ハンガリーは人口約1千万人の中央ヨーロッパの国で、ハンガリー平原と呼ばれる大きな平原地帯を中心とし、それを横切るようにドナウ川がゆったりと流れています。

ハンガリーはヨーロッパでも有数の温泉地帯で、ローマ帝国時代から数多くの公衆浴場が建設されるなど、観光地として有名で、現在もヨーロッパ各地から観光客がやってきます。珍しい温泉湖であるヘーヴィーズ湖は、湧き出す温泉の湯で4.4ヘクタールの湖の水は48時間ですべて入れ替わると言われています。

肥沃な平原を有していること、大国に隣接していることなどの理由から、古代から繰り返し異民族の侵入と定着を受けてきましたが、そうした経験の中で、多様な文化に対する理解を深め、豊かな文化を形成していきました。

ブダペスト

首都であるブダペストの国会議事堂、ブダ城、ドナウ川河畔の建物群や橋は世界遺産として登録されており、ブダペストだけでも120の博物館があるなど、先進国でありながら古い文化が共存する、魅力的な国の1つです。

ハンガリーは古くから教育熱の高い国で、ブダペストのセンメルワイス大学は370年、デブレツェン大学は479年、セゲド大学は436年、ペーチ大学は650年の歴史を持ちます。研究の水準も高く、人口1000万人に対してノーベル賞受賞者を14名輩出しており、人口に対する受賞率は世界第一位です。

センメルワイス大学 ペーチ大学

このような優れた文化と高い教育により、古くからハンガリーには留学生が多く訪れていました。1980年代には医学部で外国語(英語)のプログラムによる留学生受け入れが始まり、現在では4校に在籍する医学生、約1万4千名のうち、約4割が留学生で占められています。

英語で学ぶことができるため、高いレベルの英語力と医学の知識を同時に身につけられること。学費が年間150~170万円と、日本の私立大学医学部にくらべると安いことなどから、日本でも人気が高まっており、ハンガリー医科大学事務局を通じて、2006年に第一期生22名が渡航し7名が卒業、すでに日本で医師として働き始めています。直近の2015年には、ハンガリー国立大学医学部を卒業した15名のうち13名が日本の医師国家試験に合格しました。現在4大学の1年~6年に約200名が学んでいます。

このような利点を持つ一方で、ハンガリー国立大学医学部での教育は厳しく、1期生22名のうち留年することなくストレートで卒業できたのが7名と、約3分の1です。しかし、厳しい教育を潜り抜けた学生の能力は高く、一期生の沼田さんは、日本の医学部受験には合格することができませんでしたが、センメルワイス大学で学び、日本の医師国家試験模試で上位5%に入るなど、実力を大きく伸ばしました。