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理論化学
化学講座 第35回:単体と化合物、純物質と混合物、分離と精製

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(4) 再結晶(溶解度の違いによって分離する)

再結晶は、温度による物質の溶媒に対する溶解度の差を利用して物質を分離する方法です。この方法で取り出す事ができる物質は、温度によって溶解度が大きく異なる物質です。

例えば、KNO3などです。KNO3は温度による溶解度の差が非常に大きいため、高温のKNO3飽和水溶液を冷却すると、多くの固体が析出します。

一方、NaClなどは温度による溶解度の差が小さいため、NaClの飽和水溶液に同じ操作を行ってもほとんどNaClの固体は析出しません。

そのため、KNO3とNaClの混合物を高温で高濃度の水溶液にした後、冷却すると、純粋なKNO3を固体として分離する事ができます。

KNO3とNaClの混合水溶液

(5) 抽出(異なる溶媒への溶解度の違いによって分離する)

抽出は、物質の溶媒に対する溶解度の違いを利用して物質を分離する方法です。

例えば、フェノールは水よりも、構造の似ているベンゼンに良く溶ける性質があります。

これを利用して、NaClとフェノールの水溶液から、フェノールとNaClを分離する方法を考えましょう。

まず、この混合水溶液にベンゼンを加えると、ベンゼンと水溶液の2層に分かれます。この水溶液を良く振り混ぜると、べンゼンのほうにフェノールが移動します。ここで、水とベンゼンを分離すれば、水層にNaClを、油層(ベンゼン)にフェノールを、それぞれ取り出すことができるのです。

抽出の図

(6) 昇華(昇華性物質を、そうでない物質と分離する)

固体から、液体を経ずに気体になる性質を昇華性と言います。高校化学で出てくる昇華性の物質は、分子性物質のヨウ素とドライアイスとナフタレンでしたね。

昇華性のある物質と無い物質を分けるには、混合物を加熱して昇華性の物質を気体にすれば良いのです。例えば、砂とヨウ素の混合物をビーカーに入れて加熱すると、ヨウ素は昇華して気体となる一方で、砂は気体になりませんからビーカーの底にたまっています。

ここで、生じた気体のヨウ素を冷却すると、ヨウ素の固体が昇華してくるので純粋なヨウ素を分離する事ができるのです。

昇華の図

(7) クロマトグラフィー(物質の吸着力の差によって分離する)

物質のろ紙に対する吸着力のちがいを利用して分離する方法です。

短冊状にきったろ紙の一端に複数の成分を含む試料をつけた後、展開液を試料をつけた方の端から吸わせると、毛管現象によって展開液がろ紙中を上昇していきます。

このとき、ろ紙に対する吸着力の大きなものはそんなに移動しません(ろ紙にくっついてなかなか動かないのです。)が、吸着力の小さなものは大きく移動するため、成分を分離する事ができます。

これはもっとも原始的なクロマトグラフィーですが、このほかに、ろ紙の代わりに細いチューブ状のカラム、展開液の代わりにガスを用いるガスクロマトグラフィーや高圧で溶媒を流す液クロマトグラフィーなどがあります。

昇華の図

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