第二回:時間を決めて取り組む、時間が来たら途中でもやめる
ざっくりいうと
- ① 勉強時間の終わりはしっかり決める。
- ② 小さな無理の蓄積は大きな被害をもたらす。
- ③ 1日何問解く、という計画は破綻する。
- ④ 1か月に2日リフレッシュ休暇を取るべき。
- ⑤ 継続すればできることが増えていく。
勉強時間が終わりに近づいてくると、「これもやりたい、あれもやりたい、まてよ。もう一問解いてみたい。」そんな気持ちに襲われることがありますよね。他の仕事でも同じだと思います。会社の退社時間が近づくにつれて頭がさえてくる現象です。
実はこれは心理学的に証明されているもので、ほとんどの人がそうなのです。作業が終わる時間に近づくにつれて集中力が増え、集中力がなかったころに比べて作業効率が上がるため、ついずるずると時間を延長してやってしまうのです。
集中力が上がっているのだから、どんどんやればいいじゃないか。と思うかもしれません。ですが、社会人受験生は、受験以外の生活があります。それは会社での仕事だったり、家庭での役割だったりと様々ですが、高校生のように受験があるからやめると言うわけにいかない共通点があります。
したがって、勉強時間を23 時まで、と決めていたのに、少し頑張って24 時までやってしまったとすると、寝る時間が1 時間遅くなるのに次の日の出社時間は変わらないので、その分睡眠時間が1時間削れてしまいます。
40 代前半くらいまでの年齢なら、1 日くらい睡眠不足でも問題ないかもしれません。でも、それが続くと徐々に体に疲労が蓄積して、1 日中けだるい気持ちになるようになり、勉強していても全く効率が上がらない、悪くすると教科書を広げてぼんやりしているだけ、などということになりかねません。
大脳生理学によると、勉強したことを定着させるためには1 日最低5 時間の睡眠が必要だと言われています。
また、睡眠不足になれば仕事にも支障をきたし、周囲からの評価が下がって勉強を続けるのが難しくなってしまうでしょう。周りからの支援があるのとないのとでは大違いです。
睡眠不足だと・・・・。
職場からの評価が低下
学習効率も低下
結局増えるのは自分と周りのフラストレーションだけ・・・・。
仕事(あるいは家事など、受験以外の生活)と受験勉強を両立するためには、決めた時間に始め、決めた時間に終わるようにすることです。極端な話ですが、問題を考えたり、解答を書いている途中でもやめてしまうくらいの決断力が必要です。また、勉強をしている時は他の事に気を取られないようにすることも重要です。
こういう事を言うと、職場から電話がかかってきたら・・・などと言われる方もいますが、休日や終業後も仕事に束縛されるほど、仕事が大切だと思うのなら、受験は考え直して、その仕事を極めてはどうでしょうか・・。
また、仕事も勉強もやらない日を1 ヶ月に2 日程度は作るようにしましょう。人間は学んだことを整理するのに睡眠や休息を必要とする生き物です。休息を取ると、勉強しなくてはいけない、というプレッシャーに襲われると思いますが、時間を決めて、しっかり休むことが大切です。ですが、休息も、時間が来たら切り上げる。そういう姿勢が大切です。時間をマネジメントすることが大切です。
毎日しっかりと休息を取り、バランス良く、効率を最大化する。
最初に計画を立てるときは、毎日これだけの問題を解く、と言う風に決めてしまいがちですが、何をするのか分かっている作業なら別として、今まで知らなかった事を学ぶのですから、そういう形の予定は立たないはずです。一日何時間勉強をする、と言う形で決めて、毎日それを続けることが最も大切です。
そして、継続は力なりと言いますが、続けているうちにだんだんやれることが増えてきて勉強の効率は良くなっていきます。手漕ぎボートや自転車を漕ぐとき、最初はオールやペダルが重くて対して前に進まないけど、だんだん軽くなって、スピードもついてくるのと同じです。また、周りに協力者や理解者が増えてきてやりやすくもなっていきます。
まずは1 か月、そして3 か月、半年、同じペースで続けることができることを目指しましょう。