二宮 拓哉

久留米大学医学部医学科は、九州にある私立大学の1つです。一次試験は久留米市の本学以外に、東京で受験することができますが、同じ九州の私立大学である福岡大学に比べて会場数が少なく、地方受験者にとってはやや敷居の高い大学と言えるでしょう。

そのため、2016年度入試では福岡大学の受験者数が2416名だったのに対し、久留米大学は1805名と受験者数が少なく、倍率も福岡大学16.2倍に対して久留米大学10.9倍と低くなっています。

ただし、2017年度の一次試験は2月1日に実施され、福岡大学の前日、日本大学N方式、東北医科薬科大学と同一日程です。2016年度入試は日本大学N方式と東北医科薬科大学以外に帝京大学と重複していました。関東圏で人気のある帝京大学との重複が無くなったことで、今年は受験者数がやや増加する可能性があります。

久留米大学医学部の一般入試数学について、メルリックス学院福岡校の二宮先生にお話を伺いました。

――入試まであとちょうど1か月です。受験生の皆さんもラストスパートで、今まで学んできたことを実戦力に変えていく時期になってきたと思います。今回は久留米大学医学部の英語入試を突破するために必要なことについて伺いたいと思うのですが、まず、久留米大学医学部の英語の形式や特徴について教えてください。

二宮: 久留米大学の英語は、毎年ほぼ同形式の問題が出題され、それは今後も続くと考えられます。具体的には、長文読解が3題、会話文完成問題が1題、誤文訂正問題が1題、短文完成形式の文法問題が1題、そして発音・アクセント問題が1題の計7つの大問構成です。出題形式が変わらない以上、まずは過去問演習を通して久留米大学の英語に慣れることが必須です。

――長文、会話文、誤文訂正、発音アクセントと、センター試験のようにバリエーションに富んだ出題ですね。この中で一番難しいのは何でしょうか。

二宮: 長文読解ではないでしょうか。文章の長さが短めである一方、高度な語彙レベルが必要とされます。長文中の空所補充問題でも、単なる品詞の知識だけでなくコロケーションや語法から答えを導かなくてはならないものが多く含まれます。日頃の勉強から、各単語の意味を1つ覚えるだけで満足せず、それらの語法や類義語まで範囲を広げて暗記する必要があります。

――なるほど、難易度が高そうですね。そうすると、得点を取るためには解答手順に気を付けなくてはならなさそうです。

二宮: その通りです。解答手順としては、やはり発音・アクセント問題や短文完成問題、誤文訂正問題から先に片付けて、残り時間を全て長文問題に掛けるのが良いと思います。ただし文法問題においても、長文問題と同様かなり高いレベルの語彙力が問われるものが多々あります。久留米大学の英語は、制限時間に対して問題数がやや多めの構成になっているので、このような問題にあまり時間を掛け過ぎないこともひとつのポイントです。「長文問題には最低でも◯分残しておく」といった具合に事前に具体的な時間配分を決めておくと良いと思います。

――なるほど、すると文法や発音・アクセント問題、短文完成問題、誤文訂正問題で点数を稼げないと厳しそうですね。

二宮: もう一つ。会話文問題もしっかりと対策しなければなりません。会話文においては、文法を無視した特有の言い回しが多々ありますので、その場で考えても答えが出ない場合が存在します。センターを始め他大学の会話文問題を用いて、確実に暗記しておく必要があります。

――ありがとうございます。出題形式は記述・マークのどちらでしょうか。

二宮: 久留米大学の英語は、主にマーク式ですが、少々訳しにくい和訳問題や和文英訳問題も出題されます。それぞれ採点のポイントである重要構文や、関係詞や分詞を用いた修飾関係等をしっかりと押さえて解答しなければなりませんし、それが採点者に伝わる解答を書く訓練が必要です。日頃から実際に書いて、そして添削してもらうことを繰り返すことが重要です。

――最後に、久留米大学医学部英語を突破するために必要な対策を教えていただけますか。

二宮: そうですね。いろいろな状況の人がいると思いますので、一般論を言うのは難しいのですが、私が日々の授業で大切にしていることを代わりにお話ししようと思います。それは、「何故これが正解なのか」だけでなく、「何故他の選択肢が正解ではないのか」にまでこだわって生徒に考えてもらうことです。解いた問題数でその日の学習量を測る生徒がよくいますが、問題を解くことと、それを採点することまでは学習ではなく単なる作業であると私は考えています。間違えた問題では、何故選んだ選択肢ではいけなかったのかの確認や、そこで浮かび上がった苦手単元の復習をすることが本当の学習です。

――よくわかります。問題を解く事が勉強のように思っている人がいますが、問題をたくさん解いても、自分がその時点で持っている知識を問題に当てはめることに慣れただけで、一つも知識が増えていないなら、何の意味もありませんね。

二宮: そうです。問題を解いた結果、新しい知識が得られなければ意味がありません。正解した問題でも、他の選択肢はそれぞれどこがいけなかったのか、他に言い換え可能な表現はないかの確認、本当に無駄のない解法手順を踏めていたのかの確認など、できることはたくさんあります。このような本当の意味での学習をするか否かで、例え解いた問題数は同じであっても、そこから得られる知識量は桁違いに変わってきます。

時間的制約が比較的厳しく、なおかつ高い語彙力が必要な久留米大学の英語においては、このような、本当の学習を積んできたかどうかが大いに問われます。

特に誤文訂正問題においては、日頃から正解のみを選ぶことに終わらず他の選択肢や文全体に目を通して学習しているかが、如実に点数に現れます。

――ありがとうございました。