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私立大学医学部 2016年度入試を振り返って(一般入試)

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1.2016年度 私立大学医学部一般入試 総括

志願者数変化
2013年度 2014年度 2015年度 2016年度
77,842名 89,324名 90,084名 91,865名

2016年度の私立大学一般入試は2015年度より志願者数が1800名ほど増加し、過去最高の91,865名が志願することとなりました。

しかし、大学個別にみていくと、東北医科薬科大学の新設による志願者の増加が2458名でした。東北医科薬科大学の募集は半数が地域枠奨学金つきで、奨学金のために学費がかなり安く、この2458名の中には、高額な学費を払って大学に通う、従来の私立大学医学部志願者の層とは異なる層がかなりまじっていたと考えられます。

このようなことから、2016年度入試において、一般入試の志願者は2015年度から実質、ほぼ横ばいであったと考えられます。

この要因は2つ考えられ、1つは1970年代後半の医学部新設と医師数の増加による人口ボーナスの頭打ち、もう1つは新課程入試への切り替わりにより、浪人生が減少したためです。

2017年度入試では浪人生が再び増えて、志願者数が増加し、全体としては志願者数がやや増加することになるでしょう。

2.2016年度入試で目立った大学とその要因、2016年度入試予想と結果

2016年度入試で目立った大学は、志願者数減少が関西医科大学(前期)、帝京大学、北里大学、志願者数増加が、藤田保健衛生大学(前期)です。これらの大学について、前稿(2016年度入学試験の注目校)における私の予想の答え合わせをしながら考察します。

① 関西医科大学(前期)志願者数433名減少

この減少は予想外で、結果が出てから考察に時間がかかりました。考えられる要因は、関西の高校は基本的に国公立志向であるということです。これは、都市の規模の割に大きな医系予備校が少ないことからも推察されます。また、高校の医学部受験者数ランキングを見ても、同程度の偏差値の高校であれば関西の高校のほうが関東の高校よりも多くの国公立大学医学部合格者を出しています。

このため、関西の高校である程度以上できる学生は、私立よりも国公立大学医学部に重点を置き、現役生で私立を受験する人数があまり多くないと考えられます。また、2016年度は全面的に新課程入試に切り替わった最初の年(2015年度は旧課程での履修者への救済措置として、旧課程と新課程の共通範囲が出題範囲とされた)だったため、浪人生の受験生が少なかったと考えられます。

また、関西医科大学は2016年度は獨協医科大学、北里大学と日程が重複してしまい(2015年度入試は獨協医科大学とのみ重複)、関東の受験者が少なかったことも原因としてあげることができます。

② 帝京大学 志願者数383名減少

2016年度入学試験の注目校における予想の通り、帝京大学は志願者数が減少しました。正直なところ、もう少し大きく減少すると考えていましたが、裏の裏をかいた(減少すると見込んで受験した)人が多かったのかもしれません。また、学費が大幅に下がったことから、高額な学費だけが問題だった層が受験できるようになり、志願者数の歯止めに寄与しているのかもしれません。

2016年度入試では、英語を必須とするなど、入試改革の予兆を見せていますが、今後、優秀な学生を集めるために順天堂大学のように様々な入試方式を取り入れるか、科目数を増やす可能性があります。

その場合は、受験生が大幅に減少することにつながるかもしれません。もし、行われるとしたらセンター試験廃止後の動きになると思われます。

③ 北里大学 志願者数329名減少

2016年度入学試験の注目校における予想の通り、北里大学は志願者数が減少しました。この要因は、予想にもある通り、日程の重複です。2015年度入試では単一日程だったのが、2016年度入試では獨協医科大学、関西医科大学との重複日程となったことが志願者数減少につながりました。

しかし、その影響が、北里大学より関西医科大学で強く出たことが、地域における私立大学医学部への評価を表しており、興味深いと言えます。

④ 藤田保健衛生大学(前期)

2016年度入学試験の注目校における予想の通り、藤田保健衛生大学は志願者数が増加しました。(※予想内容が増加であったにもかかわらず、画像が減少になっていたため、2016年6月13日に修正しました。)

増加の要因は、近畿大学(前期)、埼玉医科大学(前期)、川崎医科大学との重複日程から、単一日程になったこと、2015年度の急激な志願者数減少による反動の2つと考えられます。

近畿大学(前期)、埼玉医科大学(前期)は藤田保健衛生大学(前期)との重複がなくなったため、志願者数が増加しましたが、川崎医科大学は志願者数が減少しました。これは、近畿大学(前期)が前年度に大きく志願者数を減らしたのに対し、川崎医科大学はここ3年ほどの倍率がそれ以前に比べて高く、以前より受験しにくくなったというのが原因と考えられます。

結局、受験生はより受験しやすそうな(しかも川崎医科大学より近く、地方会場も豊富な)近畿大学(前期)に集まり、川崎医科大学が志願者数を減らすという結果になったと考えられます。

※藤田保健衛生大学は2017年度入試で大幅な学費減額と入試改革を行います。これについては別のコラムで特集します。

※福岡大学は、2016年度入学試験の注目校における予想では横ばい、または増加と予想しましたが、結果は減少でした。

予想においては、前日の久留米大学⇒福岡大学の流れがあること、帝京大学は2016年度に志願者数が減少することが予想されること、2015年度に志願者数が大幅に減少したことにより、福岡大学の志願者数が増加するとしていました。

減少となったのは、これらの原因が的外れだったからではなく、2月1日の東北医科薬科大学⇒2月2日、3日の帝京大学、東海大学という流れが、関東以北の受験生を中心にあったためだったと考えられます。

結局、増加と予想した根拠は、九州あるいは四国、中国地方の学生にしか適用できず、それ以外の学生にはあまり影響がなかったのだと考えられます。

一般入学試験 志願者数変化

大学 2016年度志願者数2015年度志願者数志願者数変化
関西医科大学(前期)21242557-433
帝京大学75677950-383
北里大学22982627-329
獨協医科大学16752003-328
福岡大学25682862-294
関西医科大学(後期)478741-263
藤田保健衛生大学(後期)14711705-234
近畿大学(後期)10941321-227
兵庫医科大学18151989-174
東邦大学32423393-151
川崎医科大学15641698-134
東京慈恵会医科大学22762400-124
久留米大学19292020-91
杏林大学27842874-90
順天堂大学20812166-85
慶應義塾大学16891758-69
産業医科大学20282091-63
日本医科大学22412295-54
東京女子医科大学16641706-42
自治医科大学22922330-38
愛知医科大学21862209-23
埼玉医科大学(後期)26362645-9
大阪医科大学(後期)8408364
大阪医科大学(前期)1933191914
昭和大学(Ⅱ期)1935186075
昭和大学(Ⅰ期)39623806156
日本大学45214353168
聖マリアンナ医科大学36483473175
東海大学53985209189
金沢医科大学35883393195
岩手医科大学35403344196
東京医科大学36203355265
近畿大学(前期)19021540362
埼玉医科大学(前期)26792280399
藤田保健衛生大学(前期)21391376763
東北医科薬科大学2458 2458
合計91865900841781

一般入学試験 受験者数変化

大学2016年度受験者数2015年度受験者数受験者数変化
北里大学20902536-446
関西医科大学(前期)19072291-384
福岡大学24162673-257
近畿大学(後期)9601187-227
獨協医科大学15171739-222
関西医科大学(後期)405613-208
藤田保健衛生大学(後期)13221511-189
兵庫医科大学17391898-159
川崎医科大学15001645-145
東邦大学28572999-142
帝京大学69757095-120
東京慈恵会医科大学20732183-110
産業医科大学16831785-102
順天堂大学20062105-99
埼玉医科大学(後期)21072180-73
東京女子医科大学15971666-69
杏林大学26492716-67
慶應義塾大学14361503-67
自治医科大学22582294-36
大阪医科大学(前期)17151737-22
久留米大学18051814-9
愛知医科大学21212129-8
大阪医科大学(後期)68467014
日本医科大学2132203597
東海大学49894864125
昭和大学(Ⅱ期)18181691127
昭和大学(Ⅰ期)37223574148
岩手医科大学33843211173
金沢医科大学34463255191
東京医科大学32312926305
日本大学40023653349
近畿大学(前期)18111447364
埼玉医科大学(前期)25242124400
藤田保健衛生大学(前期)20131291722
東北医科薬科大学2278 2278

一般入学試験 一次倍率変化

大学2016年度一次倍率2015年度一次倍率一次倍率変化区分
北里大学4.5 6.7 -2.2 全合格
関西医科大学(前期)5.4 6.6 -1.3 正規
兵庫医科大学4.3 5.0 -0.8 全合格
川崎医科大学3.8 4.6 -0.8 正規
福岡大学6.3 7.1 -0.8 全合格
獨協医科大学5.0 5.7 -0.7 全合格
大阪医科大学(前期)8.1 8.5 -0.5 正規
東邦大学5.4 5.8 -0.4 正規
慶應義塾大学5.3 5.6 -0.3 全合格
東京女子医科大学5.5 5.7 -0.2 全合格
東京慈恵会医科大学4.6 4.9 -0.2 全合格
順天堂大学3.6 3.7 -0.1 全合格
自治医科大学5.1 5.2 -0.1 正規
愛知医科大学5.0 5.0 0.0 全合格
近畿大学(前期)6.4 6.4 0.0 正規
産業医科大学4.0 4.0 0.0 全合格
日本大学8.2 7.9 0.2 全合格
岩手医科大学5.1 4.9 0.3 全合格
日本医科大学5.2 4.9 0.3 正規
昭和大学(Ⅰ期)6.2 5.9 0.3 全合格
久留米大学4.9 4.6 0.3 全合格
金沢医科大学6.2 5.8 0.4 正規
東京医科大学7.2 6.5 0.7 全合格
埼玉医科大学(前期)6.8 5.6 1.2 正規
東海大学14.8 12.4 2.4 全合格
藤田保健衛生大学(前期)5.8 3.4 2.4 全合格
杏林大学5.7 5.8 -0.1 正規/全合格

一般入学試験 総倍率変化

大学2016年度総倍率2015年度総倍率総倍率変化区分
獨協医科大学14.6 17.6 -3.0 全合格
川崎医科大学18.8 21.6 -2.9 正規
岩手医科大学16.3 19.1 -2.8 全合格
愛知医科大学6.5 9.2 -2.7 全合格
兵庫医科大学10.4 12.7 -2.3 全合格
順天堂大学14.8 16.2 -1.4 全合格
大阪医科大学(前期)10.6 11.7 -1.2 正規
久留米大学10.9 12.1 -1.2 全合格
東京女子医科大学8.9 9.9 -0.9 全合格
慶應義塾大学8.6 9.5 -0.9 全合格
産業医科大学17.2 17.9 -0.7 全合格
関西医科大学(前期)14.3 15.0 -0.6 正規
自治医科大学18.4 18.7 -0.3 正規
福岡大学16.2 16.3 -0.1 全合格
東京慈恵会医科大学6.6 6.4 0.1 全合格
東邦大学22.1 22.1 0.1 正規
日本医科大学18.4 17.7 0.7 正規
北里大学9.3 8.5 0.8 全合格
日本大学18.6 17.6 1.0 全合格
藤田保健衛生大学(前期)7.2 6.2 1.0 全合格
東海大学34.9 33.1 1.8 全合格
昭和大学(Ⅰ期)13.9 12.0 1.9 全合格
金沢医科大学32.5 30.4 2.1 正規
東京医科大学21.0 18.8 2.2 全合格
埼玉医科大学(前期)38.8 33.2 5.6 正規
近畿大学(前期)13.8 7.7 6.2 正規
帝京大学36.0 29.0 7.0 全合格
東北医科薬科大学7.7  7.7 全合格
杏林大学21.4 9.7 11.7 正規/全合格
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