良問の風 物理頻出・標準入試問題集
- 出版社
- 河合出版
- 種類
- 問題集・教科書調
- 著者
- 浜島清利
- 難易度
- 入試標準
書評
この本は教科書事項を一通り終わった後で、標準的な入試問題の解き方に慣れるための本で、標準的な良問を通して物理の問題の解き方や物理の考え方を学ぶことができる。
本書を解こうとしてすぐにつまずいてしまうようであれば、基礎の理解が不十分と考えられる。同じ筆者の物理のエッセンスや橋本流解法の大原則のような導入書を読み直すか、らくらくマスター物理などの基本問題集を一通りやり直してから取り組むと良い。
中堅私立大学医学部や地方国立大学の合格に手が届くレベル問題集だ。エッセンスと本書を繰り返し演習して過去問に進めば、合格するために十分な力を身に付けることができる。
しかし、収録問題数は148問のみであり、重要実験が全て網羅されているわけではない。冒頭に書いたように、この本は「標準的な物理の問題を解くために必要な考え方」を学ぶための本なので、抜けている部分については、学校で配られるリードαやセンサー、あるいはらくらくマスターなどの網羅系問題集と同時に取り組むと良いだろう。
時間があるなら旺文社の基礎問題精講か体系物理、あるいは本書の上位書に当たる名門の森をやると引き出しが増えるだろう(基礎問題精講には斜めに光が入射した場合のヤングの実験など、本書には出てこないが中堅私大医学部で出題されたことのある問題が収録されている。【難易度は基礎問題精講<名門の森<体系物理)標準問題精講は難しすぎるのでやらなくてよい)。また、十分に力がついていないのに他の問題集に進んでも無駄なので、本書が大体理解して解ける。というレベルでないのなら、エッセンスと本書を徹底的にやり込んだ方が良い。
上位私立大学医学部や都市部の国立大学医学部を目指す人は、本書はスタート地点に過ぎない。シリーズの上位書である名門の森まで仕上げ、重要問題集(のB問題)や難系物理、新物理入門問題演習などを使ってより難易度が高く、長大な文章の問題に慣れていくとよい。
目次
力学
- 速度と加速度6問、剛体の釣り合い5問、運動の法則9問、エネルギー保存則4問、運動量保存則5問、保存則4問、慣性力3問、円運動6問、単振動6問、万有引力3問
熱
- 比熱13問・熱容量5問、熱力学3問
波動
- 波の性質6問、弦・気柱の共鳴3問、ドップラー効果6問、反射・屈折の法則3問、干渉10問
電磁気
- 静電気・電場と電位5問、コンデンサー7問、直流回路10問、電流と磁場3問、電磁誘導9問、交流4問、電磁場内の荷電粒子4問
原子
- 粒子性と波動性3問、原子構造3問、原子核6問