有機化学速修パワーアップ講義
- 出版社
- 河合出版
- 種類
- 参考書・教科書調
- 著者
- 小川祐司
- 難易度
- 入試標準
159ページ・CHECK 97問・必修例題 17問
書評
教科書事項の復習に相当する97問のCHECKと、入試の標準問題に相当する17問の必修例題からなる。有機化学の重要事項をコンパクトにまとめた本。
必修例題は入試の標準問題として出題されやすい良質な問題であるが、後半にはやや難しめの問題も含まれている。
「鎌田の有機化学の講義」が類書として挙げられる。必修例題の難易度と「鎌田の有機化学の講義」の練習問題の難易度はほぼ同じである。
本書は、有機化学を、炭素骨格の形状+官能基の性質で分類していく方法で考え、物質ひとつひとつの性質を覚えるよりも、官能基の性質を覚えることで問題を解けるようにすることを意図している。つまり、基本から教えようというのではなく、基本知識がある人の知識を体系化し、効率よく問題を解く方法を学ばせることが本書の目的である。
そのため、教科書の知識があらかじめ記憶できていないと理解しにくいだろう。そのレベルに不安があるのなら、教科書をよく読んだ後で「リードLIGHTノート化学」や「化学の必修整理ノート」などを使ってしっかり覚えてから本書に取り組んだ方が良い。
また、本書のみでは問題数が少なく演習が不足するため、「セミナー化学」や「重要問題集」あるいは駿台文庫の「有機化学演習」などを使って演習量を補っておきたい。
目次
- 1.有機化学の基礎
- 2.官能基
- 3.脂肪族炭化水素
- 4.アルコールとエーテル
- 5.アルデヒドとケトン
- 6.カルボン酸とエステル
- 7.カルボン酸関連化合物
- 8.油脂
- 9.芳香族炭化水素
- 10.酸素を含む芳香族炭化水素
- 11.窒素を含む芳香族化合物
- 12.有機化合物の分離
- 13.糖類
- 14.アミノ酸、たんぱく質
- 15.生活と物質
- 16.生命と物質