黄チャート チャート式解法と演習数学I/A/I+A/II/B/II+B/III
- 出版社
- 数研出版
- 種類
- 参考書・問題集・教科書調
- 著者
- チャート式編集部
- 難易度
- 教科書例題~入試基本問題+α
書評
教科書事項を一通り学んだあと、基礎力を徹底しながら入試の初級レベルまでの演習をするのに適する。一部の生徒には「青チャート」より人気がある。
基本的な知識を入試の基本問題に応用する方法を学ぶには適した本で、上位私立大学や上位国立大学医学部入試に直結させるには難易度不足だが、中堅私立大学や地方国立大学医学部ならこの本で十分。基本を固めたい人も、「白チャート」をぱらぱらとめくってみて簡単すぎて物足りなさを感じる人は、こちらを選択すると良いだろう。
しかし、この本はやった人は多いが、意外とマスターできた人が少ない参考書の一つで、そうなってしまう理由は、高校数学全体を網羅しているが、問題数もページも多いため、この本を繰り返して全体をつかむのに時間がかかることと、教科書事項が大体理解できている人向けに書いてあるため、解説がややあっさりしているのに、教科書事項がほとんど身についていない人が使用していることだ。
この本を手にするのは高校2年生の夏休みまで、それ以降に手を出すのは、数学が得意で、問題を解くのが好き、と言う場合を除いてやめた方が良い。ボリュームが多すぎて手におえない可能性がある。
この本をマスターできたら「1対1対応の数学」や「標準問題精講」のような導入書を経て大学入試の過去問を解く。
数学の基本が分かっていない人は、無理してこの本だけで勉強しようとせず、「高校これでわかる数学」や、「やさしい高校数学」のような参考書、あるいは「坂田アキラの数学がおもしろいほどわかる/とける本」などと並行して進めるか、この本を諦めて「白チャート」をやった方が良いだろう。