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川崎医科大学 一般入試 生物

2012年度

大問1は心臓の拍動調節、シダ植物の生活環、遺伝子の発現、細胞分裂、窒素同化、動物界の分類に関する総合問題。全体として標準。

Iの問1について、洞房結節が心臓のペースメーカーになっていることは教科書にも載っていて知っていることと思うが、これが右心房に存在することは意外と盲点かもしれない。問3について、アセチルコリンとあるから副交感神経の働きとして間違っているものを選ぼう。

IIのシダ植物の生活環の問題は、まずこの分野の勉強が非常に手薄になりがちであるというところから述べていきたい。教科書では詳しく述べられていないことが多く、資料集ではやたら図や表などが多くて覚えづらくまとめられていることが大半であるという何とも勉強すらしづらい分野だ。自分で分かりやすくまとめるか先生にまとめてもらってきっちりと学習しなおす必要がある。なお、この分野が出題された場合、問1のようなシダ植物の特徴を問う問題や問2のような生活環の順番を問う問題は必ずと言ってよいほど出題されるのでマークしておこう。

IIIの遺伝子発現の問題の問2について、遺伝暗号を解読する問題は、形成されるコドンをすべて書き出して対応するアミノ酸を根気よく見つけ出すほかに解き方はない。複雑になるとミスが出がちなので、よく慣れておきたいところである。頻出問題なので類問を探すのは苦ではないであろう。

IVの細胞分裂に関する問題について、問1の細胞分裂の各期をグラフから読み取ったり細胞数を計算したりする問題は典型問題であるし、私大医学部では毎年多くの大学で出題される分野である。この問題の解答の足掛かりとしては、DNAの相対量が最も重要なものとなることを覚えておこう。これを基準にそれぞれの期における細胞数やが判断でき、各期にかかる時間の計算ができるようになる。
Vの窒素循環の問題について、問題文も図1も教科書に出てくるものそのままといった感じで、答えやすい問題である。

VIの動物界の分類の問題について動物の横断面の模式図からの出題は非常に珍しく、戸惑った受験生も多かったことであろう。難しくないのは問1だけで、暗記も非常に細かいところまでしていなくてはいけないし、問3でラが腎管と答えるのは至難の業であろう。

大問2は刺激の受容と反応、突然変異、タンパク質の種類、遺伝子頻度、個体群、生物の変遷に関する総合問題である。全体としてやや易~標準。

Iの刺激の受容と反応に関する問題について、問1は教科書レベルの穴埋め問題。問2は図からの出題であるため、しっかりと図と合わせて学習できているかがポイント。基本的には、生物の問題は図やグラフとともに出題されることが多いので日頃から教科書だけでなく資料集も学習するよう心掛けたい。

IIの突然変異に関する問題について、問1は栄養要求株に関する典型的な考察問題である。問2は病気と突然変異の種類を暗記しておかなければならないが、ここまで詳しい知識は資料集にしか載っていない。Ⅱの問題は暗記だけで済む反面、暗記の質として高いものを求められている。私大医学部の入試について全般的にいえることではあるが、教科書や資料集を隈なく暗記していないとなかなか点数に結びつかない。ただ暗記さえしてあれば高得点を期待できる。

IIIのタンパク質の種類に関する問題について、問2は骨細胞とクリスタリンという組み合わせのみ名称を受験生は知らなかったと思われるが、これが誤りの選択肢になるので非常に親切な問題である。
IVの遺伝子頻度に関する問題について、ハーディワインベルグの法則の基本問題。計算問題ではあるが、簡単である。なお、ハヒフはハーディワインベルグの法則が成り立つのであるから計算せずに解答してよい。

Vの個体群に関する問題について、問3は実験考察問題として良問である。3種のアブラムシそれぞれについて、その個体がどのような集団で生まれたのか、生まれてからはどのような環境で育ったかというこの2点について着目すれば解答できる。

VIの生物の変遷に関する問題について、どの問題も典型的であるし、この分野は暗記するほかない。

2011年度

大問1は光合成の反応経路、光合成速度、筋肉、配偶子形成に関する問題。全体としてやや難。

Iの光合成に関する問題について、問1はすべて知識問題である。光合成反応経路の全体についてかなり詳細な知識まで問われている。光合成の反応経路を図として自分で描けるようにならないとこの問題では全く正解できそうにない。この問題の難しいところは、問われていること自体は典型的な事柄であるが、普通の問題では図やグラフから読み取って答えられれば良いところを、暗記していなければいけないという点にある。どの問いも問題集には必ず載っているものだが、答えを暗記しなければならないとなると相当な時間を要すだろう。問2以降は平易な知識問題が並ぶ。問6はよくある光合成量の問題なので必ず得点しておきたいところ。

IIの筋肉と配偶子形成に関する問題について、問2は難しい。染色体のスケッチから性の決定様式を問う問題はあまりなく、戸惑う受験生も多かったのではないであろうか。正の決定様式ということは、2n+○○の○の部分を聞かれているのであるから、雌雄それぞれについて染色体の数を数えて上でどちらが多いか少ないかさえ分かれば解答はできる。

大問2はタンパク質合成、遺伝子工学、遺伝、細胞周期、浸透圧、酵素に関する問題。全体としてやや易~標準。

Iのタンパク質合成と遺伝子工学に関する問題について、問1を解答する前に、まず遺伝子の翻訳が左右どちら向きに行われているのかということを明らかにしてから臨まないと答えがすべて逆になってしまうので注意すること。これさえ気を付ければ問1は容易に解答できよう。問2は遺伝子工学(バイオテクノロジー)に関する穴埋め問題。生物Ⅱまで学習が行き届いていれば平易に解答できるが、現役生には厳しいかもしれない。ただ問題自体は問題集の遺伝子工学分野を一通り学習できていれば答えられそうなものばかりなので、まずは広く勉強することを心掛けたい。

IIの遺伝に関する問題について、完全優性と不完全優性の二対立遺伝子を考える遺伝問題であるが、どの問いも典型的なものである。満点を取りたい。

IIIの細胞周期、浸透圧と酵素に関する問題について、問1は細胞周期に関する典型問題。2012年度にも出題があり、必ずマークしておくように。問2以降も頻出問題が続き、得点しやすい大問である。

2010年度

大問1は神経系、植物の成長、原子生物、窒素排出物、各種細胞の染色体数に関する問題。全体として易~やや易。

Iの神経系に関する問題について、どの問題も典型問題である。なお、問3の(2)についてであるが、閾値以下の刺激を与えても限界静止膜電位に達しない微弱な電位は発生しているから、④が真に正しいとは言えないが、高校生物的には最も不自然ではない選択肢なので④が正解。問3の(3)は、興奮の伝導の双方向性、伝達の一方向性を意識して考えれば正答にたどり着く。

IIの植物の成長に関する問題について、どれも典型的で簡単な問題。センター試験でも頻繁に出題される範囲なのでよく学習しておこう。

IIIの原子生物、窒素排出物、各種細胞の染色体数に関する問題について、問1~3ともに基礎問題である。知識の暗記のみで満点が取れる問題である。なお、生物史は特に受験生の学習が手薄になりがちな範囲であるが、私大医学部ではよく出題される項目なので必ず学習しておきたい。

大問2は遺伝子に関する研究史、遺伝情報の発現、ウニの発生、細菌に関する小問集合から成る問題。

Iの遺伝子に関する研究史と遺伝情報の発現に関する問題について、問1の(2)は、私大医学部に広くみられる出題形式で、研究成果を年代順に並べるものである。どの私大医学部を見てもほとんどが多くて6組の研究者を並べ替えるものであるし、マニアックな人物は出てこない。したがって主なものは覚えてしまったほうがよい。遺伝子に関する研究のほかに、光合成に関する研究をした人物を並びかえる問題も頻出なので、こちらも覚えてしまいたい。

IIのウニの発生に関する問題について、問2は記号選択問題となっているが、記述問題としてもよく出題される問題であるので、答えと合わせて覚えてしまおう。

IIIの細菌に関する小問集合について、問1の上の表は自分で書けるようになろう。この表の出題のほとんどが動物と菌類、植物の3つであることがである。問5,,11のように大腸菌の遺伝子的な特徴を問う出題は頻出であるが、教科書によっては遺伝子工学の範囲が詳しく取り上げられていないことがあり、大腸菌の遺伝子について詳細な記述がないものもある。きわめてよく出題される範囲であるので、資料集の知識まで完璧に押さえておきたい。

2009年度

大問1は免疫、細胞小器官とATP、動物の発生に関する問題。全体としてやや易~標準。

Iの免疫に関する問題について、問4のケに関して、B細胞のみが記憶細胞に分化すると間違って覚えている人がたまに見受けられるが、B細胞、T細胞ともに記憶細胞に分化するので注意したい。なお、問1の選択肢に見受けられる日本の研究者の方々は是非とも覚ええおいてほしい。

IIの細胞小器官とATPに関する問題については問3~6に関して述べる。問4で塩基の名称を聞かれているが、ATPがアデノシン三リン酸の略英称であることから、アデニンであると判断できよう。構造Aはアデニンであり、アデニンにリボースが結合したものをアデノシンという。これに三リン酸が結合してアデノシン三リン酸(ATP)になるのである。

IIIの発生に関する問題について、問5の正答であるホヤは原索動物であるので、ウニなどと同様、新口動物に属する。見た目は非常に原始的な生物であるが、新口動物に属する例としてよく問題集に書かれている。問6のフォークトの実験では、原稿から陥入していくのであるから、胞胚のころの各染色部分の順番は、陥入しても保たれることを意識すると解答が容易になる。

大問2は循環系、分子系統樹、遺伝に関する問題。

Iの循環系に関する問題について、問5で問われているが、赤血球は血液成分の一部であるため、結合組織の一種である。問8の血液凝固阻害法は非常に細かい知識であまり受験では問われることが少ないところである。問11の分子系統樹についてだが、分子進化の範囲の計算は複雑ではなく、出題もワンパターンなので、慣れてしまえば得点源になる。しっかりと演習しよう。

IIの遺伝に関する問題について、問1は性染色体異常と染色体数の本数異常、問2は一遺伝子遺伝、問3はABO、Rh血液型の遺伝、問4はハーディワインベルグの法則、問5は二遺伝子遺伝で完全連鎖、不完全連鎖両方の場合、問6は二遺伝子遺伝で致死遺伝子の問題と、ほぼすべての遺伝問題を扱っている。問1は考察が必要であるが、それ以外は典型的な問題なので必ず正答したい。

2008年度

大問1は植物の組織、両生類の発生、免疫、酸素解離曲線、生物用語に関する問題。全体として易~やや易。

Iの植物の組織に関する問題について、細胞周期の問題が問2に出題されている。細胞周期の問題は川崎医科大学では非常に出題率が高く、ほとんど毎年出題されている。必ずマークしておこう。また他の大学でも出題率が高い。個数の比=各期間の長さの比になる問うことを意識しながら解くと解答しやすい。

IIの両生類の発生に関する問題について、問2のグラフは全く関係なく、あいうえの文章を読むだけで答えられる。川崎医科大学の問題の特徴として、グラフや図が登場するものの、見なくても答えられるということが挙げられる。

IIIの免疫に関する問題は、とても簡単な実験考察問題。実験1,2からT細胞あるいはB細胞は単独では抗体産生細胞にはなりえないことを示し、実験3からT細胞とB細胞の両方が存在すると抗体産生細胞が出現することから、両方が共存したとき、どちらかあるいは両方が抗体を産生することが直ちにわかる。

IVの酸素解離曲線に関する問題はについて、問1は計算問題であるが、典型的な問題で、必ず得点したい。

Vの生物用語に関する問題について、カドヘリンは知らない人もいるかもしれないが、おそらく知らないであろうと思われるバイオリアクターとの二択になろう。バイオリアクターは機械であるという予想は優に立つだろうから正解するのは簡単。ただカドヘリンは問題によっては何の解説もなしに当然の知識として登場する場合があるので、これを機に覚えたいところ。

大問2は生物の分類と視覚期の構造と働きに関する問題。全体として易~やや易。

Iの生物の分類に関する問題について、問5,6の各動物の特徴を述べる問題は難しい。ここまで詳しくは教科書には書いていないので資料集などを用いて学習する必要がある。また、2012年度にも問6のような体腔に関する問が出題されているため、尚更勉強した方がいいだろう。思考力は全く問われない反面、完全に根気よく暗記するほかないところだ。

IIの視覚期の構造と働きに関する問題は、問7まではすべて典型的な基礎問題で易しい。問8はたまに見られる視覚期の構造唯一の計算問題で、教科書にはコラムなどとして載っていることが多い。これはただの直角三角形の相似問題であり、計算も難しくない。落ちついて解答したい。

 

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