面体OABCの体積 3 1=2より、OHの長さを求める。

この、赤字で書いた手順が、知識の組み合わせ方、つまり応用力の部分です。この手順を実施するために、1つめの方法では、ベクトルOH を求める知識と、ベクトルOH の長さを求める知識が必要になります。2つめの方法では、三角形OABの面積を求める方法と、OCの長さを求める方法、三角形ABCの面積を求める方法が必要になります。

このように、問題を解くときには、知識を組み合わせてストーリーを作る応用力、そして、それを実行する知識が必要になります。また、ストーリを作るためには、知識の適用範囲やそれを使って何ができるのかを知らなくてはいけません。この部分が理論なのです。

2・学力を身につけるには

学力は、理論と、知識と、応用力の3つを意識して学習していくことによって向上していきますが、学習する順番が大切です。理論を理解し、知識化して記憶し、それを組み合わせる応用力を身につける。この順番でしか、学力は向上しません。

単に問題を解いているだけの授業を聞いていてもなかなか学力が向上しないのは、理論を中途半端にしか理解しておらず、不十分な知識しかない状態で、知識の組み合わせ方法を学んでいるためです。さらに悪いことには、そのような授業では大抵、何を重点的に聞けばよいのかということが提示されません。ですから、聞いていてもなかなか学力が向上しないのです。

以下に、学力を向上させるための学習法を説明します。

  1. 分野ごとに分けて応用力まで一気に身につける。

    高校での学習は、特に理系科目では分野ごとに必要な知識が独立しています。レベルの高い応用問題では、分野を横断する力が必要とされますが、入試の標準問題であればそのような力は必要ありません。ですので、学習は分野ごとに、理論を理解するところからその応用まで一気に行うのが理想的です。

  2. 知識は体系化して暗記する。

    知識を暗記するときには、体系化しなくてはいけません。化学や生物における単なる性質の羅列のようなものであっても、物質ごと、あるいは性質ごとに体系化して暗記するべきです。そうしないとすべての知識を網羅することは難しいですし、記憶もしにくくなります。

  3. 応用力は経験を積むことによって向上する。

    大学受験における応用力とは、問題に合わせて知識を組み立てる力です。ですから、応用力を付けるためには、まず知識の下になっている理論を正しく理解し、知識の適用範囲を知らなくてはなりません。そのうえで、数多くの問題を解き、解説を読んで、知識の組み立て方を覚えれば応用力が身つくのです。

    応用力がなかなか身につかず、実際の試験問題になると解けないという人は、このような考え方に基づいて勉強しておらず、漫然と問題を解き、解説を読んでいる人がほとんどです。ノートに解答を書き写し、その思考過程をトレースするという意識を持って取り組めば、応用力は自然と身につくものです。

    繰り返しますが、重要なのは組み立て方を覚えることです。とりわけ重要なのは、切り口です。切り口というのは、問題を解くために最も重要な部分で、「その問題の要求する答えを出すために何をするべきか」という部分です。

  4. INPUTとOUTPUTは別の力だという意識をもつ。

    ⅰ~ⅲの意識を持って学習しているにもかかわらず、未知の問題になると解けなくなってしまうという人がいます。これは、OUTPUTする力が足りないためです。

    授業を受けたり、参考書を読むことによって理論を理解し、知識を暗記して、考え方をトレースしただけでは、情報が脳にINPUTされるだけで使いこなすことはできません。情報を使いこなすための練習が必要になります。

    OUTPUTの練習の仕方は、初めて見る問題に対して、十分に時間をかけて切り口を考えることです。問題文をよく読み、何をするべきかを考えましょう。その時に、解答を求めるためには何がわかればよいのかということに着目して考えます。いわゆる、解答からお迎えするという方法で、効率のよい方法です。

    授業ではINPUT、試験ではOUTPUT

  5. 質問をするときには、どこがわからないかをはっきりさせる。

    先生に質問するときは、「どこがわからないか」をはっきりさせてから質問しましょう。漠然と「わかりません」という質問は不適切で、先生の側としては、どのようなことが聞きたいのかわからず、通り一遍の話をして終わりになってしまいます。

    これではせっかくの勉強の機会を失うことになってしまいますし、質問を受け付ける先生も困惑します。

    逆に、どこがわからないのかを追及して、それを明確にすれば、自分の力のどこが不足しているのかがわかりますし、知識の整理をすることもできます。そして、そのように考え抜いた後での質問は学力の向上に大きな意味を持ちます。

 

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