Vol.17 2015年度 全国 国立大学医学部&東大・京大進学者数ランキング
今年も私立一貫校の強さが際立つ結果となりました。東海・ラサール・開成・洛南・甲陽学園・灘・久留米附設・桜蔭・昭和薬科・東大寺と、TOP10は全て私立一貫校、11位以下も17校中13校が私立となりました。
原因は私立一貫校は早くから受験対策ができる事につきます。上位の私立一貫校では高校2年にはすべての教科を一通り終わらせている高校も多く、また、経験豊富な進路指導部の存在なども進学実績につながっていると考えられます。
順位 | 学校名 | 地域 | 私立 公立 | 2011 年度 | 2012 年度 | 2013 年度 | 2014 年度 | 2015 年度 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 東海 | 愛知 | 私立 | 95 | 99 | 101 | 114 | 97 |
2 | ラサール | 鹿児島 | 私立 | 69 | 78 | 81 | 97 | 80 |
3 | 開成 | 東京 | 私立 | 48 | 56 | 53 | 61 | 78 |
4 | 洛南 | 京都 | 私立 | 45 | 78 | 87 | 88 | 70 |
5 | 甲陽学園 | 兵庫 | 私立 | 41 | 53 | 48 | 66 | 67 |
6 | 灘 | 兵庫 | 私立 | 88 | 74 | 91 | 63 | 66 |
7 | 久留米大附設 | 福岡 | 私立 | 57 | 54 | 63 | 59 | 64 |
8 | 桜蔭 | 東京 | 私立 | 48 | 44 | 42 | 45 | 63 |
9 | 昭和薬科大付属 | 沖縄 | 私立 | 29 | 35 | 45 | 43 | 62 |
10 | 東大寺学園 | 奈良 | 私立 | 49 | 72 | 64 | 82 | 58 |
11 | 愛光 | 愛媛 | 私立 | 39 | 44 | 52 | 50 | 57 |
12 | 札幌南 | 北海道 | 公立 | 46 | 34 | 48 | 44 | 54 |
13 | 大阪星光学園 | 大阪 | 私立 | 38 | 53 | 24 | 44 | 52 |
13 | 西大和学園 | 奈良 | 私立 | 51 | 39 | 47 | 44 | 52 |
14 | 広島学院 | 広島 | 私立 | 42 | 51 | 46 | 31 | 46 |
14 | 洛星 | 京都 | 私立 | 36 | 36 | 44 | 41 | 46 |
15 | 海城 | 東京 | 私立 | 23 | 29 | 42 | 36 | 43 |
16 | 熊本 | 熊本 | 公立 | 48 | 49 | 55 | 35 | 42 |
16 | 滝 | 愛知 | 私立 | 31 | 32 | 41 | 33 | 42 |
17 | 岡山白陵 | 岡山 | 私立 | 38 | 28 | 35 | 37 | 40 |
18 | 青雲 | 長崎 | 私立 | 55 | 50 | 52 | 49 | 39 |
18 | 高田 | 三重 | 私立 | 39 | 44 | 39 | 38 | 39 |
19 | 四天王寺 | 大阪 | 私立 | 45 | 44 | 59 | 50 | 38 |
19 | 高松 | 香川 | 公立 | 26 | 21 | 22 | 32 | 38 |
20 | 渋谷教育学園幕張 | 千葉 | 私立 | 19 | 31 | 28 | 24 | 37 |
20 | 豊島岡女子学園 | 東京 | 私立 | 31 | 25 | 31 | 28 | 37 |
20 | 清風南海 | 大阪 | 私立 | 32 | 24 | 33 | 21 | 37 |
国公立大学医学部合格者数は、2014年度より数を減らしたものの、今年も東海高校が全国1位の座をキープ、ラサールも2位をがっちりと守り、2014年と1位・2位の変動はありませんでした。2014年に3位だった洛南高校は、ここ5年順調に実績を伸ばしている開成高校に抜かれ4位に、開成は2011年の7位から3位へ上昇しました。
開成は医学部志向より東大志向の強い高校ですが、昨今の経済的不安(景気は表向き回復しているものの、少子化、財政状況の悪化から、日本経済の見通しは必ずしも明るくない)などから医学部熱が高まっていると推測されます。
他に、目につくのが昭和薬科大学附属高校。2011年の29名から2015年には62名となり、合格者数を倍以上に伸ばしました。沖縄を代表する進学校として年々その存在感が増してきています。
逆に、ランキングを落としてしまっているのが長崎青雲高校、2011年の55名以降、2015年まで年々合格者数が減り、2015年には39名まで落ち込んでしまいました。順位も7位から18位まで下がってしまい、同じ九州のラサールとの差がくっきりと現れています。数少ないTOP20に入る公立高校として、復活に期待です。
順位 | 学校名 | 地域 | 私立 公立 | 卒業生数 | 国公立大学 合格者数 | 国公立医学部 進学者割合 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ラサール | 鹿児島 | 私立 | 224 | 80 | 35.70% |
2 | 甲陽学園 | 兵庫 | 私立 | 195 | 67 | 34.40% |
3 | 久留米大付設 | 福岡 | 私立 | 199 | 64 | 32.20% |
4 | 灘 | 兵庫 | 私立 | 219 | 66 | 30.10% |
5 | 昭和薬科大附属 | 沖縄 | 私立 | 219 | 62 | 28.30% |
6 | 北嶺 | 北海道 | 私立 | 121 | 33 | 27.30% |
7 | 桜蔭 | 東京 | 私立 | 232 | 63 | 27.20% |
8 | 東大寺学園 | 奈良 | 私立 | 218 | 58 | 26.60% |
8 | 広島学院 | 広島 | 私立 | 173 | 46 | 26.60% |
9 | 愛光 | 愛媛 | 私立 | 223 | 57 | 25.60% |
10 | 大阪星光学園 | 大阪 | 私立 | 207 | 52 | 25.10% |
11 | 金沢大附属 | 金沢 | 公立 | 126 | 30 | 23.80% |
12 | 東海 | 愛知 | 私立 | 424 | 97 | 22.90% |
13 | 岡山白陵 | 岡山 | 私立 | 179 | 40 | 22.30% |
14 | 洛星 | 京都 | 私立 | 220 | 46 | 20.90% |
15 | 開成 | 東京 | 私立 | 399 | 78 | 19.50% |
16 | 青雲 | 長崎 | 私立 | 231 | 39 | 16.90% |
17 | 西大和学園 | 奈良 | 私立 | 325 | 52 | 16.00% |
18 | 白陵 | 兵庫 | 私立 | 189 | 30 | 15.90% |
19 | 鶴丸 | 鹿児島 | 公立 | 189 | 30 | 15.90% |
20 | 札幌南 | 北海道 | 公立 | 341 | 54 | 15.80% |
※合格者割合は文系を含めた全校生徒数に対する割合です。特進クラスや選抜クラスのような特定のクラスを考えた場合は必ずしもこの順位通りにはなりません。そうしたクラスについては、学校説明会、あるいは地元の進学塾などにお問い合わせください。
合格者数では5年連続1位をキープした東海高校ですが、卒業生に対する合格者割合では12位と去年の6位から大きく後退しました。一方、去年1位だったラサールが今年も1位をキープ、3位の甲陽学院が2位に上昇し、4位の久留米附設が3位に、5位の灘が4位へとそれぞれ上昇しました。
2014年度入試で2位にいた東大寺学園は失速して8位、7位の青雲は16位へ後退しました。西の御三家、岡山白陵も8位から13位に後退するなど元気がなく、来年の巻き返しに期待したいところです。
一方で新しく上位に食い込んできたのが北嶺と昭和薬科大学附属の2校、それぞれ北海道と沖縄という、日本の北端と南端の進学校ですが、大きく躍進して、去年の灘・東海が占めていた5位・4位に食い込んできました。こうした下剋上があると、楽しいですね。
順位 | 学校名 | 地域 | 私立 公立 | 2013 年度 | 2014 年度 | 2015 年度 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 開成 | 東京 | 私立 | 153 | 141 | 183 |
2 | 東海 | 愛知 | 私立 | 134 | 146 | 141 |
3 | 甲陽学園 | 兵庫 | 私立 | 88 | 121 | 120 |
3 | 東大寺学園 | 奈良 | 私立 | 108 | 126 | 120 |
4 | 灘 | 兵庫 | 私立 | 142 | 143 | 119 |
5 | 西大和学園 | 奈良 | 私立 | 104 | 101 | 114 |
6 | 洛南 | 京都 | 私立 | 134 | 140 | 104 |
7 | ラサール | 鹿児島 | 私立 | 101 | 115 | 100 |
7 | 大阪星光学園 | 大阪 | 私立 | - | 94 | 100 |
8 | 桜蔭 | 東京 | 私立 | 77 | 77 | 95 |
9 | 洛星 | 京都 | 私立 | 84 | 86 | 91 |
10 | 久留米大附設 | 福岡 | 私立 | 86 | 78 | 90 |
11 | 愛光 | 愛媛 | 私立 | 65 | 63 | 71 |
12 | 渋谷教育学園幕張 | 千葉 | 私立 | - | - | 70 |
13 | 昭和薬科大附属 | 沖縄 | 私立 | 48 | 46 | 69 |
14 | 北野 | 大阪 | 公立 | - | - | 68 |
14 | 学芸大学附属 | 東京 | 公立 | - | - | 68 |
15 | 海城 | 東京 | 私立 | 63 | 60 | 66 |
15 | 広島学院 | 広島 | 私立 | 73 | - | 66 |
16 | 清風南海 | 大阪 | 私立 | - | 56 | 65 |
17 | 駒場東邦 | 東京 | 私立 | - | - | 67 |
18 | 膳所 | 滋賀 | 公立 | - | - | 65 |
19 | 札幌南 | 北海道 | 公立 | 57 | 57 | 61 |
20 | 岡崎 | 愛知 | 公立 | - | - | 60 |
続いて、全国、国公立医学部+東京大学・京都大学合格者数のランキングになると、勢力図ががらっと変わってきます。上位はさすがにそれほど変わらない高校が並びますが、1位は開成高校。2位の東海高校と40人以上の差をつけて堂々トップに躍り出ました。
10位以下は、国公立医学部合格者数ランキングに名を連ねなかった高校が入ってきています。まず、渋谷教育学園幕張、渋谷教育学園はここ数年着実に力を付けてきている高校で、毎年のように東大・京大の合格者数を増やしています。そして、管理人の地元、岡崎高校。地元の高校が入ると嬉しいですね。
他にも北野・学芸大付属・駒場東邦・膳所などがランキングに入ってきています。しかし、全体的に私立高校が上位を占めている状況は変わらず、このランキングでも一貫校の強さが見て取れます。
順位 | 学校名 | 地域 | 私立 公立 | 卒業生数 | 国公立医学部+ 東大・京大理系 合格者数 | 国公立医学部+ 東大・京大理系 合格者割合 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 甲陽学園 | 兵庫 | 私立 | 195 | 120 | 61.50% |
2 | 東大寺学園 | 奈良 | 私立 | 218 | 120 | 55.00% |
3 | 灘 | 兵庫 | 私立 | 219 | 119 | 54.30% |
4 | 大阪星光学園 | 大阪 | 私立 | 207 | 100 | 48.30% |
5 | 開成 | 東京 | 私立 | 399 | 183 | 45.90% |
6 | 久留米大附設 | 福岡 | 私立 | 199 | 90 | 45.20% |
7 | ラサール | 鹿児島 | 私立 | 224 | 100 | 44.60% |
8 | 洛星 | 京都 | 私立 | 220 | 91 | 41.40% |
9 | 桜蔭 | 東京 | 私立 | 232 | 95 | 40.90% |
10 | 広島学院 | 広島 | 私立 | 173 | 66 | 38.20% |
11 | 西大和学園 | 奈良 | 私立 | 325 | 114 | 35.10% |
12 | 東海 | 愛知 | 私立 | 424 | 141 | 33.30% |
13 | 北嶺 | 北海道 | 私立 | 121 | 40 | 33.10% |
14 | 愛光 | 愛媛 | 私立 | 223 | 71 | 31.80% |
15 | 昭和薬科大附属 | 沖縄 | 私立 | 219 | 69 | 31.50% |
16 | 金沢大附属 | 金沢 | 公立 | 126 | 37 | 29.40% |
17 | 駒場東邦 | 東京 | 私立 | 229 | 67 | 29.30% |
18 | 岡山白陵 | 岡山 | 私立 | 179 | 48 | 26.80% |
19 | 白陵 | 兵庫 | 私立 | 189 | 48 | 25.40% |
20 | 海城 | 東京 | 私立 | 276 | 66 | 23.90% |
※合格者割合は文系を含めた全校生徒数に対する割合です。特進クラスや選抜クラスのような特定のクラスを考えた場合は必ずしもこの順位通りにはなりません。そうしたクラスについては、学校説明会、あるいは地元の進学塾などにお問い合わせください。
さて、進学情報として最も意味があるのが、このランキング。国公立+東大・京大(理系)合格者割合ランキングです。昨年2位の甲陽学園が1位に、1位の灘が3位となりましたが、それぞれ50%以上の学生をこれらの大学に送り出しており、灘は昨年より10ポイントほど下落したものの(昨年65%)、いまだに高い割合を保っています。
東大寺学園は国公立大学医学部ランキングの8位から、ここでは2位に浮上。去年は国公立大学医学部で2位、国公立大学医学部+東大・京大(理系)ランキングで3位と両方で高い順位にあったことから、今年は医学部よりも東大・京大に進学した人の割合が高かったことがうかがえます。
開成は昨年の10位から5位へ浮上、関東の雄としての面目を果たしたと言えるでしょう。
東海は12位、私の地元高校は圏外となり、かなり悲しい結果に・・なってしましました。
しかし、今年も関西勢の強さが際立った結果となりました。この傾向はこれからも続くでしょうし、従って関西の中学校入試の競争はますます加速すると予想されます。