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医学部受験の化学学習法 第1回
はじめに

はじめまして。本稿を担当する吉野です。
これから数回にわたり、受験化学を学習するにあたっての注意点を説明していきます。

現代はマニュアル時代と呼ばれているそうで、あらゆる分野において、How-toものが数多く出版されています。大学受験などはその最たるもので、書店に行けば『受験マニュアル』と題した本が100冊は見つかるのではないでしょうか。その中には似たようなことを書いてある本もあれば、奇をてらったような方法を推奨しているものもあり、受験生としては迷うことも多いと思います。

では、どの方法が最良なのか?
結論としては、どれも正しいのだと思います。Aという本が推奨する方法で成功する人もいれば、Bで成功する人もいる。逆に失敗する人もいるでしょう。要するに、それぞれの方法に向き不向き、好き嫌いがあるのです。
例えば、「勉強なんて、ひたすら苦痛を耐えていくことだ。」という考え方もあれば、「たとえ受験勉強といえども、その中に少しは楽しみや面白さを見つけたい」という考え方もあります。両者それぞれが、それぞれの学習方法を模索していけばよいのだと思います。

さらに重要なのは、学習方法は学習者の能力に応じて変えなければならないということです。ここでいう学習者の能力とは、現時点での偏差値や知識だけではなく、むしろそれ以上に、学習に必要な能力(具体的には次回以降に説明)です。「化学の勉強にはどのくらい期間がかかりますか?」という質問をよく聞かれますが、私は「中学程度の知識からスタートする場合、3ヶ月~2年以上」と答えています。
人が20年近く生きてきたのですから、日々の積み重ねによりそれぞれの能力には大きな差がついています。同じ文章を読んでも、要点を理解できる生徒もいればできない生徒もいます。ですから、ある生徒がある参考書を使って学習してそれで成功したとしても、別の生徒がそれと同じ方法で学習しても必ず同じ成功が得られるとは限らないわけです。生徒それぞれの能力に見合った学習方法、学習ペースを考えることこそが重要と考えます。

世の中には、「高校時代の勉強なんて社会に出てからは何の役にも立たない」という意見を持っている方も多いようです。確かに、高校~大学受験で得られる知識の9割以上は、その後の人生において何の役にも立たないでしょう。しかし、勉強で得られる最も重要なものは、知識そのものではなく、勉強をするのに必要な頭脳です。大人になってからも、それぞれの職業に必要な知識をつけるために勉強することが多いでしょう。何らかの資格をとるために試験を受けることもあります。そのときに使う能力の基本を中高生の間に身につけるのは、大きな価値があると考えます。
伸盛りの若者が、貴重な年月を費やすのですから、多少なりともその成長に資するような学習をするべきであるというのが私の考えです。そのためには、極端な学習方法に頼らず、できる限り自然に、必要な知識を習得できるように心がけてほしいと思っています。

医学部受験の化学学習法 記事一覧

  1. はじめに
  2. 偏差値50まで
  3. 偏差値50まで(理論化学)
  4. 偏差値50まで(無機化学・有機化学)
  5. さらに上位レベルへ
吉野 由宏

吉野 由宏

京都大学理学部卒、専攻は化学。名門会、St.Mepres、などで非常勤講師。指導科目は、数学・化学

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