Vol.14 AO入学試験、推薦入学試験を受ける人へ②
3) 勉強計画を立てるにあたって注意するべきこと
Vol.13で説明したように、AO入学試験、推薦入学試験は、1)合格発表から一般入学試験までそれほど時間がない。2)内容が一般入学試験と比べて狭く、難易度もそれほど高くない。という特徴がありました。ゆえに、AO、推薦入学試験の対策ばかりに集中していると万が一落ちた場合、1か月程度で準備をしなくてはならなくなり、非常に大変になります。
そこで、AO、推薦入学試験を受験する場合は、遅くとも夏休みまでに数学・理科の全範囲を一通り終わらせておくようにすることが大切です。そして、夏休みに標準問題を解き、推薦入学試験の準備をしながら、一般入学試験の対策ができる状態を作っておくことが大切です。
- 数学
- 数学の勉強法で述べているように、数学は基本事項が一通りできていないと標準的内容に入ることができません。標準問題の組み立て方や解き方を学ぶのが、1対1対応や標準問題精講のような入試導入書です。
遅くとも夏休み終了までに数学ⅠAⅡBの入試導入書と数学Ⅲの基本事項の演習をしておくことが目標です。 - 英語
- 9・10・11月には一通りの英文法・長文読解の演習が終わっていることが必要です。この時点で文法に穴があったり、長文を読むのに必要な英単語が足りないという事では困ります
- 理科
- 夏休みまでに教科書レベルの内容は全て終わっているようにしてください。公立高校などでは授業の関係上、10月頃にならないと理科の全範囲が終わりませんが、そうすると、入試までの時間が短すぎますので、夏休終了までに先取りで履修しておき、必修整理ノートや傍用問題集などを使って基本問題は解けるようすることです。また、夏休みまでに終わった範囲については、駿台理系標準問題集や重要問題集のA問題などで入試実戦レベルの問題に触れておくと良いでしょう。
夏休みまで | 夏休み | 9・10・11月 | |
---|---|---|---|
数学 | 教科書事項Ⅲまで 入試導入書ⅠAⅡB |
入試導入書Ⅲ ⅠAⅡBの復習 |
推薦入試過去問 入試導入書Ⅲ ⅠAⅡBの入試レベルの演習 または弱点強化 |
英語 | 英文法の完成 英単語の完成 長文読解の完成 |
英文法問題集 長文読解演習 |
推薦入試過去問 英単語見直し 一般入試過去問 力試しでセンター過去問 |
理科 | 講義集や教科書による先取り学習 必修整理ノートや傍用問題集による演習 |
先取り学習による全範囲網羅 必修整理ノートの残り 理系標準問題集などによる演習 |
推薦入試過去問 復習・知識整理(化学・生物) 理系標準問題集や重要問題集による演習。 |
4) 過去問が手に入らない人へ
推薦入学試験の過去問が手に入らない人は、一般入学試験の過去問を解くと効果的なことが多いようです。特に英語は似た傾向になる事が多いようです。岩手、愛知、藤田、兵庫、近畿に関しては似た問題が出題されていることが確認できています。
ただし、難易度は推薦入試の方がやや低め、です。
5)学校や塾に相談して、小論文、面接対策をしてもらおう
推薦入学試験では、一般入学試験に比べて小論文、面接のウエイトが大きくなります。本来は人物評価による採用ですのでそうした傾向が強くなるのです。
6)推薦入試に落ちても、年末まで評定平均にこだわろう。
現役のときに推薦入学試験に落ちてしまっても、年末まで頑張って評定平均値を上げましょう。1浪で受験できる大学もありますし、一般入試に集中してしまって評定平均が下がってしまった結果、浪人のときに推薦入試を受けられなかったという人もいます。
逆に、珍しいパターンですが、現役で受けられなかった大学を浪人の時に受けて合格したという人もいます。少しの可能性でも最後まで残しておく人が勝つのです。