やさしい理系数学
- 出版社
- 河合出版
- 種類
- 問題集・教科書調
- 著者
- 三ツ矢和弘
- 難易度
- 入試標準問題~入試標準問題+α
書評
「1対1対応の数学」や「標準問題精講」のような入試問題への導入書を終わらせた後で取り組む問題集。「理系数学の良問プラチカ」より難易度が高く、問題数が少ない。その代わり、別解が豊富に載っている。
一通り問題を解くための手法は知っているが、解法技術の幅を広げたいという人におすすめ。つまり、数学が好きで、まあまあ得意で、1対1対応に載っている解法はほぼ理解できているという人にはよい。ただし、解説はそっけない。解説の後に話題を広げてくれるプラチカの方が読んでいて面白い。
本書の「やさしい」の意味は、教科書レベルの、とか、詳しい解説が載っている、という意味ではない。本書の姉妹書「ハイレベル理系数学」と比べてレベルが優しいという意味。本書がマスターできれば、だいたいの大学の入試問題で合格点を取れる力がある。
問題は大学入試の過去問題から幅広く選ばれているので、やや古い問題も混ざっている。
本書と似た問題集に、「理系数学の良問プラチカ」「大学入試攻略数学問題集」「厳選大学入試攻略数学問題集理系262」(全て河合出版)がある。
プラチカは本書と比較されることが多いが、解説に相当する話題と研究がしっかりしており、問題の一般形やバックグラウンド、関連事項まで載っているが、別解は少ない。大学入試攻略数学問題集は、その年度の大学入試問題の中から標準的な問題を選んだもので、入試問題のトレンドを知るのによい。厳選大学入試攻略数学問題集理系262は、過去20年分の大学入試攻略数学問題集の中から、演習効果の高い問題を選んだものである。