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東北医科薬科大学 数学 過去問解析

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分析表

科目(新課程に準ずる)   2017 2016
数学Ⅰ 数と式・方程式と不等式    
2次関数    
図形と計量  
データの分析    
数学A 場合の数と確率  
条件付き確率    
図形の性質    
約数と倍数    
不定方程式の整数解    
数学Ⅱ 二項定理・割り算・分数式    
恒等式・式と証明    
複素数と2次方程式    
剰余定理・高次方程式    
点と直線・円の方程式    
軌跡・領域  
三角関数  
指数関数・対数関数    
微分法と積分法  
数学B ベクトルの計算    
ベクトルと平面図形    
ベクトルと空間図形    
いろいろな数列
漸化式    
確率と漸化式の融合問題    
数学的帰納法    
確率分布と統計的な推測    
数学Ⅲ 複素数平面    
式と曲線    
関数・極限    
微分法とその応用    
積分計算    
面積・体積・曲線の長さ    
微分法・積分法の融合問題  
旧数学C 行列    

傾向

大問数は3で、すべてマーク式である。医学部入試は2016年度から開始されたが、2016年度は本学の薬学部の問題+α程度の問題がほとんどで、入試でよく出題される標準典型題の解法をマスターしていれば対応できた。複数の分野が融合した問題も見られたが、解答時間は70分あり、時間内に完答できた受験生も多かったのではないだろうか。2017年度も同様の傾向が続いたが、受験生のレベルを考えれば、今後は難易度が上がる可能性も考えられるので注意したい。

 出題分野では、2016年度、2017年度と連続して数列から出題されたことに注意したい。2016年度(2)は確率との融合で、前半で文字を含む確率を求め、後半でそれを数列と捉えて和を求める問題であった。2017年度(1)はxの多項式の係数を、数列の考え方を用いて求める問題であった。数列が与えられたとき、それに含まれる相異なる項の積を求める方法は、教科書学習時からマスターできる受験生は少数派であろうから、そのあと良質な演習を積んできたかどうかで差がつく問題といえる。

微・積分法も、2016年度、2017年度と連続して出題された分野であるが、2016年度は三角関数の積分の知識が必要で、与えられた式の形も絶対値記号などを含んで読み取りづらかったのに対し、2017年度(3)は座標平面上を動く線分の通過範囲を求める部分がメインの問題で、通過領域の面積を求める際の計算は、整関数の微積分だけで事足りた。むしろ、図形と方程式が他の分野と融合したという意味で、2016年度に(1)で出題されたような、座標平面上の三角形の面積が三角関数の最大・最小に帰着される問題などと結びつけ、研究しておくべきかも知れない。

 全体的には、中堅~上位の私立大の医学部の入試問題を多分に意識した出題で、標準典型題をベースに「ひと手間」加えさせるような、よく練られた出題といえる。単に計算や文字式、場合分けなどの扱いがややこしいだけとか、問題文の設定など「見た目」で惑わせようとするだけのような問題は見られず、特に序盤は多くの受験生にとって取り組みやすく作られた問題が多い。が、それだけに序盤でミスを犯す要素は考えづらいともいえる。取り返しがつかない状況に陥るのだけは何としても避けたい。加えて、データ自体がまだまだ少ないため、2017年度までに出題された分野を中心に学習しようとも言いづらい。大問数が3と少ないこともあり、大問の序盤が苦手分野からの出題であると致命的になる。難問対策は必要ないので、出題範囲の全分野を満遍なく学習することを心がけたい。

対策

教科書の基本事項を完璧に理解したうえで、中堅~上位レベルの私立大の医学部でよく出題される標準典型題の解法を、幅広くマスターしておくことが求められる。2016年度~2017年度の問題を見る限り、解答スピードはそれほど求められていないようだが、出題範囲のどこからどのように出題されても、慌てず淡々と対応・処理できるようにはしておきたい。

 ありきたりな話になるが、数学Ⅰ・A・Ⅱ・Bの教科書学習時から、すでに入試対策は始まっている。学校の授業、教科書だけの学習に甘んじることなく、学んだ範囲の知識で解ける入試問題に都度つど挑戦し、力試しを行って欲しい。小問集合の対策は必要ないので、分野別に編集されたセンター試験対策用の演習書(例えば「解決!センター」数学Ⅰ・A/Ⅱ・B(Z会出版))などに取り組んで大問の流れに慣れつつ、序盤でミスしたらどうなるかといったシミュレーションもしておこう。ミスを防ぐためには式や図などを丁寧にかき、特に図は必要に応じて描き直したりすると良い。

 数学Ⅲを学習する段階に入ったら、それと並行して既習範囲の抜けている知識を補っていこう。特に、数学Ⅱの三角関数や指数・対数関数の性質などは、数学Ⅲの極限や微積分を学習する際に大前提となるから、関連づけて覚えると忘れにくい。教科書学習を終えたら、計算練習用の問題集(具体的には「カルキュール[基礎力・計算力アップ問題集]」数学Ⅲ(駿台文庫)など)を何か1冊仕上げ、ついで中堅~上級レベルの私立大の医学部の入試問題を多く収録した問題集で演習量を増やしていこう。過去問は2017年現在2年分しかないので、他大学で数学Ⅲの微・積分法をマーク式の大問で出題するところの過去問なども活用し、私立大の医学部入試独特の、解答時間の感覚を身につけるとよい。

 受験生のレベルを考えると、合格ラインは高いと思われる。数学が得意な人は、解答時間内に完答し、満点を目指すイメージで臨みたい。が、それにはこだわりすぎると出題傾向が変わったときなどはパニックに陥ってしまうので、とりあえずの目安は9割以上。問題に取り組む際は、最初に思いついた解法で行けるところまで行ってみて、時間が余ったら他の角度からも考え直してみると検算にもなる。

基本的な問題が多いため、数学が苦手な人も高得点を狙っていく必要がある。できれば7割程度を目標にしたい。各大問とも序盤~中盤の典型的な問題は必ず取り、とにかく出来るところまで解ききること。他分野との融合なども入ってくる大問の終盤の問題は、苦手分野のものは後回しでよいから、手をつけたものを確実に得点するようにしよう。

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